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miku 52号 2018年夏号

ママと赤ちゃんの体のために、食事の栄養バランスを見直そう

知っておきたい低体重出生児の原因とリスク

2500g未満で生まれる低出生体重児は、赤ちゃんの健康リスクに大きく影響する、軽視できない問題です。低体重や早産にならないためにも、ママの体の健康維持が第一歩。栄養学に詳しい瀧本秀美先生にお話を伺いました。

瀧本秀美先生Hidemi Takimoto

 

国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」栄養疫学・食育研究部長。医学博士・産婦人科医。東京医科歯科大医学部卒業。産婦人科医として公立病院に勤務した後、国立健康・栄養研究所に研究員として入所。健康・栄養調査研究部、国立保健医療科学院母子保健室長などを経て現職。著書に『赤ちゃんを強くする離乳食の基本』(成美堂出版)ほか。

女性の痩せ願望が低出生体重児の原因にも

自分の体形がBMI(下囲み内)のどれにあたるか、BMI指数で計算してみましょう。日本人女性は、標準にも関わらず太り気味と感じる傾向にあります。近年、低出生体重(※)の割合が約10%となり問題視されていますが、産婦人科診療ガイドラインでは、BMIが18・5未満の痩せの場合、低出生体重児分娩の可能性が高まると指摘しています。
 

低出生体重児には、36週以前の早産で赤ちゃんが理想の体重に満たずに生まれてしまう合と、37週以降の正期産でも発育が未熟な場合とがあります。胎児は徐々に内臓や機能が発達し、34週目ごろ、最後に肺機能が完成して徐々に体に脂肪をつけていきます。36週以前の早産は、心肺や体温調節、免疫などの機能が未熟で、無呼吸発作や呼吸窮迫症候群、未熟児貧血などのリスクを抱える可能性が高くなります。海外の研究では、低体重で生まれた人ほど、血中脂質が高く、将来肥満や高血圧になりやすいとの報告もあります。

 

では、どんなことに気を配ればよいのでしょう?

 

低出生体重児の原因には、喫煙や飲酒もありますが、最近の傾向として注目すべきは、ママの栄養不足です。妊娠前の体形も大事ですが、妊娠してからも体重管理を気にしすて、赤ちゃんに十分な栄養が届かないのです。体重管理にばかり気を取られてストレスをため込んだり、無理をしてお腹が張る状態が続く方が体によくありません。母子に必要な栄養を摂っていくことが重要です。

妊娠に向き合う女性に必要な栄養素とは?

ママは胎児に栄養や酸素を送るため、妊娠前より血液が増えます。このためママの貧血防止のためにもいつも以上に必要になるのが鉄分です。胎児の発育に重要な葉酸も、日頃の約2倍必要とされていますし、胎児の骨を作るために必要なカルシウムは慢性的に不足しがちな傾向にあります。

 

こうした栄養補給は、赤ちゃんの健康だけでなく脳の発達にも影響します。肥満は糖尿病などリスクを想像しやすいのですが、栄養不足は見落とされがち。妊娠中はつわりなどで食事が進まないこともあると思いますが、3食で補えなければ回数を増やすなどして、栄養摂取を心がけましょう。1日2100kcal が目安です。サプリメントを上手に利用するのもひとつの手です。


また、高齢出産や多胎児の場合も低出生体重児のリスクが高まるので、ドクターと相談しなら、妊娠期の健康管理を行っていくようにしましょう。

妊娠中に積極的に摂りたい栄養

鉄分

赤身の肉、小松菜、ホウレン草、大豆製品など(レバーには先天異常に影響するビタミンAも多く含まれているので過剰摂取しないこと)
 

葉酸

枝豆、ホウレン草、アスパラガス、納豆など( 赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスク軽減、ママの貧血予防
などに)

カルシウム

牛乳製品、小魚、大豆製品など(魚介やきのこ類に豊富なビタミンDをあわせて摂取することで効率よく吸収されます)

BMI の算出方法

体重kg ÷(身長m ×身長m)= BMI

※ WHO の定義により、2500g未満で生まれた赤ちゃんを低出生体重児、1000 ~ 1500gを極低出生体重児とする。

取材・文:山田 治奈

イラスト:サカモトアキコ

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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