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miku35号 2014年冬号

これからの教育資金について考えよう

消費税増税やNISA(ニーサ)、教育資金の無税贈与・・・・・・

消費税の増税、新制度のNISAの登場、不妊治療助成金の年齢制限など、お金をとりまく制度は、年々変わっていきます。これからの教育資金について、どのように考えればいいか2児の母でもあるファイナンシャルプランナー、氏家祥美さんにうかがいました。

氏家祥美先生


旅行会社勤務、専業主婦を経て、ファイナンシャルプランナーに。 2005年に独立系FP事務所(株)エフピーウーマンの立ち上げに参画。2010年に独立し、「女性のためのお金と仕事の相談室 ハートマネー」代表に。講演、執筆、相談業務など幅広く活躍。2児のママ。近著に『子どもの年代別 大学に行かせるお金の貯め方』(PHP出版)。

月々1万円台からなら現実的に貯められる?!

子どもを一人育てるのにかかるお金が1000万円とか3000万円と言われてしまうと、子育ても不安になりますよね。でも、まず大事なのは、ご夫婦で子どもの未来をどのように考えているか話し合うことです。
 
教育は、ご自身が受けてきたものや住んでいるエリアなどで考えが異なります。そして公立か私立かによって、教育費は大きく異なります(表1参照)。
 
いずれの場合も、生まれてすぐに親としてできることがあります。それは18歳の大学入学に向けての教育資金の積み立てです。子どもが小さい頃は、目先のお稽古などについては考えても、なかなか大学などの進学にまで考えられないものです。でも10歳ぐらいになって進路を考えてあわてて積み立てをはじめるのと、0歳の時から積み立てをするのでは、月々の負担額に大きな差がつくのは、表2をみても明らかです。子ども一人に数千万円といわれてしまうと不安になりますが、月に1万円台の積み立てなら、現実的に考えられますよね。たとえ大学にいかなくても、専門学校や就職にともなった新生活のための資金など、子どものために役立つ資金となることは必須でしょう。
 
国立・私立のいずれかによって入学金などに大きな差がありますが、最低限18歳までに300万円の積み立てをしておくことをおすすめしています。積立金額に余裕があれば、在学中のことも考え500万円を目標にするとなお安心です。

貯蓄、保険、投資の3本柱でお金を貯める。

貯金がない! という人は、まずは「貯蓄」から始めましょう。ほとんど利息は付きませんが、元本割れすることなく確実に貯められます。教育費の準備には「保険」がお勧め。支払総額よりも将来の受取額がちゃんと増える学資保険を選べば、教育費を準備しながら安心に暮らせます。
 
2014年からは、少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」がスタート。株や投資信託(投信)などの運用益や配当金を一定額非課税にする制度です。専用の口座を開設して取引をすると年100万円までの非課税投資枠が設定され、値上がり益や配当金(分配金)が非課税になります。2023年までの期間限定制度ですが、最大5年間、つまり500万円までを非課税で運用できることになります。老後資金作りにはNISAの非課税制度を使った「投資」が向いています。

子どもが小さな今のうちに一気に貯蓄をする方法も

教育資金は、中学、高校と年齢を重ねるにつれ、塾の費用や学費の負担がかかるようになってきます。逆に、子どもが小さなうちは「医療費助成制度」によって医療費がかからなかったり、義務教育中は学費がかかることもないので、日頃の出費は抑えられます。ですから、小学校卒業までに一気に教育資金を貯めておくのもひとつの手です。子どもが生まれてから小学校卒業までは12年ありますから、仮に毎月2万円積み立てれば、元金だけで288万円、3万円ずつなら432万円貯められることになります。
 
ミク世代の教育費といえばお稽古が考えられますが、将来を見通して、この時期に無理をしてたくさんのお稽古をさせるのではなく、1つ2つに絞って教育資金にまわすほうが得策ともいえます。行政が運営している体育館の水泳教室、体操教室を利用するなどしてお稽古費用を節約するのも手です。

 

祖父母から贈与を受ける場合は?

悪い話ばかりではありません。平成25年~平成27年12月末までの期間限定で、「教育資金贈与の特例」として、祖父母が孫の教育資金を一括贈与した場合に、孫ひとりにつき最大1500万円まで非課税になりました。
 
この教育資金とは、小学~大学院までの学費がメインですが、500万円まではお稽古や塾代などに使うこともできます。ただし、誰が誰に贈与したか、また教育費に使ったことが明らかになるよう、専用の口座を開設するなどの手続きが必要になります。
 
一方で、もっと手軽に贈与を受ける方法もあります。年間110万円以内の贈与なら、基礎控除の範囲内のためそもそも贈与税がかかりません。口座の開設や申告手続きも必要ありません。

老後資金についても考えてみよう

結婚・出産の早かったひと昔前は、子どもが大学に行き教育資金の支払いが終わってから老後の貯蓄ができました。でも近年は、結婚・出産の時期が遅くなっている傾向にあるので、教育資金と老後資金を同時に考えなくてはなりません。年金生活をしている65歳男性と60歳女性の夫婦の場合、ひと月に27・1万円(※)の生活費がかかるといわれています。
 
教育費はもちろん大事ですが、将来の子どもの負担を軽くするためには、自分たちの老後資金も同時に考える必要があることを忘れないようにしましょう。

 

※総務省による平成24年家計調査(家計収支)から算出

奨学金制度で気を付けるべきことは?

近年は、大学で奨学金制度を利用する人が過半数を占めるようになりました。でも、奨学金制度を利用してお金が使えるようになるのは、入学後の5月ぐらいになってからです。入学手続きのお金は合格発表後すぐに必要なため、奨学金制度では間に合いません。奨学金制度の利用を視野に入れている人も、大学入学のための資金は必要ということです。また、奨学金制度を利用したものの、なかなか就職ができなくて返済ができない、返金額の負担が大きくて結婚後も返済を続けている、といった人も出てきています。奨学金制度を利用する場合も、18歳までに資金300万円は目標に用意しておきたいものです。

不妊治療助成の制度見直しが行われました

厚生労働省は、2016年度から、不妊治療を受ける夫婦への助成金制度に「妻が42歳まで」という年齢制限を新たに設ける方針です。この年齢制限については、女性にプレッシャーをかけるとして物議をかもしましたが、出生率が43歳以降低くなることから、公費を使っての不妊治療の目安としての年齢制限が取り入れられる方向です。二人目不妊などにも利用できる制度ですから、年齢のことも考慮しながら人生プランを考えたいものです。

 

不妊治療の公的助成制度の一例
自治体によって、所得制限の有無や金額など、不妊治療の公的助成制度が異なります。お住まいの自治体に直接確認しましょう。

 


[対象]特定不妊治療
[内容]・治療1回につき
最高15万円・2014、15年度は期間の制限なしに最高6回まで(40歳以上は最高5回)
[所得制限]夫婦の年間所得730万円以下

 

東京都港区
[対象]特定不妊治療
[内容]年度上限30万円、通算5年間
[所得制限]なし

 

東京都品川区
[対象]医者が必要と認めた検査、タイミング法、人口受精など
[内容]年度上限で10万円(自己負担の1/2まで)で、通算5年まで

 

イラスト/サカモトアキコ 取材・文/山田治奈

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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