絵本ナビスタイル トップ  >  絵本・本・よみきかせ   >   絵本トレンドライターN田N昌の “大人だってもっと絵本読みたいの!”   >   ママも夢中になっちゃう! 話題の漫画家“キューライス”の絵本
絵本トレンドライターN田N昌の “大人だってもっと絵本読みたいの!”

ママも夢中になっちゃう! 話題の漫画家“キューライス”の絵本

子どもだけが読むなんてもったいない。大人も楽しい絵本の世界を、絵本トレンドライター・N田N昌さんが、独自の視点と「ゴイスー」な語り口でご紹介! 
最近話題の新しい絵本、注目の作家さん、気になる絵本関連スポットなど、絵本のトレンド情報を大人に向けてお届けします。

“シュール”דかわいい”に癒される! 話題の“キューライス”絵本とは?

前々回、パパにおススメ、大人男子に人気の絵本をご紹介いたしましたが、今回は、ママはもちろん、普段絵本と接点の少ない大人女子も続々ハマっているというキューライスさまの絵本をご紹介させて頂きます。

ちなみに、絵本雑誌「月刊MOE」の最新号でもキューライスさまのインタビューが掲載されており、注目度の高さがうかがえます。

 

キューライスさまは、アニメーション作家さまであり、フォロワー数が27万を超える、SNSで大人気の漫画家さまでございます。最初は、Twitterに4コマ漫画を投稿されておりましたが、それが話題になり、今では、『ネコノヒー』(KADOKAWA)、『スキウサギ』(秋田書店)などのコミック作品もゴイスーな人気となっております。

さらに、昨年から全国各地のパルコなどで、「キューライス フェムフェムランド」なる展覧会を開催、人気急上昇中の漫画家さまでございます。

絵本デビュー作は、糸井重里さまとのコラボ作品!

そんなキューライスさまが絵本デビューされたのが、昨年3月でございます。

「ほぼ日刊イトイ新聞」を主宰、日本を代表するコピーライターの糸井重里さまとのコラボ作品でございます。

「ほぼ日」生まれのキャラクター「ちきゅうちゃん」とぼくの友情絵本。

ちきゅうちゃん。

ぼくの たいせつな ともだち

ある日、ぼくのお父さんがもってかえってきた、地球みたいなまるいあたまの“ちきゅうちゃん”。
よく見たら、海や山があって、人もすんでいて、ぼくはどんどんちきゅうちゃんのことを知りたくなっていきます。
観察したり、いっしょに遊んだりしているうちに、ぼくはどんどんちきゅうちゃんのことを好きになっていきます。
無口でおとなしいけれど、深いやさしさでぼくを受けとめてくれるちきゅうちゃんに、ぼくは何をしてあげたらいいのかな・・・・・・。

糸井重里氏のやさしくふかい言葉を、キューライス氏があたたかな絵であらわした、ぼくとちきゅうちゃんの友情絵本。

『ちきゅうちゃん』は、雑誌「小学一年生」(小学館)の2018年の12月号の綴じ込み付録のミニ絵本だったものが書籍化されたものでございます。

“ちきゅうちゃん ”は、「ほぼ日のアースボール」という地球儀から生まれたキャラクターで、糸井さまが文章を担当、キューライスさまが絵を担当されております。おふたりは、SNSを通じて知り合い、当時から親交があったそうでございます。

繰り返しから生まれる、ハラハラドキドキ。思わず引き込まれる構成の妙!

そして、昨年6月、文章も絵も両方担当した初の絵本が、『ゴリラさんだめです』(イースト・プレス)でございます。

だめですよ! だめですよ! ぜったいに だめですよ! 

ゴリラさんだめです

だめですよ! だめですよ!
ぜったいに だめですよ!  

うさぎのうさやまさんがはたけをたがやしていると、こわそうなゴリラがやってきました。
「ゴリラさん いえのまえにいてもいいけど、はたけにはいったらだめですよ」
でもゴリラは、はたけからたいせつなにんじんをひっこぬいてしまいました。
そのあとも、うさやまさんのいうことをぜんぜんきかないゴリラ。どうするどうなるうさやまさん…!

漫画家、イラストレーター、短編アニメーション作家として活躍するキューライスさん作・画による初めての絵本。
 

キューライスさまは、この絵本についてご自身のブログ(キューライス記)で、こんな感想を述べられております。

「『押すなよ、押すなよ!?』的なダチョウ倶楽部の上島竜兵構成が気になるところではある」と。

主人のうさぎの“うさやま”さんは、やってきたゴリラに対して、「畑に入ってもいいけど、ニンジンをとったらだめですよ」と注意。しかし、ゴリラは次のページで、ニンジンを引き抜いております。それを見たうさやまさん、今度は「ニンジンをとってもいいけど、家の中に入ったらだめですよ」と注意。すると、次のページでは、ゴリラが家に入ってきている…という展開でございます。上島さんの役をうさやまさんが演じ、リーダーと寺門さまの役をゴリラが演じているのでございます。

このやり取りが何度も繰り返されるのでございますが、繰り返しとわかっていても、ハラハラドキドキしちゃうのでございます。ひとえに、キューライスさまの構成力の妙でございます。この感覚は是非、ご体験していただきたい!

そして最後に、子供から大人までほっこりできるエンディングがご用意されております。

ちなみに、キューライスさまのブログ(キューライス記)で、この絵本の原作となった作品を見ることができますので是非。絵本と見比べてみるのも楽しいかもでございます。

大笑いしてキュンとする! シュールかわいい「ドン・ウッサ」ワールド

そして、その後に出された「ドン・ウッサ」シリーズが、キューライスさまの真骨頂ではないかと。絵本と漫画の真ん中をいくような新スタイルの絵本でございます。漫画のような絵本のような不思議な感覚の絵本でございます。

ちなみに、一作目の『ドン・ウッサ そらをとぶ』は、「MOE絵本屋さん大賞」(2019年)の新人賞を受賞されております。

大親分ドン・ウッサを飛ばせ! 3羽の子分が大奮闘?!

ドン・ウッサ そらをとぶ

『ネコノヒー』ほかのコミックが爆発的人気のキューライスが絵本に挑戦。ウサギの大親分ドン・ウッサの空を飛びたいという願いに、けなげな3羽の子分たちが大奮闘。親子で大笑いできる絵本です。
 

漫画の手法であるコマ割りや吹き出しが使われている絵本は他にもありますが、こちらのキューライスさまの作品は、コマ割りだけでなく、絵本ではまず目にすることのない漫画の手法である“効果線(スピード線)”も使われております。こちらが、絶妙の味、シュールさを醸し出しております。(例えば、ゴムで飛ばされるシーン。ゴムとドン・ウッサの体に使われております。)

これだけではございません。キューライスさまの最大の魅力は、なんといっても大人女子に刺さる“シュールかわいい”でございます。“シュール”と“かわいい”のバランスというかギャップがゴイスーに絶妙なのでございます。

子分ウサギは、親分であるドン・ウッサの夢(空を飛ぶ)を叶えるために、様々な作戦を実行するのですが、それがことごとく裏目に出て、その度に、親分がひどい目にあうのでございます。例えば、親分を崖からゴムで飛ばそうとして、親分は飛べるはずもなく、そのまま崖から墜落したり……。子分ウサギが頑張れば頑張るほど、親分はボロボロになっていくのでございます。もちろん、子分ウサギに悪気なんて、これっぽっちもございません。真剣にゴムで飛ばせると信じてやっているのでございます。

この設定、大人も笑っちゃうシュールさでございます。それでいて、登場するキャラクターが全員、超かわいいのでございます。癒し系なのでございます。この、このアンバランスというかギャップが、大人女子にはたまりまセブンなのではないかと。是非一度、ご体感頂きたいのでございます。

シュールなことをしているのに愛らしい、そして最後は、ほっこりできる、独特の世界観でございます。

そう、書き忘れておりました。シュールとかわいいだけではございません。ちゃんと最後には、親分を想う子分ウサギの気持ち、子分ウサギを想う親分の気持ちに、心がキュン、いやキューっとくるのでございます。

 

そして、『ドン・ウッサ そらをとぶ』から、わずか1年。第二弾の『ドン・ウッサ ダイエットだいさくせん!』が先日、出版されました。

第二弾のミッションは、ダイエット!?

ドン・ウッサ ダイエットだいさくせん!

『ネコノヒー』『スキウサギ』などヒット連発の人気漫画家・キューライスの人気絵本シリーズ第2弾がついに登場。
プクプクおなかの大親分ドン・ウッサが3羽の子分をしたがえ、すらっとしたイケメンウサギをめざし前代未聞の大作戦をくり広げます。
たっぷり笑えて、でもなんだかキュンとする、おとなからこどもまで、みんなで楽しめる一冊です!

第二弾のミッションは、ダイエットでございます。親分のために子分ウサギは、いったいどんなダイエット作戦を実行するのか?親分はどんなひどい目に合うのか?そして、ダイエットは達成できるのか?

今回も、予想もつかないシュールかわいい作戦が満載! 前作からの期待を裏切らない作品となっております。キューライスさま独特のシュールな“笑い”、最後にじわっとくる“ほっこり感”を存分に楽しんでいただけること、間違いナッシングでございます。

 

新作が出たこのタイミングで是非一度、キューライス絵本をご体験くださいませ。

N田N昌

絵本トレンドライター・放送作家・絵本専門士
絵本の最新情報を発信&大人絵本文化、絵本プレゼント文化の普及活動に日々努めております。  

@NtaNmasa

 

(画像は、イラストレーター・作家の網代幸介さんによる著者肖像画)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
この記事の関連キーワード
Don`t copy text!