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読み聞かせにぴったり! せなけいこさんの幻の民話絵本『まめとすみとわら』

『ねないこだれだ』(福音館書店)や『おばけのてんぷら』(ポプラ社)、誰もが知る人気絵本の作者、せなけいこさんが手がけた新刊は、読み聞かせにぴったりの楽しい絵本!

本作は、1979年に刊行された紙芝居を単行本化したもの。グリム童話としても知られる民話であり、日本各地にも伝わる「まめとすみとわら」のおはなしを、せなけいこさんが再話しています。あっけらかんと明るい雰囲気はせなけいこさんならでは。ちぎり絵で描かれた「まめ」と「すみ」と「わら」は、表情豊かで思わずウフフと笑ってしまう愛らしさです。

親子の読み聞かせはもちろん、お話会にもぴったりの一冊。どんな絵本なのか、おはなしの内容やみどころをご紹介します!

そらまめに くろい すじが どうして ついたのか、しってる?

まめとすみとわら

むかしむかしあるところで、まめをにていました。すると、ひとつぶのまめが、ぴょーんと、とびだしました。それを見て、おなべの下の火の中から、いっぽんのわらとすみがひとかけ、とびだしてきました。「おーい、どこへいくの?」「ぼくもつれていってよー」と、わらとすみがいうと、まめは「そうだ、みんなでたびにでよう」といったのです……。

どうしてそら豆に黒いスジがあるのかを語る、よく知られた由来ばなしの絵本。

お鍋の中から、ひとつぶの「まめ」が、ぴょーんと、飛び出しました。

まめは、ひとかけの「すみ」、いっぽんの「わら」と出会い、みんなで旅に出ることにします。

鮮やかな色の元気がいい「まめ」

大きな川に着きましたが、橋がありません。

「おや? はしが ない」

「どうやって、わたろう」

わらが橋になり、最初にすみが渡ろうとしましたが……?

『まめとすみとわら』って、どんな絵本?

・よく知られた民話を、せなけいこさんの再話で楽しめる

そら豆に黒いすじがついたわけを教えてくれる由来話は、グリム童話でもおなじみですが、日本各地にも伝わっています。

せなけいこさんの再話で、日本の昔話の雰囲気たっぷりで、明るい魅力にあふれた民話絵本になりました。ぜひ、民話のもつ大らかな楽しさを味わってみてください。

せな けいこ

絵本作家。東京都生まれ。モダンな画風で知られる童画家・武井武雄氏に師事し、絵本の世界に入る。1969年「いやだいやだの絵本」全4冊(福音館書店)でデビューし、翌年、産経児童出版文化賞を受賞。ユーモアあふれる貼り絵とキャラクターで幅広い人気を誇り、たくさんの絵本、紙芝居を創作している。作品に、「せなけいこ・おばけえほん」シリーズ(童心社)、「めがねうさぎ」シリーズ(ポプラ社)、「は・は・は」(廣済堂あかつき)など、多数

・小さい子から楽しめる

シンプルな絵とおはなしで、小さい子から楽しめる民話絵本です。ちぎり絵の風合いもあたたかく、親子で真似してみたくなります。「すみ」を知らない子どもたちに、「すみっていうのはね…」と教えてあげたり、冬らしいおしゃべりを親子で楽しめそうですね。

・読み聞かせにぴったり

ちょっとした時間での読み聞かせにも丁度良い、読みやすい短いおはなし。もともと紙芝居として作られた作品なので、絵もはっきりとして遠くからも見やすく、おおぜいでのお話会にもおすすめです!

いかがでしたか?

昔話らしい展開が、あっけらかんとゆかいな絵本。読み終わると、きっと話がはずみます。「このあとわらとすみはどうなったかな?」 と、家族で、みんなで、想像して話し合ってみてくださいね。

この絵本は1979年に、あかつき教育図書から刊行された「ことばのほん 5」に収録された紙芝居をもとに、新しく絵本の形で創刊されました。

同じく「ことばのほん」から単行本化した「ことばのひろば」シリーズにも、せなけいこさんの作品はじめ、幻の名作がそろっています。ぜひ、合わせてチェックしてみてください。

「ことばのひろば」シリーズ創刊記念、当時の編集を担当された絵本作家の西内ミナミさん、編集者の本多慶子さんへのインタビューはこちらから

https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=291
掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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