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miku23号 2011年冬号

誤飲や冬の室内事故から子どもを守ろう!

危険から守るために、どんな注意が必要? もしもの場合の対処法は?

冬場は部屋遊びが多くなることから、乳幼児の誤飲事故の危険性が高まります。また、ストーブなどの暖房器具を扱う家庭では、やけどに対する注意も必要に……。事故を未然に防ぐには、どのような対策をすればいいのでしょう。
子どもを事故から守る安全な環境づくり、もしもの場合の対処法を小児科医の宝樹真理先生に教えていただきました。

宝樹真理先生


たからぎ医院(東京都渋谷区)院長。慶応大学病院小児科、聖マリアンナ医科大学NICU(新生児集中治療室)勤務を経て開業。町の小児科医として診療にあたるほか、地域のお母さんたちの子育ての悩みにも対応している。

誤飲しやすいものを取り除き 事故のない部屋づくりを

長年に渡り、子どもの死亡原因のトップは「不慮の事故」で、具体的には、誤飲、窒息、階段からの転落、浴室での溺水など、多くが家庭内で起きています。特別な状況が引き金になるわけではなく、ありふれた日常生活の中のちょっとしたできごとによって、子どもが危険にさらされています。幼い子どもの命を守るには、子どもの行動をある程度予測して、事故が起きにくいように室内環境を整えることが大切です。

 

生後5~6カ月頃から、赤ちゃんは手に触れるものを、何でも口に持っていくようになります。これは赤ちゃんが、最も感覚のの発達している口で、安全か否かを確認しようとする本能的な行為です。正常な発達の過程で現れてくる行動を、やめさせるのは無理な話。口に入れて危険なものはすべて、赤ちゃんの行動範囲、手に届く場所から取り除くことが第一の安全策になります。

 

ハイハイからつかまり立ちをするようになる6カ月〜1歳が、誤飲に最も注意が必要な時期です。誤飲が多いのは、タバコ、薬、洗剤、化粧品、クレヨンなどの文具、電池、おもちゃの小さなパーツなど。直径39㎜×長さ51㎜以下のものは、赤ちゃんの口にすっぽり収まり、窒息事故につながる危険があります。「誤飲防止スケール」で大きさをチェックしましょう。

 

床にあるものはもちろん、棚やテーブルの上にも手が届くので、床から1メートル位の高さまでが要注意エリア。目に見えるところに興味があるものを発見すると、台を使って取ろうとすることもあります。誤飲しやすいこまかい物は、目につかない所、絶対に手の届かない所に保管するのが一番です。

 

電池で動くおもちゃは、ふたが簡単に開かないことをチェックし、上の兄弟の細かいおもちゃも気をつけましょう。必ず子どもの目線になって、家の中全体を確認することが大切です。

誤飲防止スケールで、周囲の物をチェックしよう!

型紙を写し取り、厚紙に貼って切り取り、筒状にします。チェッカーの中に隠れるものは、赤ちゃんの口の中にすっぽり収まり、誤飲の原因に。すべて手の届かない所へ片付けましょう。

誤飲の対処法

タバコは家に置かない覚悟で  万一誤飲した場合は冷静に対応を

子どもは親の行動を真似するものですから、パパやママが口にタバコをくわえる姿を見せていれば、誤飲の可能性は高くなります。タバコが習慣になっていると、無意識で子どもの手の届く所にタバコを置き忘れることがありうるもの。一瞬の気の緩みが事故につながりますから、子どものために禁煙する、家にタバコを持ち込まないというくらいの自制が必要です。
  
知恵がついてくると、好奇心旺盛な子どもは扉を開けて探索するようになります。キッチンや洗面所のシンク下に収納している、トイレや浴槽の掃除用洗剤が危険。これらは強い酸やアルカリ性のものが多く、誤飲してしまうと命にかかわる重大事故になりかねません。収納扉が開かないようロックするか、子どもが手を伸ばしても届かない高い位置に保管しましょう。
  
何か口に入れた場合、口の中を確認し、可能なら取り出します。取れない時は無理せず、うつぶせにして背中を強く叩き、吐き出させます(次ページ参照)。喉に詰まっている場合も同様に行います。
  
すでに飲み込んでしまった場合は、誤飲したものによって対処法が違ってきます(表参照)。タバコの場合は、水を含むとニコチンの吸収が早まるため、何も飲ませず吐かせて、ただちに受診しましょう。2㎝未満の少量なら、4時間ほど様子をみて、嘔吐や顔面蒼白などが見られなければ大丈夫です。

喉にものが詰まったら、即座に吐き出させよう!

口に入れたものが喉に詰まると、窒息する危険があります。以下の方法で異物が取れるまで行いましょう。

背部叩打法
(背中を強く叩く)

頭を下げてうつぶせ状態にした赤ちゃんを、下あごを支えて片腕に載せ、背中の肩甲骨の間を掌で強く叩く

ハイムリック法
(上腹部を圧迫する)

背後から抱きかかえ、両手を胃のあたりで組み、胸の方に数回、突き上げる。

 

<もしも誤飲した時の緊急問い合わせ・相談先>

 タバコ、掃除用洗剤、農薬など、毒性のものを誤飲した場合…

日本中毒センターで相談に応じている。
■つくば中毒110番(365日 9時~21時対応) TEL.029-852-9999
■タバコ専用電話(365日 24時間対応)  TEL.072-726-9922

 

その他の異物を飲んでしまった場合…
■小児救急電話相談[#8000]
プッシュ回線の場合、全国同一の短縮番号[#8000]でかかり、もよりの都道府県の相談窓口(地域により対応時間は異なる)に自動転送され、小児科医師や看護師から子どもの症状に応じて、対処法のアドバイスや受診する病院等を紹介してもらえる。

<子どもの事故をチェック>

■『子どもを事故から守る!プロジェクト』 
子どもの事故予防のポイントなどを紹介。登録すると「子ども安全メール」が届きます。

 

■『子どもの事故防止支援サイト』 
安全チェックテストがあります。
http://www.niph.go.jp/soshiki/shogai/jikoboshi/general/

暖房や蒸気に触れない対策を 自分が飲む熱い飲み物に要注意

暖房器具を使うこの時期は、やけどの心配もあります。ストーブやヒーターは柵などで囲い、蒸気の上がる加湿器は高い位置に置くようにして、子どもが手を触れない対策をしましょう。同じく蒸気が出る炊飯器や電気ポットも、高い位置での使用が無難。ホットカーペットや電気毛布は、長時間の使用で低温やけどになる可能性もあります。自分で移動できない赤ちゃんを、寝かせたままにするのはやめましょう。
  
日頃、自分が口に運ぶ熱い飲み物やラーメンなども要注意。子どもがふいに動いてこぼさないとも限りませんから、抱っこしながら飲んだり食べたりも危険です。子どもがテーブルクロスを引っぱって、机上の熱いものがこぼれる危険もあります。乳幼児期はテーブルクロスの使用は控えた方がいいでしょう。

 

万一やけどをした場合、汁などがついていたら患部を水で流し、ワセリンを塗ってラップをかぶせ、空気にふれないようにする処置を。痛みも少なく治りも早いでしょう。
  
原因となるものを排除し、安全対策することが最優先ですが、もし事故が起こってしまっても、慌てず正しい対応をすれば、不幸な結果には至りません。予備知識を持ち、対処法や相談先は、見える場所に貼り出しておきましょう。

 

イラスト/坂本亜紀子 取材・文/中野洋子

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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