絵本ナビスタイル トップ  >  絵本・本・よみきかせ   >   岩崎書店 イチオシ新刊 PICK UP   >   さがし絵だけじゃない? ひみつを知ると面白さ倍増!『75億人のひみつをさがせ!』
岩崎書店 イチオシ新刊 PICK UP

さがし絵だけじゃない? ひみつを知ると面白さ倍増!『75億人のひみつをさがせ!』

あなたは、何人家族ですか?
3人? 4人? それとも8人?
今、あなたの周りには、何人の人がいますか?
1人? 20人? それとも100人?
あなたという人はたった一人で、この瞬間は、今、いる人としか接点がないかもしれません。
でも、場所や日付が変わったら、あなたは別の人と接点を持っているでしょう。
そして、別の人も、場所や日時が変わったら、あなた以外の人と接点をもっているでしょう。

そんな風に、ひとりが2人、2人が4人、4人が10人……。
どんどん人が増えていって、世界人口と言われる75億人に思いをはせる、そんな絵本が生まれました。

75億人のひみつをさがせ!

75億人、1人1人のかけがえのなさが浮かび上がる、壮大なスケールのユニークな探し絵本。
数える、探す、ひみつを知る、クイズに答える、哲学する。何とおりも、何度でも楽しめる。
ノルウェー発、制作4年、世界27カ国で出版決定!
登場人物のひみつが明かされるQRコードつき!

さがし絵に留まらない! 面白さの”ひみつ”をご紹介します!

ひみつ① 数の概念をビジュアルで見ることができる!

「75億人のひみつ」と言っても、最初から75億人が出てくるわけではありません。
最初は「0人」、次は、ベッドの上で窓を見つめる男の子「1人」。
お父さんと男の子「2人」。3人、4人、5人とページをめくる度に人が増えていって、やがて100人、200人……最後にタイトルにもある75億人に達します。
数を覚えたての子にとって、大きい数は数字だけではなかなか分かりにくいものです。
でも、この絵本のように目で数が認識できると、「これが20人なんだ」「100人はこんなにたくさんの数なんだ」とより理解が進みます。
大きい子は100、200と数が増えるたびに「この絵の中に本当に100人がいるのかな…?」と、数を数えはじめることでしょう。
そして、「あれ? この青い髪の子は、前の場面にも出てきたぞ……」と絵本に隠された”ひみつ”に気づき、より作品にのめり込んでいくことになります。

最初は「0人」から物語ははじまります。

1人、2人と増えていって……。

「200人」は海水浴の場面。まだまだ人数は増えていきます。
75億人はどうなるのか……それは絵本を見てのお楽しみです。

ひみつ② ページを跨いで登場人物が交差する複雑な展開!

絵本に登場する人物には、ひとりひとりバックグラウンドがあり、ページが進むと、登場人物たちの物語も展開していきます。
ひとつひとつのページをよーく見てみると、いろんな人達の、さまざまな物語が見えてきます。
ある一組の男女に注目してみてみましょう。

ふたりがはじめて登場するのはエレベーターの中。
でも、このときはまだお互いのことを知りません。

再びふたりが登場するのは「18人」のとき。
図書館で本を探しています。

「27人」の場面は美術館。
ふたりがデートをしている様子を見ることができるでしょう。
この後、ふたりがどうなるのか……気になりますね。

巻末ページのクイズもコンプリートしよう!

巻末ページ

巻末ページには、絵本の登場人物に関するクイズと、「みんなのひみつ」を知ることができるサイトへのQRコードが収録されています。
このクイズ、かなり絵本をよく見ていないと解けないので、大人も熱中すること間違いなし!

ひみつ③ 制作4年、世界27カ国で出版決定の超大作絵本

作者のクリスティン・ローシフトは、ノルウェー出身。
ロンドンのキングストン大学と、ケンブリッジ・スクール・オブ・アートでイラストレーションを学びました。
この『75億人のひみつをさがせ!』のイラストで、世界的な絵本作家の登竜門と言われる、ボローニャ国際絵本原画展入選のほか、数々の賞にノミネートされていますが、つい先日の10月29日、北欧会議児童青少年文学賞の受賞も決定しました。
本作は、日本語以外にも世界26の言語に翻訳され出版が決まっています。
言語の異なる国の子どもたちが、1冊の作品を通してつながることができる。
まさにこの絵本が描くテーマそのもののですね。

読者の声をご紹介します。

はじめはどんなふうに楽しめばいい本なのかわかりませんでした。
でも、読んでいくうちに「あ、この人、前のページでも出てきた!」「あ、よく見たらここにも、ここにも!!」という発見が!
そして、ページの限られた文章からそれぞれの人にストーリーを推測する。そして時にはページを戻って伏線回収!
1回目よりも2回目、2回目よりも3回目、読むたびに新たなストーリーを発見できてとても楽しかった!
小さな子は数を数える楽しさを、少し大きくなったら探し絵の楽しさを、そして大人には少しシュールなユーモアと、哲学的な謎掛けを。
最後についているクイズもまた、その答えを探すためにはじめから読み返したくなる!
いろんな楽しみ方ができる不思議な絵本です!

(レビュアー、NetGalleyより転載)

これは幅広くの学年での子供たちに利用できそうな絵本だと思います。
絵を見せて「この中で〇〇なひとはどこかな?何でそう思うのかな?」という風に 1ページ1ページ時間をかけて読み込んでいくと面白そうかなと思います。
もちろん大人の読書にもいいと思います。
考えながらじっくり読むことができるような本です。

(教育関係者、NetGalleyより転載)

1冊の本を通じて膨らむ、75億人の壮大なストーリー。
さあ、あなたもページを開いて、75億人のひみつを探る旅に出かけましょう!

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
この記事の関連キーワード
Don`t copy text!