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miku 45号 2016年夏号

育児をとりまく環境は、どう変化している?

気になるキーワードから、今どき育児を考えてみよう

11年前の創刊当初から、「それぞれの家族が自分たちらしく子育てする」ことを大切に育児情報の提供を心掛けてきた「miku」。近年、ますますその育児の「自分たちらしさ」の多様化に注目しています。今回は、4つの気になるキーワードから、今どき育児事情をみつめてみました。紹介するような場を住まいの近くで探してみたり、なければ思いを同じくする同志と似たような仕組み作りにチャレンジしてみたり。情報をキャ ッチして、ママやパパ自身が、過ごしやすい子育てしやすい環境を作り上げてみませんか。

キッズスペース付きコワーキング

保育園を利用しない多様化する働き方

事務所や打ち合わせ室などを共有しながら独立した仕事を行うワークスペース「コワーキング」。フリーランスや企業家として働く人が増える近年に生まれた、新しいスタイルです。出産を機に、仕事と育児の両立を目指し働き方を変えるママも増え、子ども連れでも利用できるコワーキングスペースも出てきました。
 
東京都・杉並区の「baby Co(ベビコ)」は、会社員ではないために保育園に入園できない親子のためになれば、と設立された託児サービス付きのコワーキング。「育児との両立を考えてフリーランスになっても、子どもの世話をしながらでは結局仕事に集中できないと悩む人もいます。ここに来てもらえれば、必要な時間だけ保育資格保有者に保育をしてもらえ、仕事にも集中できる。子どももママの姿が見えるから安心して遊んでいます」とは、運営者の曽山恵理子さん。
 
ベビコでは、キャリアカウンセラーによるキャリアカウンセリングや保育園入園相談、保育士による育児相談なども行っています。「こうしたサービスがママたちを支えるという自負もありますが、それだけではありません。ママたちが地域で交流できる場所作りも大事だと考えています」。だからベビコは、都心ではなく住宅街で設立。「子連れで都心に通勤をするのは親子共に負担です。こうしたコワーキングスペースが住居の近くにたくさんできるのが理想」とも。
 
子どもにもママにも負担の少ない働き方。ワークスタイルの多様化が今進んでいるようです。

こども食堂

「ねりまこども食堂」は、こども無料、大人300 円で月2回開催

地域活動で子どもの孤食を救う

「こども食堂」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 子どもが一人でも利用でき、無料、あるいは少額で食事を提供する場所、というのがおおよその定義。現在、全国100カ所以上(2016年4月時点)で展開されています。地域の人たちに支えられている活動で、開催頻度や提供食事数、利用条件など、食堂によりさまざま。地域の人というのもNPOなどの市民団体であったり、主婦の方たちによる活動だったりと多様で、誰でも開くことができる食堂です。発端は、「今晩のご飯はボク1人なんだ」「お母さんがお仕事の日はお弁当を買って食べるの」といった子どもたちの孤食を救うため。地域の人たちが栄養満点の温かいごはんを作って、迎えるのです。未就学児の利用についても食堂によって環境はさまざまですが、地域とつながるきっかけとして親子で利用してもらっているケース、子どもの移動の安全を確認したうえで子どもだけで利用しているケースなどがあるようです。
 
「こども食堂ネットワーク」のホームページでは、利用したい人に役立つ全国の食堂情報が掲載されているだけでなく、食堂を開きたい!という人のためのセミナー情報なども掲載されています。
 
それぞれこども食堂ではさまざまな工夫がされており、例えばねりまこども食堂では、全国各地から届けられた新鮮な食材を使った食事の提供だけでなく、こども食堂の歌を作ったり、子どもたちが楽しく過ごせる憩いの場所としての工夫がされています。
 
子どもたちを単なる弱者にしないために、地域の大人としてもできることを考えたいですね。

ママ向け子連れお稽古

イキイキママの時間がイキイキ子育てにつながる

子どものための習い事はたくさんありますが、ママ向けお稽古となると子どもの面倒をみてくれる人がいないと通えないというのがお稽古事情の現実。それが近年、子ども連れでも通えるお稽古が全国的にも徐々に増えている傾向があります。
 
「子育て環境はこの10年で大きく変わってきています。以前は駅にエレベーターなどもなくてベビーカーでの移動も一苦労でした。お稽古も、何かやりたいな~と思っても子連れでは何もできなかったんです。それで、子ども連れでも参加できるお教室を作りたいと思ってはじめたのが“プッペンプッペ”でした」とは代表の杉山めぐみさん。現在は、東京・世田谷、杉並、三鷹エリアでヨガ、フラダンス、フラメンコ、スクラップブッキング、ゴスペルなどのお教室を展開しています。

 

育児に明け暮れて自分の時間がもてないママライフでは、ストレスがたまり、そのイライラを子どもにぶつけてしまうという悪循環におちいることも。「週に数時間でも自分のやりたいことができるだけで、ママたちがハツラツとするもの。地域に参加できる場所があると、ママ同士の輪も広がって、互いに育児の悩みを相談したり助け合うなどの交流も生まれます」。

 

杉山さんは、習い事を楽しみたい!というママたちを応援するのはもちろんのこと、産後、それまでの仕事をやめて新しい自分の生き方として教室を開きたい、起業をしたい、というママたちへのアドバイスもしているそう。

 

「本当に手がかかるのはほんの数年。だからこそ、自分が子どもとどう関わり合いたいのかをじっくり考えてもらいたい。メディアでは保育園を利用したがるキャリアママが注目されがちですが、3歳未満の手がかかる時期はなるべく子どもと過ごしたいと考えるママだってたくさんいるはずです。そんなママたちにとってイキイキできる場所に
なったら」と考えているそうです。

ファミリー向けシェアハウス

クリスマスなどではイベントが企画されることも

 

ファミリーも入居している
「ATELIER379」
(名古屋市西区)
 

お互いさまといえる新しい共同スタイル

生活コストの約1/3をしめる家賃。その負担を軽くし、リビングなどを共有することでゆとりのある空間で生活をしたいとのニーズから人気が高まっているシェアハウス。もともとは単身者向けのものがほとんどでしたが、近年、ファミリー向けシェアハウスが登場しています。
 
シェアハウス総合メディア「ひつじ不動産」を運営する(株)ひつじインキュベーション・スクエアの代表北川大祐さんは、「単身時代にシェアハウスで暮らした人たちから、結婚後もシェアハウスでという需要があり、2014年からファミリー向けシェアハウスを扱うようになった」そうです。
 
「子育ての場としてのファクターをどう形にしていくか、さまざまな課題があります。運営している事業者の中には、ほかの入居者の子どもを叱っていいのかを規約に盛り込むか否かなど、物件、環境にあわせて子育ての場として試行錯誤しながら取り組んでいるところもあります」。ルールを守らなければシェアメイトに迷惑をかけてしまうという点では、単身でもファミリーでもあまり変わりません。「一般的なアパート暮らしでは子どもがうるさいから近所迷惑になる、と息を潜めて暮らす人もいますが、ファミリー向けシェアハウスの場合、お互いさま、といえる物件に出会えることもメリットです」。その物件にあったルールを形にすることができれば、トラブルになることもあまりないそうです。人気の物件には、畑付きのものがあったり、イベントを開催していたり。子ども同士が一緒に遊べる場をいかに作るかにも配慮されています。
 
空間的ゆとりがあり顔見知りの中で暮らせるシェアハウス。シングルペアレントの利用者もいるとのこと。新しい住まい方のひとつとして注目です。

 

取材・文/山田治奈

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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