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miku41号 2015年夏号

双子、三つ子…多胎児をどう育てる?

それぞれの個性を大切に、大らかに

双子や三つ子の子育ては、同じ年齢の子を同時期に育てなければならないため、悩んだり戸惑ったりも多いもの。多胎児は、どんなことに気をつけて育てたらいいのでしょうか。お世話やコミュニケーションの取り方のコツはあるのでしょうか。多胎児のママやパパを応援する「ツインマザースクラブ」名誉会長の天羽幸子先生に伺いました。

天羽幸子先生 


「ツインマザースクラブ」名誉会長。東京大学教育学部及び付属中学・高校に双子の研究嘱託として勤務し、双子の研究を行う。その後自らが双子の母親になり、多胎児の母親を支援する「ツインマザースクラブ」を1967 年に設立。

姿は似ていても気質や性格は一人ひとり違う

ひと昔前は、どちらかというとめずらしい存在だった双子ちゃんや三つ子ちゃんですが、最近は公園や街中で双子用のベビーカーを押して歩くママやパパを見かけますし、おそろいの服を着た同じくらいの背格好の子どもたちを目にする機会も増えています。
 
多胎児は、産まれたばかりの頃は同じような姿をしていますが、生後半年くらいになると、おっぱいをよく飲むor飲まない、よく動くorあまり動かない、よく泣くorおだやかでいることが多い……など、それぞれ個性があらわれはじめます。1歳代くらいになると、同じおもちゃを欲しがって大ゲンカをしたり、ママのひざに片方ずつ座っているのががまんできなくなってひざの取り合いになるなど競争意識が芽生えることもあります。幼稚園に入園する頃には少しずつ落ち着き、どこに出かけるにも一緒に行きたがったり、子ども同士で一緒にいると安心しているような姿も見られるなど、 “多胎児らしい”行動を目にするようになるでしょう。
 
幼児期になると得意分野が分かれてくるようになり、同じことを競い合うよりも、片方が先に何か上手になるともう片方はそれ以外のことが上手になるなどの傾向が出てくるようです。集団生活に入って周りから比較されることもあり、きょうだいの関係が確立してくるのもこの時期です。
 
最近は男女の多胎児も多くいます。幼児期は女の子のほうが心身の発達が比較的早い傾向があるため、男の子の成長の遅さを心配するママもいるようです。時期的なものですから、比較してできないことを叱ったりせず、その子ができるようになったことをほめて見守っていきましょう。

授乳や食事、お散歩はママのしやすさ優先で

多胎児のお世話でいちばん大変なのが、赤ちゃん時代の授乳なのではないでしょうか。一人ずつだとかなり時間がかかってしまうので、できれば同時授乳がよいでしょう。双子で母乳の場合は両脇に子どもを抱いて同時に飲ませる、混合の場合は一人はおっぱい、もう一人は哺乳瓶でミルクを飲ませる、ミルクの場合は寝かせた双子の間に入って哺乳瓶を持って同時に与える……などさまざまな方法があります。子どもの様子を見ながら方法を変えるなど、ママのやりやすさ優先で。双子用授乳クッションなども利用すると便利です。
 
離乳食などの食事も、一人ひとり食べさせると時間がかかってしまうので、二人同時に食べさせるほうが親の負担も少ないでしょう。慣れるまでは親も慌ててしまいますし、二人の食事のペースがそろわないなど大変なことも多いものです。余裕がない場合は市販の離乳食を利用するのも手です。プラスチック製品のエプロンなどお役立ちの育児アイテムを上手に使って乗り切りたいですね。
 
お散歩のときは、2人をベビーカーに乗せたり、片方をおんぶやだっこして1人用のベビーカーで出かけるのもいいでしょう。ベビーカーは多胎児専用のものがありますので必要に応じて検討しましょう。

 

赤ちゃん時代は2人(3人)同時に泣かれたりぐずったりされることも多く、苦労もつきないと思いますが、「泣いてもすぐに抱っこしてあげられない」などと自分を責めないで。お昼寝のペースが定まってきたら、散歩に行く時間を決めてたっぷり外で遊ばせて親子でストレスを発散しましょう。家で落ち着いて遊んでいる時や寝ている時間に読書など自分の好きなことを楽しむ時間を少しでもつくるなど、ママ自身がリフレッシュできる方法をいくつかもつようにしましょう。

それぞれの個性を大切にケンカも見守って

多胎児は、成長するにしたがって性格や能力などそれぞれ違ってくるものです。きょうだいを比較して、「○○ちゃんに比べて△△ちゃんは××ができないからダメね」などと口にするのは禁物。ある面でひとりが優れていると、ママとしては「もう一人も同じようにできるはず」と思ってしまうものですが、それぞれの個性を認めてあげることが大切です。
 
また、多胎児は、同年齢だからこそきょうだいゲンカもたえないものですが、「このくらいの力で叩いたら相手はどのくらい痛いか」などの力加減や「どうしたら相手と仲直りできるか」などの人間関係を学ぶよい機会を持っていると考えましょう。
 
これから双子を迎えるプレママは、パパが育児休暇を取ったり、おばあちゃんに来てもらう、または里帰りするなど、出産後最低1~2カ月はサポートしてもらえるような体制を考えておきましょう。産後の1カ月健診もパパかおばあちゃんに同行してもらうと安心です。生後1カ月を過ぎたら少しずつ外出し、子育て支援センターに行ったり、ママ同士の交流も心がけましょう。ママ1人で子ども2人を見るよりも、複数の大人がいるところで子どもを見る方が気持ちが少しラク
になるでしょう。
 
小さいころは、多胎児のお世話にあけくれて一日が終わってしまうようなことも多いことでしょう。完璧さを求めず、家事は手抜きして、家の中が少しちらかっていてもOKくらいの“いい加減さ”で日々を暮らせるといいですね。パパや地域の子育て支援センターなど周囲の力も借りながら、ゆったりした気持ちで、“多胎児のママ”を楽しみましょう。

だれかに育児の話を聞いてほしい時は電話相談を

多胎児の親子を支援する「ツインマザースクラブ」では、会員向けの電話相談を受け付けています。先輩ママ達がお話を伺い、いっしょに考えます。
TEL:03-5337-0766
(ツインマザースクラブ事務局)

受付日時: 火・木・金の10時~14時(祝日は休み)

多胎児のママサークルや多胎児向けの支援も

多胎児の親子を支援し情報交換や友だちづくりができる多胎児のママサークルを個人や自治体、病院などで作っている場合があります。自治体に問い合わせてみましょう。社団法人全国ベビーシッター協会が行っている制度で、「双生児家庭育児支援事業」もあります。多胎児の保育をしている保護者がベビーシッターを利用した場合、利用料金の補助が受けられます。

Q: ベビーカーってどのように選べばいいの?

 双子を乗せることができる2人乗りベビーカーには、二人が横に並ぶ横型、二人が前と後ろに並ぶ縦型があります。横型が一般的ですが、「狭い場所を頻繁に通行しなければいけない環境にある場合は、縦型のベビーカーを選ぶ」など、利用頻度や利用する場所に合うベビーカーを探しましょう。レンタルを利用する方法もあります。

Q: 双子は何でも2つ用意しないといけないの?

 あまり先回りしてなんでもかんでも人数分用意すると出費がかさんでしまいます。まずはおむつ、肌着、タオル、衣類など最低限の物を多めに用意し、その他のものは「必要になってから買う」というスタンスで。人数分買いそろえる前に、最初に1つだけ買って様子をみるのもよいでしょう。双子ママサークルなどではウエアの交換会を行っているところもあるようです。

Q: ひとりが病気で園を休むともうひとりも行きたがりません。

 1人が園を休むと「もう1人を園に連れていくのが面倒」と2人休ませてしまう場合もあります。でも、元気なほうの子がひとりで園に行く体験をさせるよい機会でもあるので、1人だけ園に行かせるのもおすすめ。初めは泣いていたとしても、回数を重ねるうちに「ひとりでもできる」という自信をつけることもできます。

 

読者モデル/井岡 紗和ちゃん&海紗ちゃん(生後6カ月当時) イラスト/サカモトアキコ 取材・文/長島ともこ

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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