絵本ナビスタイル トップ  >  絵本・本・よみきかせ   >   自然の中ですごす喜びを感じよう!『エマおばあちゃん、山をいく』

自然の中ですごす喜びを感じよう!『エマおばあちゃん、山をいく』

エマおばあちゃんが歩きとおした3500kmを辿る実話絵本

アパラチアン・トレイルは、「世界で一番長い自然歩道」とよばれる山道(トレイル)です。アメリカのアパラチア山脈に沿って南北に長く伸びており、地図を見ると、日本列島の南北の長さが収まってしまうほどの距離! 1955年、エマ・ゲイトウッドは、67歳で全長3500kmのアパラチアン・トレイルを歩きとおしました。それは、女性として初めての快挙でした。

エマは、旅に出るまで、母として11人の子どもを育てながら農場を切り盛りしてきました。子どもたちがみな独り立ちした後、挑戦への一歩を踏み出したのです。

エマおばあちゃんは、どんな景色を見たの?どんな冒険だったの?

自然の中に飛び込んで、自分と向き合ってみたくなる一冊。秋が深まっていく季節に読みたい、すがすがしい絵本のご紹介です。

1955年、アメリカでの実話を描いた絵本

エマおばあちゃん、山をいく アパラチアン・トレイルひとりたび

67歳のエマ・ゲイトウッドは、アメリカ3大トレイルの一つ、全長3500kmのアパラチアン・トレイルを一人で歩きとおした、初めての女性です。谷川の水をのみ、木イチゴの実をたべ、枯れ葉のベッドでねむることもありました。おばあちゃんの山歩きはしだいに有名になって新聞や雑誌にものったのです……。

雄大な自然のなかですごすよろこび。人の心の温かさ。いくつになってもチャレンジするエマおばあちゃんのすがすがしさ。1955年、アメリカでの実話を、地図と絵でいきいきとえがきます。

『エマおばあちゃん、山を行く』って、どんな絵本?

・地図と絵で、アパラチアン・トレイルの旅をたどれる

旅の経過が、地図と絵で描かれます。日付ごとにだんだん北上していく道のりをなぞりながら、自分も一緒に旅をしているような気持ちで、おはなしを読み進められます。地図のページには、14の州をまたがる山道(トレイル)の、州や地域ごとに異なる雰囲気や特徴が書かれているので、アメリカの地理に興味を持つきっかけにもなりますね。

・自然のなかで過ごす喜びを感じられる

普通のスニーカーに、荷物は布ぶくろひとつ。川の水を飲み、木イチゴの実を食べ、岩や木の下で眠る。ひたすら歩き続けるエマおばあちゃんのタフな旅に、読者はみんな驚かされることでしょう。けれども、旅の途中で出会う雄大な景色を、エマおばあちゃんと一緒に体験しているうちに、自分も自然の中に飛び込みたくなってくるから不思議です!

旅の途中には、人の温かさを感じる出来事もたくさんあります。けれども、エマおばあちゃんはそうした人々との触れ合いのあと、ふたたび自然の中ひとりで過ごす喜びをかみしめるのです。

・年齢にとらわれずチャレンジする姿に勇気をもらえる

女性で初めてアパラチアン・トレイルを踏破したエマおばあちゃん。67歳の女性がたった一人でこのような冒険に踏み切ったことに、当時、国じゅうの人が興味を持ちました。新聞や雑誌に取り上げられ、「なぜ?」と聞かれたエマの答えは、「ただやってみたかっただけだよ」。

年齢なんか関係ない。自然体で、前に進んでいくエマおばあちゃんの姿に、多くの人が勇気をもらえるはず。

裏表紙にある、エマおばあちゃんのことば

大人も楽しめる読み応えのある一冊。山登りやアウトドアが好きな方には特におすすめです。

なかなか遠くへ出かけられないという方も、家族で庭や公園でリラックスしたり、身近な自然の中で過ごしてみてはいかがでしょう。子どもたちには、アメリカのすごいおばあちゃんの冒険として、じっくり読み込んでほしい絵本です。

廣済堂あかつき「世界の絵本」シリーズ

子どもと一緒に世界への窓を開く、おはなし絵本シリーズ。

今回ご紹介した、アメリカの実話をもとにした絵本『エマおばあちゃん、山をいく』をはじめ、

実在の人物の子ども時代のおはなしや現代の社会問題へ目を向けたおはなしなど、幅広く世界の優れた絵本が揃っています。

表紙を開けば、新しい視点・知らなかった世界が待っています。

気になったものから、ぜひ気軽に手に取ってみてくださいね。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
この記事の関連キーワード
Don`t copy text!