【入園・入学 絵本】おおきくなるってどういうこと?
4月から、学年が1つずつ上がる子どもたち。大人たちはみんな言います。
「大きくなったねえ。」
でも、おおきくなるって、どういうことなんだろう?
背が伸びること。体重が増えること。小さな子に優しくなれるってこと。
それから、それから…。
子どもたちは、いつだって成長の途中です。出来ないことだって沢山あって当たり前ですよね。少しずつ前に進めるように、大人の私たちが出来るのは、優しく見守ることと、そっと背中をおしてあげることでしょうか。そんな風に成長を応援してくれる、見守ってくれる絵本をご紹介します。
おおきくなるってどういうこと? 成長を感じられる絵本
大きくなった喜びがいっぱい!『おおきくなるっていうことは』
2歳が3歳になって、4歳になって…
どんどん大きくなる子どもたちに向かって、私たち大人は言わずにはいられません。
「おおきくなったね」
でも、子どもたちはどう感じているのかな。
おおきくなるって、どういうことなのかな。
この絵本は、一緒に考えてくれます。
「おおきくなるっていくことは…」
洋服が小さくなるってこと。新しい歯がはえてくること。
あんまり泣かないこと、高いところに登れること。
それから、それから。
小さい子どもたちの毎日は「おおきくなる」喜びでいっぱい!
だけど、園長先生は言います。
「おおきくなるっていうことは
じぶんより ちいさなひとが
おおきくなるってこと」
それって、どういうことなのかな?
ピーマン村シリーズの中でも、特に進学・卒園の時期に人気のこの絵本。保育士でもあった中川ひろたかさんが投げかける一つ一つの言葉は、小さな子どもたちが自分たちでも考えられるように優しくわかりやすいのです。そして、そのシンプルな言葉に心情をのせてくれるのが村上康成さんの絵と構成。熱い気持ちには体温を感じる背景色、未知の世界へ飛び出していくかのような場面には、白の背景を。読んでいる人たちが思い思いに気持ちを映していきます。
ところで、おおきくなるっていうのは、どういうことなのか。大人だって一緒に考えたくなる一大テーマなのかもしれません。読んだあとも、絵本を大切にとっておいてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
こどもたちは、いつも、まだとちゅう『ちいさい わたし』
「こどもたちは、いつも、まだとちゅう」
絵本のテーマとして掲げられているこの言葉。なんて素敵なんでしょう。
主人公の“わたし”は、色んなことが上手にできない。
犬のルルのお散歩はいつもママと一緒だし、挨拶だって大きな声が出せない。
だって、まだ小さいから。
おばあちゃんにもらった服もぶかぶか、夜だって怖くて一人じゃ寝られない。
でも…。
でも、いつかはできるようになるもん。今はその途中だもん。
そうだよね。色んなことが段々とね。
そんな“わたし”にも心が揺れる瞬間があります。
大事なお人形をおともだちに貸せなくて、ケンカしちゃった時。
「このまま…ずっと遊ばない?」「いつか?」「いつかじゃだめ」
思い切って、おともだちの家に駆け出していく“わたし”。
こんな瞬間を優しく見守ることができたなら、子どもたちはきっとまっすぐに成長していけると思うのです。
どこまでも優しく繊細な目線で子どもの心の揺れを描き出しているのは、絵本作家のかさいまりさん。かさいさんの作品は、いつでもほんの小さな心の成長を見逃さずに絵本で表現してくれているのです。
そして、そんなお話をより愛おしいものにしてくれているのが、今注目の画家おかだちあきさん。ママの後ろから顔を出す表情、ぶかぶかの服を着て鏡を見つめる様子、そしてちょっとだけ成長した“わたし”の笑顔。優しく丁寧に描かれたそれらは、どの瞬間もはっとさせられるほど印象的な表情ばかりです。
知っているつもりでも忘れがちなこと。
小さな子どもたちにはいつだって不安があるってこと。
この絵本を親子で読んで、一緒に少しずつ前に進んでいけたらいいな。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
たくさん学んでね!『みんながおしえてくれました』
子どもは、教えてもらうのが上手。
誰から何を習えば一番楽しいかよーく知っているからです。
子どもが身の回りを観察してみたくなる、そんな絵本です。
大きくなったら何になるの?『みんなおおきくなるんだよ』
白い花はおいしい実になり、おたまじゃくしはかえるになり、どんぐりは大きな木になる。ぼくの小さい弟は、大きくなったら何になるの。大きく育ってゆく喜びを、小さな子どもたちに届ける絵本。
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