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miku53号 2018年秋冬号

産後の育児家事を支える制度やサポート

地域の中に子育ての伴走者を見つけよう

核家族化、出産や育児を取り巻く環境の変化などから、産後の育児家事を支えるサポートが増えています。
フィンランドの“妊娠期からの切れ目ない”ワンストップの子育て支援施設「ネウボラ」を見習い、政府で“日本版ネウボラ”を進める動きも。産後の育児家事を支えるサポートの種類や内容、現状、利用の仕方などについて、新渡戸文化短期大学准教授の榊原久子先生に伺いました。

榊原久子先生
Hisako Sakakibara


新渡戸文化短期大学生活学科児童生活専攻准教授。社会福祉法人つばさ福祉会理事。2016年まで施設長として日本版ネウボラに携わる。2017年より保育園版ネウボラ事業を手がける。幼稚園教諭第1種、保育士、臨床発達心理士。

育児に困難感を抱える母親の増加が背景に

初めての出産なのに、育児を支援してもらえる近親者が身近にいない、赤ちゃんの育ちや授乳の仕方、お世話の仕方などを学ぶ機会がとぼしい、ワーキングマザーが増え、0歳児をもつ母親の約7割が働いている……。出産や育児を取り巻く環境の変化により、育児に困難感を抱える母親が増えてきています。
 
2016年、WHOにより「妊娠期から2歳くらいまでの子どもを持つ家族支援や子育て支援が、GDPの上昇につながる」という内容の研究結果が出ました。これらを受け、近年、日本においても産後の育児家事を支える必要性が叫ばれ、自治体や病院、専門施設などでさまざまなサポートが始まっています。

家事補助や育児補助を通じて母親の孤立を防ぐ

産後サポートの内容は、ヘルパーさんによる自宅の掃除や洗濯、食事の支度や片付け、買い物などの「家事補助」、赤ちゃんの沐浴や授乳の手伝い、おむつや衣類の交換などの「育児補助」で、地域により異なります。利用可能期間や利用料金、利用のための手続き法や補助金なども、地域によりばらつきがあります。
 
特に一人目の場合は、妊娠・出産で生活サイクルが大きく変わることにより、心身ともにとまどうママも多いもの。そんな時、夫など身近な家族以外に頼りになるのが、このようなサポートです。産後のサポートを利用し、ヘルパーさんとの交流などを通じて地域に“顔の見える関係”を一人でも多く作ることが、子育ての悩みや不安の軽減、母親の孤立の防止につながることもあります。
 
自分たちが住む地域では、どのようなサポートが受けられるのかを知っておきましょう。第一子の場合は、妊娠中に問合せや申込みをすませておくことをおすすめします。区市町村役所、子育て世代包括支援センター(保健センター)、産院などで相談できます。第二子以降の場合は、子育て支援センター(子育てひろば)やファミリーサポートセンター、地域によっては児童館など、上の子のことも併せて相談できる場で情報を得ることをおすすめします。

産後の家事育児サポートについての相談先

● 地域の保健センター
● 子育て支援センター
● 子育てサロン
● 児童館など子育て支援施設
● 出産でお世話になる病院
● ファミリーサポートセンター

上記以外に、以下のような団体も

産後ドゥーラとよばれる専門家が、産後間もない母親に寄り添い、日常生活を支えるサービスを提供。

研修を受けた地域の子育て経験者が、定期的に利用者宅を訪問し、気持ちを受け止めながら話を聞いたり育児や家事を一緒に行う。

ママの心身と母子の絆を支える産後サポート

産後サポートを利用したママ達からは、「家事サポートしてくれている間、赤ちゃんのお世話に集中できてよかった」「赤ちゃんと二人で気持ちがこもりがちになる中、話す相手ができて気がまぎれた」などの声が寄せられています。

 

この時期に、何よりも優先したいことは、ママの身体の十分なケアと、産まれてきた赤ちゃんと安心して関われる時間が充分に保障されることです。出産を終えた女性が、子育てや生活、仕事ができる身体を取り戻し、安心・安全の環境で母子の愛着を形成していくことは、すこやかな子どもの育ちと豊かな家族の営みにつながります。ひとりで産んで育てると決めた女性も、是非活用したいサポートです。

2018 AUTUMN-WINTER 
イラスト/サカモトアキコ 取材・文/長島ともこ

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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