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絵本をもって出かけよう!旅する絵本

【旅に出よう】白い雪の中、耳をすますと。音をさがす旅 vol.6

しーんと静まり返る雪景色の中でひらいた心の音をさがす絵本

雪が降りました。

積もった雪の上を歩いてみます。ミシッ、ミシッ。それとも雪が固くなっていて、ギシッギシッ?思いのほか深く積もっていたのなら、ズボッズボッかもしれません。汚れていない降り積もったばかりのキラキラ光る白い雪の中で、耳をすまします。音は何もしません。あたりは静まり返り、空気がピンとはりつめています。しばらくするとかすかな音が聞こえてきました。一体、これは何の音...?

 

「絵本と旅にでる」をテーマに、絵本を持っていろいろな場所にでかけてみると、いつもと違う日常がそこにはあるかもしれません。雪の中だからこそ、想像力がふくらみ、心の音が聞こえてきそうな3冊と本日もおでかけです。

音が心地よく意味がないから心も解放される!赤ちゃんのための俳句絵本

大人は意味を求めがち。大人は理由を求めがち。なにか必ず意味があって、やらなければならない理由がないと不安になる生き物です。でも、自分が子どもだった頃を思い出してください。よくわからないけど、びっくりする集中力でなにかに夢中になってたあの頃。もちろん、意味なんてありません。理由なんていりません。だからこそ子どもって強い。潔い。面白い。

 

ファッションブランド「ミナ ペルホネン」のファッションデザイナー皆川明さんの自由でのびのびと成長をとげた謎の生き物たちに、谷川俊太郎さんが俳句調の言葉をつけた絵本「はいくないきもの」。その不思議な生き物の絵と謎の言葉は、ところどころ聞き覚えのある言葉もあって、声に出して読むと意味がないからこそ心地よく楽しくなります。赤ちゃんのために作られた絵本ですが、大人も十分に刺激を受けるようです。

 

「いたぶべぼ

どここそここね

おもいだす」

 

大きな声で謎の言葉の音を読み上げたら、解き放たれた謎の生き物が一瞬で白い雪原に飛び出していきました。

ころころところがっている小さな雪の玉も謎の生き物に見えてきます。
自由にたくさんの手を欲望のままに伸ばして動かしている謎の生き物。頭は綿毛みたい。
大きなモフモフの赤い羽?耳?をもった脚の長い謎の生き物。空に飛んでいくのかな?
はいくないきもの

においをかぎたい、空を飛びたい、歌をうたいたい……そう強く願ううちに、ちょっと変わった姿かたちになった12の「いきもの」たち。意味がないようであるような、ふしぎなことばは、五七五の俳句調になっています。

ゆらしてごらん。どんな音がきこえてくる?音を想像する絵本

謎の生き物を追いかけて、雪の森の中へ。

木々の中に何か潜んでいるような気配を感じます。心を解き放つ呪文のような言葉を発したからか、なんだかとても体が軽いような気がします。今なら何かを見つけても雪に足をとらわれず追いかけられそうです。しばらくすると、とても微かな、小さな音が聞こえてきました。そこで見つけた絵本『くるみのなかには』。

 

堅いくるみの中にはなにがある?ゆらしてみると音がする。どんな音なのか、音の数だけ物語がある、想像力をかきたてられる絵本です。

自分が持っているくるみからはどんな音がするんだろう。

 

だれかがこっそり隠れていそうな冬の森。謎の生き物のあしあとは...?
くるみの中に何があるか、音を想像するとその中にある物語が誕生します。
りすがかくしたくるみには、裁縫好きなりすの裁縫道具が。
くるみのなかには

くるみの なかには なにがある?
なかには ちいさな ちいさな たからもの

もし、りすが おとしたくるみなら、
それは りすの さいほうばこ
ちいさな はさみ ちいさな いとまき

雪の音はどんな音?雪を眺めていると暖かいお家に帰りたくなる絵本

雪が少し降ってきました。雪がやってくると、誰かに会えそうな気がします。

たとえば、雪の日だけに現れる秘密のお友だち。絵本『ゆきがふる』では、雪の日の子どもたけが知っている秘密の出来事が描かれたお話です。絵本の中で流れる時間そのものを感じられるのは、詩人であり作家の蜂飼耳さんの言葉と牧野千穂さんの深みのある絵によるもの。絵本をひらき、絵本を声出して読むと音が聞こえてくる絵本です。

 

ゆきがふる。 ゆきがふる。

ふわ ふわ しん しん ふりつもる。

まっしろな てのひらで

せかいを やさしく つつみこむ。

 

子どもたちは秘密を抱えると、なによりも暖かいお家が恋しくなります。暖炉のあるオレンジのお部屋の中から、青白い外の雪景色を眺めます。雪はしんしんと降り続き、窓のガラスもかなり冷えて、時折キシキシと音をたてます。お部屋の中では、妹の寝息がすぅすぅと聞こえて、台所からは明日の準備をしているお母さんの音が聞こえてきます。

 

音をききながら絵本を読みすすめていくと、現実世界では雪はやみ、辺りはまた静けさをとりもどしていました。

『ゆきがふる』は読み聞かせにもピッタリです。柔らかでそぎ落とされた言葉に音が聞こえてきます。
うさぎのふうちゃんは雪の音に耳をすまします。
暖かいお家が一番安心します。お家で聞こえる音はどんな音?
雪は降り続きます。雪の中ですべてのものが眠りに落ちます。
ゆきがふる

ふうちゃんは、ゆきの日にだけあらわれる、森のなかのみちのさきにいってみました。そこには、おおきな「ふわふわころり」と、うつくしいゆきをふらせる「ゆきぐも」がいました。ふうちゃんは病気のいもうとのために、そのうつくしいゆきをふらせてほしいとおねがいします。お父さんからもらった、いちばん大切なおもちゃとひきかえに...... 

雪の中ですっかり耳が研ぎ澄まされて、いろいろなものが聞こえてきます。小さな生き物たちが春を待つ音も。

耳をすますといろいろな音が聞こえてきます。

いかがでしたか?

雪の中で音をさがす旅。たくさんの音が聞こえてきたでしょうか。絵本を持って旅にでる。いつもと違うなにかが変わる。自分の中に、もう一人の自分を発見できるかもしれません。

 

さて、雪がやんで、少しおなかもすいてきました。ご飯を食べて帰ろうかな。でも、その前にもうひと滑り。

みなさんも、絵本とお出かけしてみてくださいね。

大人になって雪ぞりをしたことがありますか?これがかなり刺激的!
https://www.ehonnavi.net/special.asp?n=99 【テーマ】「ゆきのえほん」はこちらから

富田直美(絵本ナビ編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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