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miku53号 2018年秋冬号

自然災害に備えて「命を守る知恵と技」

とっさのときに使える情報とアイディア

全国各地で自然災害が多発しています。いつ我が身に起きても不思議ではない状況ですから、可能な限り備えをしておきたいもの。乳幼児がいる家庭では、どんな心構えと対策が必要なのでしょうか?アウトドア防災ガイドのあんどうりすさんに、普段も使えて災害時に役立つ情報やアイディアを教えていただきました。

あんどうりすさん

 

アウトドア防災ガイド。阪神・淡路大震災の被災経験とアウトドアの知識を活かし、2003年より全国で講演活動を展開。著作に「ちいさないのちをまもるママのためのナチュラル防災講座」(自然育児友の会)などがある。

住まいの危険度を知ろう!避難所の場所もチェック

今年は、報道で「歴史的」「記録的」という枕詞がつくような、大雨や台風が発生しています。土砂災害、河川の氾濫など、いつ起こってもおかしくない自然災害。地震はもちろん、洪水や浸水の被害を想定した対策が急務です。  

 

災害の危険度は、地盤が柔らかいのか、傾斜地に建つのか、河川に近いのかなど、土地環境によって大きく違ってきます。まずは、自分が住んでいる土地の状況を知っておきましょう。

 

Webサイト「地盤サポートマップ」では、住所を入力するだけで、ご自宅の自然被害の危険度を知ることができます。地震の発生確率、浸水の可能性など、危険性を地図上で見て、カルテとしてプリントアウトすることも可能です。
 
自宅の危険度の種類によっては、一刻も早い避難が必要になってきます。自治体のハザードマップもチェックし、いざという時の避難ルートを決めておくなど、家族で情報を共有しておきましょう。

 

天気予報で「1時間に100㎜の雨が降る」と表現されることがあります。100㎜の雨は100㎏の重さの水に相当します。
 
100㎏を小柄な力士に例えると、1m四方あたり1時間に1人、力士が落ちてくることになるのです。集中豪雨時は、数~数十㎞の広範囲にわたって降るわけですから、豪雨による危険度が子どもにもイメージしやすいでしょう。
 
その状態が長時間続けば、土砂災害、浸水、河川の氾濫につながることも、容易に想像できます。

いち早く情報を入手すること早期避難が命を守る

いつ来るかわからない地震と違い、台風や雨雲の動きの予想ができる分、被害を回避する確率が高いと言えます。ニュースやウェブサイトの最新情報をチェックし、早め早めの判断をしましょう。
 
子どもと一緒の避難は時間がかかります。自治体が出す「避難勧告」や「避難指示」を受けてからでは、手遅れになることもあります。

 

いざという事態を想定して、夫婦でシミュレーションしておくと、慌てず落ち着いた行動につながります。子育て家庭は「早く避難する」ことが鉄則です。大雨の予報が出ていたら、自治体の発令を待たず、本格的に降る前に自主的に避難しておきましょう。早く行動して何もなければラッキー。「あの時もう少し早ければ」と後悔がないようにしたいものです。
 
避難先として、安全な地域の友人知人や親戚宅に身を寄せるのも一案です。子どもは仲良しのお友達と一緒なので不安が少なく、ママ自身も気心知れた人と行動する方が安心ですね。ママ友ラインで連絡を取ることなど、あらかじめ相談しておくといいでしょう。

 

災害用の備蓄品で、非常食や飲料水と同様、トイレの備えも必須です。災害時、避難しなくて済んだとしても、自宅が断水になると、一番困るのがトイレの問題。携帯トイレを用意しておきましょう。水が流れなくなった洋式トイレに設置して使い、その都度、排泄物を処理。汚物の保管は臭いが漏れない、赤ちゃんのおむつ用ゴミ袋が重宝します。
 
備えという意味では、保険の加入も重要です。もしも住まいが被害を受けても、保険の保障があれば、スムーズに生活の立て直しができます。
 

100mm/時の雨の重さをイメージしてみよう!

雲研究者・気象庁気象研究所研究官 荒木健太郎『雲を愛する技術』(光文社新書)より

降る雨が「1時間1 0 0 m m 」は、流れずに溜まったとして1 時間で水深1 0 c mになる。1平方メートルに100ミリの雨が降ると、水の量は100リットル=100kg。小柄な力士(100kg)が1時間に1人落ちてきて、それが低地に流れ土砂に浸透したら、河川の氾濫や土砂災害を起こす破壊力だと、容易に想像できますね。
 

水の力はとても強力で、大人でも簡単に制御できないもの。膝下でも流れが早ければ、流れの速さ×2乗の力がかかる動水圧によって流される危険もあり、子どもを連れて逃げるのは不可能です。予報が1時間に3 0ミリ程度でも、早めに避難しましょう。

今すぐチェックしよう! 情報収集に役立つサイト&アプリ

「地盤サポートマップ」

web/アプリ

自宅の住所を入力すると、地震の発生確率、浸水想定の区域、土砂災害の危険箇所など、震災被害の危険性を地図上で確認できます。危険度情報を、レポートとしてプリントアウトも可能。アプリは、地図上の気になる場所をタップすると、そのエリアの情報が簡単に入手できます。

「NHKニュース・防災」

アプリ

各地の災害・避難の情報を通知する設定が可能。地図上で雨雲や台風の進路をチェックでき、災害時はライブ放送の配信も。いつどこにいても、最新ニュースや災害情報をいち早く入手できます。
 

「国土交通省ハザードマップポータルサイト」

web

住んでいるエリアの災害リスク情報を、地図に重ねて表示するサイト。自治体が作成したハザードマップを入手することができるので、旅先など、自宅以外の土地で避難するケースでも情報を得られます。


 

「Yahoo! 河川水位情報」

web

住まい近くの川の水位を、自分で調べるようにしてください。実際の川は絶対に見に行かないこと。サイトの情報を見て判断し、早めに避難しましょう。
 

防災備品に入れておこう!普段使いも避難時も役立つグッズ

ダクトシールテープ(パワーテープ) 

強い粘着力で防水性に優れ、手で切れるので便利。窓ガラスの保護や補強に、下着に貼って上に布をおけば生理用品に使えます。

ペット用携帯ゴミ袋

消臭タイプのゴミ袋が、コンパクトなサイズに収納されていて、1枚ずつ取り出して使えます。匂いが漏れないタイプのものは災害時のトイレで、汚物処理に重宝。日頃から携帯して、赤ちゃんのオムツの処理やゴミ袋としても使えて便利です。

赤ちゃんはシャツに包んであげると運びやすい

抱っこ以外で赤ちゃんを移動させるときは、手足がバタバタ動かないようにすると移動しやすくなります。大人用シャツに包んであげると、首も固定されるのでパパママ以外でも運びやすくなります。

2018 AUTUMN-WINTER

イラスト/サカモトアキコ 取材・文/中野洋子

 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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