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パパも絵本を楽しもう!

【パパも絵本を楽しもう!】読み聞かせの達人パパが選ぶ8月の絵本

「子どもに読んであげる絵本を、パパが選ぶのってすごく楽しい。パパ自身がもっと絵本を楽しんだら、いろんなことを子どもと分かち合えるし、自分にも返ってくる。ママとパパ、複数の目線で選ぶと、子どもの本棚はすごく豊かになるんです。」  そう語るのは、イベントなどでの読み聞かせ活動歴10年以上、ロングセラー絵本の知識はもちろん新刊情報もいち早くキャッチしている読み聞かせの大ベテラン、奥平パパ。2児のパパでもあります。
たとえば、好きな詩を共有するように、パパも絵本を通して子どもたちに思いを伝えられたらいいですよね。
気負わず楽しく、パパ目線で絵本選び。奥平パパから子育て中のパパたちに向けて、絵本を選ぶコツと季節のおすすめ絵本を紹介します!

パパが選ぶ、8月に読みたい絵本

8月!一年で一番暑くて、子どもたちが海に山に、一番遊ぶときかもしれません。今年の夏休みは少し短い園や学校が多いようだけど、その分濃~い時間を過ごせるといいですね。日中はめいっぱい遊んで、夜はじっくりこんな本を読むのはいかがでしょう。

夏こそ冒険!

アウトドア必携の一冊!

冒険図鑑

歩く、食べる、寝る、作って遊ぶ、動・植物との出会い、危険への対応の6章からなる野外生活の案内書。薬草、応急手当、料理の基本、観天望気など、家でも役立つページがたくさん。

世の中は何度目かのアウトドアブーム。書店に行けばキャンプのやりかたやグッズの本がいっぱい出ています。この本は、そんなブームのもっともっと前から、「野外で生活するための工夫」を説明してくれる図鑑として刊行されてきました。いろいろな知恵や工夫が丁寧なイラストで描かれていてとても楽しいです。子どもだけでなく大人も十分楽しめますよ。僕はこの本でロープの結び方がとくに勉強になりました。大人としてこういうことができるとかっこいいと思ったのです。いまだそれを試す機会は訪れていませんが、必要となるいつかのために。同じシリーズに『工作図鑑』『遊び図鑑』もあって、どれもおすすめです。

ふるさとに帰ろう

郷愁をかきたてる夏の風景

夏がきた

あさから げんきな セミのこえ/ことしも あえた なつのおと/ちりりん ちりりん なつがきた/里山と海に恵まれた四国在住の画家が、日本の夏の風物をみごとに描いた絵本!

見てください、この表紙。繊細に描きこまれた夏の田舎の景色、最高じゃないですか!? 表紙を見たとき心をつかまれました。そして中を開くと、里山、海、田舎の商店など……、行ったことがあるわけではないけれど、どこか懐かしく素敵な夏の日々が飛び込んできます。今年はもしかして帰省できないご家庭もあるかもしれません。またこんな故郷を持たない方もいらっしゃるかもしれません。そんなときこの絵本を読めば、素敵な夏の一日が体験できますよ。

夏だ! お化けだ!

怖……くない?! お茶目で可愛い、おとぼけ妖怪

とうふこぞう

おばけは怖い。怖くて眠れない。なにかがふとんに乗っかった! あれ? 怖くない。京極夏彦と石黒亜矢子による妖怪ナンセンス絵本! なにしにきたのかわからない…。

8月ということでお化けの絵本をご紹介しましょう。 読み聞かせをするときに、長めの作品の間でちょっとアクセントになったり、最後の締めがピシッとなるような絵本があります。おはなしは短めで、話にインパクトがあり、できれば楽しい作品。この『とうふこぞう』はこのすべてを満たしており、短いおはなしであっても「怖くて楽しい」という二つの要素も含んでいるという素晴らしい作品なのです。『とうふこぞう』の絵本はいろいろなバージョンがありますが、こちらは有名な小説家の京極夏彦さんによるもの、そして絵は石黒亜矢子さん。絵が本当にすばらしい。「怖くて、(途中から)楽しい」絵です。怖いシーンはできるだけおどろおどろしく、途中からとぼけた感じで読むのが僕のやり方。暑苦しい夏の夜におすすめの絵本です。

落語でお化けを楽しもう!

落語絵本1 ばけものつかい

大店のご隠居さんが引っ越してきたのは古いお屋敷。「おばけやしき」とうわさがあるものの、ご隠居はへいき。
ところが、奉公人の久蔵さんは、ばけものはいやだと、やめて出ていってしまいます。
困ったところへ、その夜、現れたのは、一つ目小僧!
なんとご隠居、驚くどころか、助かったとばかりに、食事をつくれ、そうじをしろ、ふとんをしけ、肩をたたけと、とにかく「ばけものつかい」があらくて…。

 

お化けの出てくる絵本ということでこちらもご紹介。いや、落語が大好きなんです。上方の落語もいいんですが、僕はきれのよい江戸弁が特に好き。語りの名手にいざなわれて、ひととき江戸時代の庶民の暮らしぶりを味わえるのはこの上ない贅沢だと思っています。特に好きな落語家は、今は亡き古今亭志ん朝。「明烏」や「粗忽の使者」「火焔太鼓」とか、志ん朝の語り口を楽しめる噺を上げていったらきりがないですが、「化け物使い」もとても面白い。落語の「化け物使い」は人使いの荒いご隠居と奉公人の杢助のエピソードががっつりあって(ぜひyoutubeやCDでお楽しみあれ)、初めて聞いた時にはいつ「化け物使い」が始まるんだと思ったほどでしたが(もちろんご隠居と杢助のエピソードも十分面白い)、この絵本版はその前半が省略されていて、タイトルにある通り、ご隠居が化け物をこき使う話でまとめられています。面白さ凝縮です。ご隠居もがんこで嫌な奴なんですが、どこか憎めない感じになるのが落語の、そしてこの絵本のよいところかもしれません。
僕はこの川端さんの「落語絵本」シリーズがとりわけ好きです。落語の一言一句を覚えるのはなかなか至難の業ですが、これで読み聞かせをすれば自分が落語家になったかのような気分で気持ちよくなれます。聞いている子どもたちは陶酔している僕のことをどう思っているかわかりませんけどね。

こわめっこしましょ』表紙の絵はかわいいけれど中身は結構怖い絵が。でも子どもたちはすごく楽しんでいるようで……。

はじめてのキャンプ』キャンプの予習に。

帰り道』『夏が来た』の羽尻利門さんが描く「怖い絵本」。本当に怖いので注意!

おばけかぞくのいちにち』こんなおばけなら友達になりたい

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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