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年齢別おすすめ本、何読む?どう読む?

【小学5年生におすすめ】新学期に読みたい1冊『ユウキ』

5年生の新学期に手渡したい、登場人物の姿に勇気をもらえる1冊!

「学期の初めの日というのは、早く学校へ着きたいような、行くのがおっくうなような、複雑な気分だ。久しぶりに友だちの顔を見るのは楽しみだけど、しばらく会わないうちにクラスの雰囲気が変わってしまっていたらどうしようなんて、わけもなく不安になる。とくにこの新学期は、あることが気になって落ち着かない。それは……。」
 

『ユウキ』の主人公「ケイタ」は、新学期の最初の日、こんなことを思いながら学校へ向かいます。新学期のドキドキに加えて、親の転勤が多い学区に住む「ケイタ」は、これまでやってきた「転校生」と仲良くなっては、転校されて、ということを繰り返していて「転校生」に対して複雑な気持ちを持っています。この春もまた、新しい転校生がやって来るはずだけれど・・・。そのことを考えると「ケイタ」の心は落ち着きません。
 

このお話がちょっと珍しいのは、男の子の友達を思う気持ちが丁寧に描かれていること。女の子同士の友情関係を描いた作品が多い中で、男の子が楽しめる貴重な作品です。けれども転校してきた女の子をめぐる女子同士の複雑な人間関係も描かれるので、女の子が読んでももちろん楽しめます。高学年の子どもたちが共感できるような等身大の子どもたちの気持ちがたっぷり詰まったお話です。
 

さまざまなぶつかり合いを重ねながら、お互いを知り、少しずつ関係を作り上げていく登場人物たち。うまくいかないことも多いけど、少しの勇気を持てばいつだってやり直せる。『ユウキ』が新学期を迎えた子どもたちのエールとなりますように。

『ユウキ』ケイタの前に現れた転校生は、「祐基」「悠樹」「勇毅」そして次にやってきたのは・・・?

ユウキ

“転勤都市”札幌の郊外に住むサッカー少年、ケイタ。小学校入学以来、彼の前には「ユウキ」という名の転校生が三度現れ、たくさんの思い出と痛みとを残してまた去っていった。六年生の新学期にやってきた四人目のユウキは、長い髪の女の子。彼女は不思議少女とあだ名され、いろいろな“奇跡”を起こして話題をさらうが、それがやがて彼女を孤立させることになっていく……。多感な子どもたちの心模様を生き生きと描ききった力作。

読者の声より「同じ年頃の子どもたちにとって、とても身近なイメージを持つことができるのでは?」

実際に読んだ方や子どもたちには、どんな反応があったのでしょう?絵本ナビユーザーから寄せられたレビューをご紹介します!

この本は、ぜひぜひ小学生に読んでもらいたいです。
低学年では難しいのですが、中学年だと読めるお子さんもいると思います。

6年生のケイタが主人公です。
ケイタは3人の転校生と仲良くなってきました。偶然にも3人とも名前は「ユウキ」です。その出だしでぐっと引き込まれました。ケイタにとって3人のユウキとの思い出は、良いものばかりではありませんでした。
ケイタは傷ついていました。その心のわだかまりを新しい転校生が解放してくれます。

子どもの世界の人間関係での悩みは、誰でも持っているものです。
この本を読むと、自分だけじゃないと思えます。
それから、ちょっと視点を変えると、悩む事もないのだと気が付かせてくれます。

大人が読んでも、子どもの健気さにきゅんときます。
親子で読んでみてはいかがでしょう。
(おるがんさん 40代・ママ 女の子、男の子)

福音館から出ている『福音館創作童話シリーズ』の1冊で、出版社からのおすすめ年齢は小学校上級以上となっています。

主人公のカズヤが小学校の6年生になった春から物語が始まります。
「ユウキ」というタイトル通り、主人公の周りにはいつも《ユウキ》という中のいい友達がいますが、カズヤの通う学校は転校生が多く、カズヤの仲の良かった「ユウキ」は転校していっては、別の「ユウキ」が現われるという不思議な巡り合わせを持っています。ところが、5年生の最後に去って行った「ユウキ」の代わりに6年生になってやってきた「ユウキ」は、それまでと違って女の子でした。

出だしはとても不思議な感じで始まりますが、実はものすごく思春期に入り始めた子供たちを等身大に描いていて、大きな事件があるわけではないのですが、同じ年頃の子どもたちにとって、とても身近なイメージを持つことができるのではないでしょうか?

ちなみに、私自身似たような面白い経験がありまして……。学生時代から今まで、なぜか必ず周囲に≪ヒロミ≫という友だちがいますね~。(世代的に割とよくある名前ですけどね!)
そんなこともあり、私はこの物語にぐんぐんひきつけられました。

主人公はサッカー少年なので、サッカーの好きな男の子などは特に主人公の気持ちがわかるかも!?
(てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子11歳)

『つくも神』を先に読んだのですが、ファンタジー系の作品だった『つくも神』とはまた雰囲気が違います。
6年生の新学期を迎えたケイタ。ケイタが今まで仲が良かった友だちは転校生で、漢字は違うもののいつもユウキでした。サッカー好きなユウキが転校してしまいケイタは転校生が二人あるうちの一人がユウキかもしれないと思うのです。偶然、次の転校生もユウキでしたが、女の子で想像していたものとは違いましたが、ケイタは転校生の女の子ユウキを見守っていきます。自然に友だち作りができる低学年と違って、六年生ともなると女の子は転校生でなくても友だち作りがむずかしくなるものだと思います。ユウキが転校した学校で必要以上に気を回してしまうのは、読んでいて痛々しさを感じました。

ケイタを通じてユウキの様子が描かれていますが、非常に丁寧な描写ですので、わかりやすく、今度四年生になる息子も私が三分の一ぐらい読み聞かせをしたところで、一人で読み始めました。結局、うちは夫もこのお話を読んで家族で読んだことになります。

『つくも神』『ユウキ』と読んできたので、今度は『鬼の橋』の方へ読み進んでいけたらと思います。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)

伊藤遊さんの他の作品も合わせてどうぞ。多感な高学年の子どもたちの心に訴える骨太な作品です

つくも神

ある日ほのかは、エレベーターの中に怖い顔の置物があるのを見つけた。それは、隣のおばあさんの家の蔵に住むつくも神だった!

鬼の橋

この世と地獄を往き来したと伝えられる平安初期の文人、小野篁の少年時代を主人公に、思春期の少年の揺れ動く心情が、勢いある筆づかいで力強く、さわやかに描かれます。「元服」という人生における大きな節目を苦しみながらもこえてゆく篁の姿は、現代に生きる子どもたちにも通じ、多くの読者の共感をよぶでしょう。作者が生まれ育った京都の四季や情景も、作品のなかに巧みに織り込まれ、物語にふくらみと陰影を与えています。

  

えんの松原

時は平安中期。年若い皇子・憲平は夜ごと現れる怨霊に怯えていた。偶然彼と知りあう少年・音羽は、故あって女童になりすまし下働きをする身。憲平に崇るのは一体何者か?死に至る運命から彼を救うことはできるのか?二人の少年の命を賭けた冒険に、老女官や怪僧阿闍梨、美少女夏君といった面々がからみ、息もつかせぬ物語が栄華の都のまん中に展開する。多感な世代に訴えるテーマ性を合わせ持つ骨太な作品、読みごたえ抜群!

  

 

明野神社の狛犬には彫った石工の魂が宿っていた! 狛犬の「あ」には親方、「うん」には弟子の佐助の魂が。心躍るファンタジー。

『ユウキ』と合わせて読みたい【小学5年生におすすめの本】

『ルドルフとイッパイアッテナ』友情と冒険と教養の詰まった大人気ロングセラー作品!

ルドルフとイッパイアッテナ

猫と人間、それぞれの愛と友情の物語。
ひょんなことから、長距離トラックで東京にきてしまった黒猫ルドルフ。土地のボス猫と出会い、このイッパイアッテナとの愉快なノラ猫生活がはじまった……。

小学5年生の子にはどんな本がおすすめなの?

より深いテーマの作品にチャレンジしよう

思春期の入り口にさしかかり、登場人物の微妙な心の動きが理解できて楽しめるようになってくる頃です。友達関係のこと、家族のこと、自分自身のこと、何か悩んでいることの解決のヒントを本の中に見つけたり、ふと出てきたセリフに心を掴まれたりすることもあるかもしれません。

リアルなお話が好きだったり、ファンタジーが好きだったりと読書の好みがはっきり出てくる時期でもありますが、できるだけ様々なジャンルの本に出会わせたいですね。

絵本ナビ児童書担当 秋山朋恵

小学5年生におすすめの本が毎月2冊届く定期購読のお知らせ

ここで紹介した絵本を、ご家庭やオフィスに毎月お届けする定期購読サービスがあります。それが、絵本ナビの「絵本クラブ」、お届けするのは「幸せな時間」です。

 

今回ご紹介した『ユウキ』は絵本クラブ小学5年生コース4月の配本です。

 

4月30日までに入会受付されると、5月から配本スタートになります。

https://club.ehonnavi.net/
掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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