スタイルトップ  >  あそび   >   絵本をもって出かけよう!旅する絵本   >   【絵本と旅に出よう】青い海に冒険にでかけよう!フェリーで海上散歩 vol.11
絵本をもって出かけよう!旅する絵本

【絵本と旅に出よう】青い海に冒険にでかけよう!フェリーで海上散歩 vol.11

まだ見ぬ未知の海の世界を教えてくれる絵本

うーみーは、ひろいーなー おおきいなー!

 

心地よい潮風は、きまぐれに髪の毛をあっちこっちにぐしゃぐしゃにひっかきまわしながら、「早く早く!こっち!こっち!」と言わんばかりに背中を押し、海の上をすいすいと泳いでいきます。青空の下、どこまでも永遠に続く青い海。一体、この巨大な海の下には何が潜んでいるんだろう?とてつもなく大きなイカや見たこともないような不思議な古代の生物が泳いでいるんじゃないか?そんなことを想像するだけでなんだかワクワクがとまりません!

 

「絵本をもって旅に出よう!」第11回目は、フェリーに乗ります!夏と言えば、やっぱり海ですよね。でも、ここはあえて海岸に行ったり、海には潜らず、船上から、船乗りや海賊の気分になって、未知なる海を思う存分に感じたいと思います。海の上でひらく絵本は、どんな世界を見せてくれるのでしょうか。

フェリー乗り場からフェリーに乗り込む時はいつもドキドキ!港から港へ渡り歩く船乗りになった気分。

海の断面図から学ぶ生き物の生態と世界のいろいろな海を知る絵本

気軽に海の広大さとその質量感を味わうなら、フェリーがピッタリ!想像以上のスピードと海を陸の上のように移動する不思議な感覚に、気持ちも高まります。

もちろん、フェリーに乗るのはその先にある目的地があるからなのですが、その移動時間自体もとても貴重で有意義な体験。「海」についてもっと知りたくなります。

青空に白い雲!さぁ、出発だ!

「海」がどんなものなのか、どれだけ深くて、そこにはどんな生き物が住んでいるのか、わかりやすく断面図によって、教えてくれる絵本があります。

 

かこ さとしさんの『海』(作・絵 加古里子 福音館書店)は、身近な浅瀬の海から行ったことのない海外の海まで、海に住んでいる生き物、海でのお仕事や海底開発など、様々な海の側面を知ることができます。海が生命の源であること、海の未知なる可能性を教えてくれます。

『海』(作・絵 加古里子 福音館書店)
子どもたちが遊ぶ浅瀬の砂の下にもたくさんの生命が。『海』(作・絵 加古里子 福音館書店)
『断面図で見るといろいろなことがわかります。海』(作・絵 加古里子 福音館書店)
海

作・絵:加古 里子
出版社: 福音館書店

身近でありながら、今なお、多くのなぞを秘めている海。この海にすむ動植物から未来の海中農業、海底開発まで、海の持っているすべてを総合的に整理し、こまかく描きこんだ絵本図鑑。

もっともっと海の底へ、海底に潜ってみよう海底散歩ができる絵本

フェリーはさらに加速して、波に乗りどんどん進みます。

目的地はまだまだ先。かもめがやってきては追いかけて、去っていきます。海を側面からみたら、今度はもっともっと奥深くを散歩してみたくなりました。甲板に出てみます。風がすごい。海は深く色濃く、太陽の光を反射しています。波は白いしぶきをあげてくだけます。甲板に出ると、気持ちは船乗りになったみたい。

波は同じ形をひとつとしておらず、見ていても飽きません。
甲板の景色はまた格別

さらに海を奥深く潜ってみたいと思います。絵本の中で。『海はもうひとつの宇宙』(文・絵:高頭祥八 出版社: 福音館書店)は、人類の海底調査の歴史や海の役割、海の神秘なる姿を感じることができます。調査する人々の歴史を追うことで、なぜ海がそこまで人を魅了するのか、またまだ見ぬ海底という謎の領域にワクワクがとまりません。海の上で読む「海底散歩」は海を感じるにはなんとも贅沢で格別です。

海底散歩にワクワク『海はもうひとつの宇宙』(文・絵:高頭祥八 出版社: 福音館書店)
いろんな時代の人類の挑戦も面白い『海はもうひとつの宇宙』(文・絵:高頭祥八 出版社: 福音館書店)
生きてるダイオウイカの目撃を衝撃でした!『海はもうひとつの宇宙』(文・絵:高頭祥八 出版社: 福音館書店)
海はもうひとつの宇宙

海は、人びとの好奇心をそそる未知の世界。海中探険の歴史をたどりながら、地球をつつむ海の意味を考える。

振り返るとどんどん港は遠くなり見えなくなります。この先遠くに見える陸地を想像すると気分は冒険者に

船上の冒険心をかきたてる、誰でも冒険者になれる絵本

航路も半ば、陸地が近づいてくる前に読みたいのが、目指す宝島を見つけて興奮する冒険者や海賊の気持ちにさせてくれる絵本。何日も何か月も波に揺られ、どこまで進んでも海しかない。新鮮だった青い空、青い海にも飽きてきて、そしてだんだんと不安になる。陸地はどこにあるんだろう。本当に目的地にたどり着けるのか。

 

実際には2時間もないのですが、そんな冒険者の気持ちになって船上から陸地を想像すると気分も上がります。『クエスト にじいろの地図のなぞ』( 作:アーロン・ベッカー 出版社: 講談社)は、ページを開いたとたんに冒険に連れて行ってくれます。

『クエスト にじいろの地図のなぞ』( 作:アーロン・ベッカー 出版社: 講談社)
フェリーの先には何が待つのか...『クエスト にじいろの地図のなぞ』( 作:アーロン・ベッカー 出版社: 講談社)

アーロン・ベッカーの『ジャーニー 女の子とまほうのマーカー』の続編なのですが、この絵本の中では、仲間も登場し、海底に潜ったり、さらなる大きな世界へ冒険します。文字のない絵本なので、まるで映画を見ているように頭の中に映像が広がります。まさに冒険心をくすぐってくれる絵本です。絵本の中の大冒険を終えると、そろそろ陸地が見え始めました。

陸地が見え始めると、冒険心がうずきます。
クエスト にじいろの地図のなぞ

本書は、2013年11月に刊行された、『ジャーニー 女の子とまほうのマーカー』の続編にあたる1冊です。前作の『ジャーニー』は、その詩情と美しく多彩なイマジネーションがアメリカで高い評価を受け、瞬く間に児童書のベストセラーになり、各書評でも絶賛、コルデコット賞オナーブックも受賞しています。
 続編となる本作も、前作同様、文字は一切入っておらず、その幻想的なイラストレーションのみでストーリーが展開していきます。主人公は、前作にも登場した女の子と、物語の最後に出会った男の子。描いたものが実在にあらわれる、まほうのマーカーをもつ二人が、奇妙な王さまに謎の地図を託されるところから、物語は始まっていきます。
 海底に存在する謎の遺跡への潜入、地図をねらう兵士との緊迫した駆け引きなど、次々に起こるピンチをくぐり抜け、二人が目にしたものは……?
 ダイナミックで迫力ある構図、細部まで行き届いた風景、息をつかせぬ展開など、子どもも大人も楽しめる1冊です。

もうすぐです!すでにいくつもの冒険を乗り越えた船乗りの気分
さて、この大陸では一体何が待っているのか、本当の冒険がここから始まります!

行きはよいよい、帰りはちょっと寂しい海に思いを馳せる絵本

ちょっとした冒険の帰り道はなぜか言葉が少なくなって、誰も一言も話しません。

終わりゆく旅をかみしめながら、帰りのフェリーの窓から見える海をじっと眺めます。朝の勢いはどこへやら、穏やかな気持ちで静かにゆられて帰路につきます。

陸地での大冒険を終えた帰り道のフェリーは、行きとは打って変わって落ち着いたしんみりした気持ちになっています。ぐったりというのも正しいのですが、遊び疲れた心地よい体の重みと充足感に心も満たされていきます。それと同時に旅の終わりは少し寂しさがこみ上げてきます。

海を眺めていたら、とても優しい親子の物語を思い出しました。

帰らぬ父のことを思い、浜辺へ通う親子。何も知らなかった子どもが母親の思いを知った時に見せる、成長する姿に心がじんわり温かくなる素敵な絵本です。海の上で読む『だいすきなパパへ』(作:ジェシカ・バーグリー 絵:なかがわちひろ 出版社:あすなろ書房)は、2人の想いが痛いほど伝わって、まるで2人を待たせる父親のような気持ちになりました。

『だいすきなパパへ』(作:ジェシカ・バーグリー 絵:なかがわちひろ 出版社:あすなろ書房)
大好きなパパのために作る舟『だいすきなパパへ』(作:ジェシカ・バーグリー 絵:なかがわちひろ 出版社:あすなろ書房)
パパのために作った舟が並びます。『だいすきなパパへ』(作:ジェシカ・バーグリー 絵:なかがわちひろ 出版社:あすなろ書房)
だいすきなパパへ

バークリーとママは海辺に住んでいる。ある日バークリーは、流れ着いた流木でパパのために舟を作ることに。何艘も何艘も作り、パパの所に届くよう、海に浮かべるが・・・。

早く、帰らなくちゃ...。

帰り道のフェリーでは、大冒険と海の余韻にひたりながらも、港についたらすぐに駆け出して、家族のもとへ帰る自分を何度も頭に思い浮かべました。あんなに冒険を楽しみにしていたのに、こんなにお家が恋しくなるなんて、海の上は不思議です。

 

港につくと、ほっとすると同時にちょっぴり海の上に忘れ物をしてきたような不思議な気持ちになりました。夕陽が静かに港に落ちていきます。今晩の夕食は何にしよう。ものすごく美味しいものを家族のために作ろう。安心して帰る場所があるからきっとワクワクする旅ができるのかもしれませんね。

 

いかがでしたか。

たまには移動する海の上で、海についていろいろ考えたり、感じるのも刺激的です。みなさんも絵本と旅にでてみませんか。

富田直美(絵本ナビ編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
人気連載
JavaScriptをOnにしてください