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絵本をもって出かけよう!旅する絵本

【絵本と旅に出よう】あなたの家はどんな家? vol.9

旅先でいろいろな家の「カタチ」について考えたくなる絵本

さて、お天気もいいし、家から離れて旅にでよう!

 

颯爽と家を飛び出し、美味しい空気と緑に囲まれた自然へ向かいます。今日は家のことなんて忘れて気分転換!...いやそうじゃなかった。家から遠く離れた自然の中で、家のことを考えてみようと旅にでたのです。

 

なんだか矛盾しているようだけれど、家から離れた自然の中では、日常のザワザワしたものがそぎ落とされて、シンプルに大切なことが見えてきます。今回は、家の「カタチ」について少し考える絵本をお供にお出かけしてみましょう。絵本と一緒に旅に出ると、なんだか自分の視点がガラリと変わる不思議な瞬間に出会います。さあ、あなたも絵本をもって旅にでかけてみませんか。

いろいろな人が住む、いろいろなカタチの家の絵本

いつもより少し遠くへ出かけると、その道すがらいつもと違う街並みや家を見かけます。

山に向かって森の中へ進めば、三角屋根の丸太小屋が見えてきます。一体、どんな人がどんな暮らしをしているのでしょうか。

とてもいいお天気!お出かけにピッタリの青空です。

そんなワクワクする旅気分をさらに加速させてくれる絵本があります。『わたしのいえ』では、田舎の丘の上にある家や、隣同士が近い町の家、船が家だという人もいれば、地下のあなぐらが家の人もいる。物語の中に登場する靴の家や、海の底に沈んた家、動物たちの家、世界中のありとあらゆる家が登場します。みんなはどんな家に住んでるのかしら。家の中はどんな感じ?あれ、なんでこんな場所に家を建てたの?

 

家のカタチを考えだすと、家はとても面白い。

わたしのいえ

田舎にある家。あるいは、街中のアパートや、ごうかな宮殿。それから、靴のなかでさえも! この世界でくらす人や動物の、それぞれのいえやくらしが、うつくしい筆致で描かれます。長年児童書の挿絵や、音楽関連のアートワークで活躍してきた著者が満を持して完成させた、はじめての絵本。

物語の中に登場する靴のカタチをしたユニークなお家。子どもたちが自由にのびのび遊んでいて楽しそう!
見たことがないような不思議なカタチのサラリーマンの家や北の森の神様の家
しっかりと大地に根をはっている立派な木は、見晴らしのいいリスの家。

見れば見るほど家の細部が気になる家の絵本

家のカタチを見ていると、家の中身が気になってきました。

こんな変なカタチの不思議な家に住んでいる人は、どんな風に暮らしているのだろう。どんなベッドで、どんなテーブルでご飯を食べているのでしょうか。もちろん、人のお家を勝手に見ることはできません。でも、絵本の中なら思う存分、家の中が観察できちゃうって気づいてました?

外側からは想像のつかない、人それぞれの家の暮らしがあるかもしれない。

『マウスマンション サムとユリア』は、家の中をしっかり観察するのにおすすめしたい絵本です。

実際に3年の歳月をかけて作られたドールハウスの部屋を撮影し、描かれたマウスマンションに住むねずみたちの日常の物語は、どこからみても本当にドールたちがそこで暮らしているような生活感がたっぷり詰め込まれています。

驚くほど緻密に作られたドールハウスの中で繰り広げられるねずみたちの暮らしぶりとは?
どの部屋にもモノがいっぱい!豊かで楽しい日常に目に離せません。すべての小物に物語がつまっていそう。
生活感あふれるその部屋の中はいつまでも見ていたくなる、想像力が膨らむ1冊です。
マウスマンション サムとユリア

驚異的オランダ絵本!著者手作りドールハウスに住むマウスたちの物語

かわいいマウスの女の子ユリアと、親友サムのかわいい冒険物語におもわず笑みがこぼれます。
著者のカリーナは自分の背丈を超える大きな、そして精緻なドールハウスを3年の歳月をかけて手作りしました。そこにかわいいマウスの人形をおくと、たちまち物語がうまれました。カリーナはそれを写真に撮って、絵本『サムとユリア』をつくりました。オランダの小さな出版社から発売されるや、2日で完売!記録的な大人気絵本の誕生です。ドールハウスで繰り広げられるマウスたちの暮らしは、かわいいストーリだけでなく、ひとつひとつのアイテムを見る楽しみに彩られています。見ている方もおもわず作りたくなる、創作意欲が刺激される絵本です。

家のカタチは思い出のカタチ。心に残る家の絵本

いろいろな人がいろいろな家でいろいろな暮らしをしています。

あなたの今の家はどんな家ですか?だれとどんな風に暮らしていますか。あなたの子どもの頃住んでいた家はどんな家だか覚えていますか。何を一番思い出しますか。その家には思い出がたくさんありましたか。家のことを考えいると、ただ家のカタチや中身だけではなく、そこで暮らしていた人たちの思い出が見え始めてきます。

 

家のカタチって、そこに暮らす人の記憶のカタチなのかもしれません。

木の家を見上げると眩しいくらいに輝く緑の葉。この家はいつからどのくらい長くここにたたずんでいるのでしょうか。

ふと、家にまつわる記憶をめぐる素敵な絵本を思い出しました。『つみきのいえ』。

水没した土地に暮らす老人は、家が水没するたびに家を重ねて積み木のように建てて住んでいます。ある時、落とし物を拾いにそのつみきのいえの深く深く奥へと潜っていきます。そこにはこれまで費やしてきた自分の人生に記憶がぎっしりとつまっていました。

数多くの賞に輝いたアニメーション「つみきのいえ」が素敵な絵本に。涙が静かに流れあたたかい気持ちにさせてくれます。
おじいさんは一人で暮らしています。見渡す限り水に囲まれた家に住んでいます。
おじいさんは最初に建てた素敵な小さい家のことを思い出します。そして誰と一緒にいたのかも。
つみきのいえ

ほとんどの建物が水没した土地で暮らす老人。ある日落とし物を探しに海に潜ると…。
第81回米国アカデミー賞短編アニメーション部門受賞をはじめ、2008年6月のフランス・アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞(最高賞)・こども審査員賞をダブル受賞、2008年度第12回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞など、世界中の映画祭で20冠に輝いた短編アニメーション「つみきのいえ」を、作者である加藤久仁生(監督)、平田研也(脚本)の二人が絵本として描きおろしました。
 

人が住むとその家にはたくさんの温もりと記憶が蓄積されていきます。なんとも言えないその生活感や人の気配に心が動かされます。住み心地の良い家にはたくさんの優しい良い思い出が増えていくのだろうなと思います。家のカタチから中身からそこに留まるいろいろな人の記憶に思いを馳せていたら、やはり無性に家に帰りたくなってきました。そして、今住んでいる家が自分や家族にとって素敵な記憶の一部に残るよう、大切に暮らしたいなと思いました。

ここで咲いているタンポポはまだ綿毛になっていませんが、山をおりるとタンポポの綿毛パラシュートが飛んでいました。
カエルが1匹。家は帰る途中かな。どんな家に帰るのかしら。

いかがでしたか?

旅先にでかけたら、いろいろな家を観察してみてください。動物や虫たちのお家をさがしてみましょう。あなたの家はどんな家?家にまつわる面白い絵本はまだまだたくさんあります。ぜひ、お気に入りの1冊とお出かけしてみてくださいね。

どこまでも続く道の先にあるのはあなたのお家

富田直美(絵本ナビ編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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