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miku 45号 2016年夏号

夏の里山遊びと草木染め

自然と共存する物作り体験

夏のキャンプに出かけたり、里山や公園、庭などで遊んでいると、雑草もたくさん見かけます。今回は、外遊びをしながら、雑草で草木染め体験。自然の命とエネルギーに感謝しながら、存分に活用してみましょう。

福元卓也さん&理恵さん


ヘンプ・オーガニックコットン・リネンなどの天然素材を、季節のさまざまな植物で染めるオリジナルデザインの服が人気の『Botanic Green』を主宰。小学校でのワークショップをきっかけに、さまざまなワークショップも各地で展開している。2016年7月22~25日はNatural & Harmonic PLANT’S(神奈川県横浜市)にてエキシビジョン開催。
http://botanicgreen.com/

子どものケンカは成長のチャンス

外遊びが増えるこの時期。キャンプや公園遊びのなかで、季節を感じたり、自然のパワーを感じたり、子どもにはいろいろなものを吸収してもらいたいもの。
 
今回は、四季折々の植物を使って染め物をしている福元卓也・理恵ご夫妻主催の『ボタニック・グリーン』(東京・八王子市)にお邪魔して、高尾の自然と触れ合いながら、里山に芽吹いている植物で染め物体験をしてきました。「私も染めたい!」と集まってくれたミク読者は4家族。参加者全員にとって初めての体験です。
 
「草木染めは植物によって微妙な色の違いが出て、自然をそのまま写した色が現れます。よく聞く藍染はこの一種で、植物の種類、採取する季節によって、色のバリエーションが変わり楽しいですよ」。

 

福元さんの言葉に、「今日はどんなものができるかな?」と子どもたち。「今日はかもじ草という、いわゆる雑草を使いましょう。雑草ですから、通常は草刈りや除草されます。それを有効利用するのですから一石二鳥ですね」。

 

高尾の植物は1600種類を超え、イギリス全土で自生する植物の数にも匹敵するといわれているそう。その中からかもじ草がどれかを教えてもらった途端、「早く取りに行こう!」と待ちきれない子ども達。

 

そうはいっても現代っ子。初めは軍手をしたり、服が汚れちゃう……と気にする様子も見られました。それが時間の経過とともに、泥んこなんてなんのそのという様子で沢に入って行きます。「今日は植物の名前をどれか一つ、覚えて帰ろう」と約束もしました。

里山散策~山登り

探検をはじめてすぐ、「お洋服がよごれちゃう」と言っていた子ども達。「お洋服は洗えばいいから、しっかり手をついて進もうね」という声掛けに、体を十分に使って動きが大きくなっていきます。泥んこって気持ちいい!

たき火に挑戦!

 

オール電化生活で火を見たことがない子や、ガスコンロの火しか見たことがない子どもも多い昨今。それでは火の本当の熱さや、燃える仕組みがわかりません。たき火やキャンプファイヤーでの体験は、火のありがたみや危険を知ることができます。

湧水を必要なだけくむ

 

蛇口をひねれば無限に出てくる水道の水ではなく、山からの湧水を、自分たちが使う分だけ運ぶことで、水も自然界からの大切な資源であることを自然に学ぶことができます。

花を飾る

 

染め物に使わない花の部分は、小瓶に生けたり、花かごを作って飾ったり。自然の命は無駄なく活用しましょう。

季節ごとに楽しめる草木染め

 

福元さんが藍とヤマモモで染めた靴下。ハンカチ、バンダナ、靴下、クッションカバー、Tシャツなど、お好みで染めてみましょう!季節ごとに色々な草木で染め物が楽しめます。

    桜、カラスノエンドウ、ミモザ、ヒメジョオン、きぶし、かもじ草


    かもじ草、ヨモギ、ドクダミ、フェンネル、藤、藍、赤じそ、ミント、花オクラ、高野槇


    メリケンカルカヤ、栗、ドングリ、マルバアカソ、キバナコスモス、セイタカアワダチソウ


    ビワ、梅、蝋梅、カリン、ヤシャブシ


通年    月桂樹、ユーカリ、タマネギ、茜、ログウッド、蘇芳、ウメノキゴケ、
 

刺繍をプラス

 

ゆとりがあれば、布にイニシャルやマークの刺繍を入れてみましょう。草を煮ている時間などを利用すれば、無駄なく時間を使えます。

草花観察してみよう

夏のキャンプででかける山々、公園でのピクニック、おうちのお庭など、身近で見かける草花と触れ合い、名前を覚えてみましょう。花はもちろん、茎や葉っぱの違いを観察するのも、子どもたちにとっては楽しい遊びです。

家にあるもので

 

草木のほかに、紅茶の葉っぱや玉ねぎの皮などを使っても「自宅でもできる草木染め」と同じ方法で染め物ができます。

自然のエネルギーを使って自然界のパワーに感謝

里山や裏庭に茂るかもじ草を採取し、いよいよ布染めスタートです。「せっかくだから、自然のエネルギー、たき火と山の湧水を使って染めましょう」と福元さんから提案がありました。そうすると子どもたちは一丸となって水汲みをしたりと積極的に。おもしろいのは、一人一人それぞれお気に入りの作業が違うこと。火が途絶えないようにずっと火から離れずに扇いでいる子もいれば、燃料となる草木集めが好きな子、水をしゃくしで入れ替える作業が好きな子と個性が表れます。「親子だけで過ごしていると、我が子の特徴がわからないものですが、集団の中にいる姿を見るといつもと違った様子がみられます。親として感慨深いものがありますね」とおっしゃるママも。

 

この日は、山に入る前は山の神さまに、火をくべながら火の神さまに、自然への感謝のお祈りも。「採取した草は1本残らず全部大事に煮ようね。ご飯粒を食べ残してはいけないのと同じだよ」と福元さん。「日本人が自然と共存しながら過ごしてきた暮らし方や、続けてきた物作りの風景が失われつつある現代。こうした体験でそれを子どもたちにも感じてもらえたらうれしい」とおっしゃいます。
 
この夏、家族でピクニックやキャンプに出掛けて、裏庭に雑草が生えていたら、植物の命を最大限に生かせる草木染め、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。自然界の色合いに染まった布々が生活をやさしく彩ってくれそうです。

自宅でもできる草木染め

今回は晴れた青空のもと、たき火などを使って草木染めをしましたが、ご家庭のキッチンでも手軽に体験できます。

◎用意するもの

・布(はんかち、バンダナ、靴下など)
・草(今回はかもじ草)
・灰汁(大型文具店などで買えます)
・豆乳
・水(適量)
・鍋
・ビニール紐

<下準備をする>

 

シルクやウールは必要ないのですが綿や麻は、タンパク質がないので、家庭でやるときには、呉汁と言って豆の汁に浸してから染めます。これを豆汁下地といい、膨らんだ大豆をミキサーにかけ、その汁に布を浸した後、乾かします。豆乳でも同じ効果が出ます。

参加しました!

見守る姿勢が、子どもを成長させるんですね!

 

町田大輔くん(4歳)&友里ママ


日頃はついつい「危ない!」という大人の気持ちが先走ってしまうのですが、先生の指導のもと、「見守る」ことを心掛けてみたら、子どもたちが協力しあって力を発揮していて驚きました。

染め物体験は、子どもはもちろんママにもおすすめ♪

 

吉村颯介くん(5歳)&美奈子ママ


今回は、染める体験だけでなく、必要な水を川からくんで来たり、たき火が絶えないように一生懸命うちわでたき火をあおいだり、子どもたちがとても頼もしく感じられました。大人にとっても新鮮体験でした。

自然は本当に偉大!それを体験できました♪

 

田中泰智(たいち)くん(5歳)、郁弥(ふみや)くん(3歳)&薫ママ


里山散策では、沢にも入り込んで泥んこになって歩きました。その道のりに生えている普段気にもとめない雑草が草木染めの原料になるだなんて。自然は本当に偉大です。それを親子で体感できました。

自由な発想を生かせる物作りって楽しい!

 

木許夏希ちゃん(4歳)&雪絵ママ


草を集めて染めるまでの長い工程。途中で飽きてしまわないかな?と心配しましたが、最後までニコニコ顔で楽しそうに積極的に参加している姿に、日頃みられない子どもの一面が見られ感動しました。

※たき火や植物採取はそれぞれ、区域の条例にそって遊び、安全に配慮し、マナーを守りましょう。
※植物を管理しているところでは、ルールにそって遊び、無断で植物を採取しないようにしましょう。

 

 

 

 

撮影/長尾浩之 取材・文/山田治奈

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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