スタイルトップ  >  あそび   >   絵本をもって出かけよう!旅する絵本   >   【旅に出よう】秋の海辺で親子のはじめて哲学絵本 vol.3
絵本をもって出かけよう!旅する絵本

【旅に出よう】秋の海辺で親子のはじめて哲学絵本 vol.3

秋の海辺ではじめる哲学の絵本3冊

誰でもはじめられる「考えること」は「哲学すること」

秋の海は、夏とはまったく違う大人びた表情を見せてくれます。

静かな波音と灰色の海は、去ってしまった夏の落とし物がないか、ふと探してしまうような寂しささえ感じます。それでいて、なんだか不思議と心を落ち着かせてくれるので、ちょっとした考え事をするにはピッタリの場所のようです。そんな秋の海に、お気に入りの絵本を持ってお子さんとおでかけしてみませんか。お家の中で読む絵本が、いつもと違う言葉で語り掛けてくるかもしれません。目の前にはいつもと違う景色が広がるかも。「絵本と旅にでる」をテーマに、絵本を持ってでかけてみましょう。いつもと違う場所で絵本をひらいてみたら・・・。

 

今回は、秋の海辺で哲学してみようと思います。「哲学」ときくと、なんだか堅苦しくて難しいことのように思われがちですが、「哲学」のはじまりは、「考えること」。すごく身近な簡単なことでいいのです。お子さんと一緒になって、子どもに戻った気持ちで、はじめての哲学に挑戦してみましょう!舞台は、考えることにピッタリの秋の海。

 

では、早速ためしてみましょう。

秋の海が語る波の音に耳を傾け、哲学してみる

少しひんやり湿った風が肌寒いくらい。まずは、テトラポッドに腰をかけて、なければ砂浜に座って、波の音に耳を傾け、潮の匂いを感じてみましょう。海はどんな色?波はどんな感じ?

秋の風にすっかり表情を変えた静かな海は、哲学するのにピッタリ

今回は、4冊の絵本を持ってきました。最初の1冊目は、文字のない絵本『アザー・サイド』(復刊ドットコム)。難しいことは考えず、この絵本を開いてみましょう。絵本には、一切説明がありません。こちら側とあちら側が描かれた、とても不思議な世界が広がっています。まずは、お子さんと一緒に、絵本の情景を観察してみましょう。

 

こちら側では、女の子は何をしている?

誰とどこにいる?そこは、どんな場所?

 

次に、あちら側をみてみましょう。

あちら側は観客席かな?だれがいる?どんな様子?

なにを見ているのかな?

 

ページを見比べていくことで「視点」がどんどん変わります。あちら側とこちら側の景色、こんなに見え方が違うのです。私が見ている景色とあの子が見ている景色は、何が違うかな?同じものを見ているのかな?会話をすることで、どんどん「考える」が面白くなっていきますよ。

向かい合った互いの視点を体験できる不思議な絵本『アザー・サイド』(復刊ドットコム)
あちら側とこちら側の世界へ連れ出してくれる『アザー・サイド』(復刊ドットコム)
アザー・サイド

スゴイ!!
黄色と黒のオシャレな表紙に魅かれて手に取りました。
同じ作者の『ZOOM』を見たときにもその不思議な世界の
とりこになりましたが、こちらもスゴイ!!
文字も無く、ただ続いていくこちら側と向こう側の世界。
そこには思いもよらない世界が存在していたり。。^^;
長男とえ-っ!?えーっ!?と連呼しながら読んでいます。
この不思議な世界は、
何度も何度も繰り返しページをめくりたくなりますよ♪
(パンくん大好き!さん 30代・大阪府大阪市  男5歳、男2歳)

「にわとり」が先か「たまご」が先か・・・?

2冊目も、文字のない絵本『にわとり と たまご』(ほるぷ出版)。

今度は、もう少し注意深く考えてみます。にわとりがたまごをうんだ。たまごから、にわとりがうまれた。そして、にわとりがまた、たまごをうんだ。そのたまごから、またにわとりがうまれた。にわとりが先なの?たまごが先なの?はじまりはどっち?永遠の「いのち」のループに「考える」が止まらなくなります。絵本の絵をじっくりとよく観察しながら、考えてみましょう。さて、その変わらない永遠のループに何かの変化を気づいたかな?大人も一緒に頭をぐるぐるさせて、考えてみましょう。

・・・・にわとり なのか たまご なのか・・・?

鋭い考察力で何かに気づく『にわとり と たまご』(ほるぷ出版)
にわとり と たまご

にわとりかたまごか・・・。
にわとりの黄色の足からはじまるこの絵本。

出版されたのは1969年。
絵本作家のイエラ・マリ、デザイナーのエンゾ・マリご夫妻の
絵本として親しまれている「文字」のない美しい絵本です。
シンプルで潔いその斬新な構図と芸術的な色彩は、
見るものの頭から余計な雑念を一切排除してくれます。
哲学的ともいえるテーマを題材に
「イノチ」のつながりを視覚的に見せることに挑戦した本作品。

大人はいろいろと理屈をつけて考えてしまうものですが
そんなに難しいものではないのかもしれません。

絵からよみとる、よみとるというより感じる絵本。
どこからはじめてもぐるぐると「にわとり」が「たまご」をうんで、
「たまご」から「にわとり」がうまれて・・・。
ページをめくるたびに時間が経過していきます。ゆっくりとゆっくりと。
成長していきます。
一周したら、必ず後ろの見開きをみてから表紙をみてください。
きっと何かに気づくはず。

子どもと一緒に読んでみたい絵本です。
一体どんな感想をきかせてくれるのでしょうか。ドキドキします。

 

(富田直美  絵本ナビ編集部)

ちょっと難しそうなテーマも、正反対の考えを理解することで哲学できる

3冊目は、ちょっとばかり難しいテーマをとりあげます。

フランスからやってきた子どものための哲学絵本『はじめての哲学 生きる意味』(世界文化社)。フランスでは小さな頃から、哲学、考える授業があります。大人顔負けのしっかりとした自分の意見を子どもがもっているのは、日頃から考えるクセがついているから。具体的な例をあげて、それぞれの正反対の考えを理解することを教えてくれます。いろいろな考え方を知った上で、子どもたちはどう考えるでしょうか?大人も思わず、ハッとさせられるのが哲学。子どもと一緒に大人も考えてみてください。

 

忙しいからこそ生きる意味があるのか、なにもしない時こそ生きる意味を感じるのか。『はじめての哲学 生きる意味』(世界文化社)
あなたは?どう思いますか?『はじめての哲学 生きる意味』(世界文化社)
はじめての哲学 生きる意味

なにが幸せ? 生きていくのに、なにが大切?――自分らしさを考える。“わたし哲学”はじまる。
フランスで数々の賞を受賞し、世界19カ国で翻訳された話題の哲学シリーズ。『愛すること』と2冊同時刊行。

【担当編集者からオススメの一言】
身近で結論が出ない問題と、
意味深な立体イラスト&キャラクターが織り成す、
やさしい哲学の世界。
今までなかった大人向けのお洒落な哲学絵本の誕生です。
『小さな王子―新約 星の王子さま』翻訳者の、
繊細で美しい日本語訳でお楽しみください。

●当たり前のように思ってあえて考えていないことを
いざ掘り下げてみると、意外な答えが出てきて驚いた。
(芳林堂書店津田沼店 飯田和之さん)
●これは「教えてくれる哲学」ではなく、
「呼びかけてくる哲学」。かわいいキャラクターで、
難しいテーマも自然に考えられた。
(オリオン書房ルミネ店 半沢美里さん)

等々、書店員さんの間でも早くも話題沸騰です!

頭の中を整理することが楽しくなる、子どものための哲学本

これだけじゃ、物足りない!そんなお子さんには、もっと「考える」を特訓しましょうか。

『考える練習をしよう』(晶文社)では、いろいろなレッスンを紹介しています。さて、一通りレッスンが終わったころには、哲学するクセがついているはず。考える楽しさをおぼえると、この世界のすべてが「不思議」で「未知」にあふれていることを実感できるはず。大切なことを忘れそうになっている大人にもちょうどいいのかもしれませんね。

質問することはカッコいいんだ!『考える練習をしよう』(晶文社)
もののみかたは一つきりじゃない『考える練習をしよう』(晶文社)
考える練習をしよう

頭の中がこんがらかって、どうにもならない。このごろ何もかもうまくいかない。見当ちがいばかりしている。あーあ、もうだめだ! この本は、そういう経験のあるひと、つまり、きみのために書かれた本だ。みんなお手あげ、さて、そんなときどうするか? こわばった頭をときほぐし、楽しみながら頭に筋肉をつけていく問題がどっさり。

秋の海で哲学

いかがでしたか?

ちょっとしたきっかけがあれば、日々「哲学する」ことができそうですよね?

特に、場所が変わると、絵本はびっくりするほどいつも以上の存在感を放ちます。子ども達はその世界にくぎ付けになります。是非、外で絵本に触れてみてください。絵本と旅にでる。絵本はいつもそこにいて、いつでも扉を用意しています。きっと、絵本を使って「考える」を経験をした子ども達は、きっとその思い出を胸に、新しい世界の扉を開いていくことでしょう。

 

是非、お試しください。大人にもとても効く方法かもしれません!

富田直美(絵本ナビ編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
人気連載