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miku42号 2015年秋号

子ども・子育て支援新制度について知りたい!

ママやパパがおさえるべきポイントを整理

2015年春から、子ども・子育て支援新制度がスタートしました。新制度により、子育て環境は以前と比較してどのように変わったのでしょうか。来年度の入園を考えるこの時期、ママやパパが知っておくべき新制度の特徴や園選びのポイントなどについて、内閣府子ども・子育て会議委員で新制度の策定に関わった白梅学園大学子ども学部教授の無藤隆先生に伺いました。
 

無藤隆先生


教育学者、白梅学園大学子ども学部教授。日本保育学会理事、内閣府子ども・子育て会議委員。『保育の学校、全3巻』『発達心理学、全2巻』『幼児教育のデザイン』など著書多数。

すべての子どもたちが健やかに育まれることを目的とした制度

「すべての子どもたちが笑顔で成長していくために。すべての家庭が安心して子育てでき、育てる喜びを感じられるために」という考え方に基づいて作られ、2015年春から施行された「子ども・子育て支援新制度」。幼稚園と保育所のよいところをひとつにした「認定こども園」の普及や少人数の子どもを保育する“地域型保育”を充実させることなどにより、待機児童の解消に取り組むことが、主な目的のひとつとされています。

 

保護者の視点でみると、月の就労時間が48時間から64時間の範囲で市区町村が定める時間数以上であれば「保育の必要性」の認定が受けられ、保育所、認定こども園が利用できるようになりました。働くか、働かないかという二者択一ではなく、いろいろな働き方の可能性が広がったのです。

 

また、保育する側の視点でみると、保育者の給与が3~5%上がって待遇が改善され、研修制度なども充実し、保育の質の向上が期待されています。さらに、子どもの視点でみると、これまでは「親が働いていたから保育所に通っていたけれど、仕事を辞めたので保育所にいられなくなり幼稚園に転園した」など、保護者の働き方の変化によって環境が変わらざるを得ない状況でした。しかし、0~5歳の子どもの教育と保育を一体で行う認定こども園の普及により、親の働き方の変化にかかわらず継続して通えることが前提となったのです。
 
「子ども・子育て支援新制度」は、すべての子どもたちがより健やかに育まれるべくスタートし、今も尚、各自治体の状況に合わせながら少しずつ進化をとげています。

教育・保育を一体に行う認定こども園

幼稚園と保育所の機能をあわせもつ認定こども園では、幼稚園教諭や保育士資格をもったスタッフが、子どもの教育、保育を行います。保育時間は、保護者の働き方などにより、4時間程度の教育・保育、8時間までの教育・保育、11 時間までの長時間の教育・保育のどれかを選ぶことができます。

認定こども園のタイプ

認定こども園には4つのタイプがあります。これまで幼稚園だった園が、新制度により認定こども園に変わっても、幼稚園としての位置づけを失うことはありません。入園を検討する際に、希望の園はどのタイプか知っておくとよいでしょう。

幼保連携型

認可幼稚園と認可保育所が連携して一体的な運営を行うことにより、認定こども園として機能する施設

幼稚園型

認可幼稚園が、保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど保育所的な機能を備えて認定こども園として機能する施設

保育所型

認可保育所が、保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど幼稚園的な機能も備えることで認定こども園として機能する施設

地方裁量型

幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が認定こども園として機能する施設

地域の子育て支援拠点としての役割もある認定こども園

新制度の目玉でもある認定こども園の数は、全国で2836件(2015年4月1日現在)。1360件から倍増しています。認定こども園には、地域の特性や保護者のニーズに応じて選べるようさまざまなタイプがあります(下表参照)。例えば幼稚園から認定こども園に移行した園は、保育スタッフの勤務スタイルや教育・保育内容の変化などにより、長時間の保育を提供できる体制になるまでに時間がかかる場合もあります。

 

しかし、「小学校入学前の教育と保育を一体としてとらえ、一貫して提供する」というところが大きな特色で、地域における“子育て支援拠点”としての役割も果たしています。通園していない子でも“親子の集いの場”として利用でき、地域に住む親子と気軽に交流することができるのです。

Q: 今入っている幼稚園や保育所が認定こども園になった場合、引き続き入園できますか?

 引き続き入園することは可能です。幼稚園や保育所で今後認定こども園になる予定の施設では、現在入園している子どもが引き続き入園を続けられるよう、受け入れ枠を適切に設定します。

Q: 第2子の育休中に第1子を退園させられた場合、どうしたらいいのですか?

 第2子の妊娠・出産は、「保育の必要性」を認定されますから、基本的には第1子は継続して通う事ができると考えます。しかし自治体によっては、待機児童との兼ね合いにより「退園してほしい」と言われる可能性もあります。入園を継続したい場合は自治体に相談してみましょう。

Q: 保護者が負担する金額は、新制度により変わりますか?

 新制度では、市区町村が地域の実情に応じて定めることになっています。保護者が負担する金額の内訳は多少変動がありますが、トータルで見るとほとんど変化はないといってよいでしょう。

Q: 新制度により、学童保育の対象が拡大されたのですか?

 2015年4月から、学童保育の対象がこれまでの小学3年生までから6年生までに拡大されました。しかし、対応の仕方や入所基準などは自治体によって違います。自分が住んでいる自治体の対応はどうなっているのか確認しましょう。

来年春からのママの働き方を見据え、どの認定を受けるのか検討

そろそろ来年度の入園申し込みが始まる時期。新制度では、幼稚園や保育所、認定こども園の利用を希望する場合、保護者が利用のための“認定”を受ける必要があります。ママは、来年春以降の働き方を見据えながらどの認定を受けるのか検討しましょう。園選びの際は、親の視点から通いやすさなどを重視しがちですが、園庭の広さ、保育内容など子どもの視点に立った園選びを心がけ、見学に行ったり説明会に参加しましょう。

 

地域によっては子どもの預け先の相談に応じる「保育コンシェルジュ」が配置され、それぞれの家庭のニーズに合った子育て支援サービスの情報を教えてもらうこともできます。

 

新制度の利用の流れは下図のようになります。3つの認定区分、利用の流れや手続きの仕方を確認し、子どもがより健やかに育まれる園をじっくり検討しましょう。

 

イラスト/犬塚円香 取材・文/長島ともこ

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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