【ためしよみ公開中!】この先もずっと大切に伝えていきたい、あかね書房の名作幼年童話
あかね書房 創立70周年フェア開催!
1949年の創立以来、「わかったさんのおかし」シリーズ(作:寺村輝夫・絵:永井郁子)や「ゆうたくんちのいばりいぬ」シリーズ(作:きたやまようこ)など、たくさんのロングセラーの児童書を子どもたちに届けてきた、あかね書房。
2019年の今年、あかね書房は創立70周年を迎え、4月下旬より全国書店にてフェアを開催します。
フェアでは幼年童話をメインに、愛され続ける名作がずらり目白押し。絵本ナビでも、フェアを記念して、特に人気の高い名作幼年童話2作品の「ちょっとためしよみ」を公開中です! 作品のみどころ紹介と合わせて、ぜひこの機会に試し読みしてみてくださいね。初めて出会う方はもちろん、「懐かしい!」という大人の方も、きっとあの頃のワクワクがよみがえりますよ。
かけがえのないものとの豊かな時間を、子どもの心に沿って描く名作『きいろいばけつ』
「かけがえのないものは、いつの時でもたった一つしかない」
「だれのだろう。」
月曜日、きつねの子は「きいろいばけつ」を見つけました。名前はありません。まだ新しいようです。
それは、きつねの子が前から欲しかったようなばけつでした。きつねの子は、急いでうさぎの子と、くまの子に、ばけつのことを知らせに行きます。きつねの子が持つと、まるできつねの子のもののようにとっても似合うばけつ。くまの子は、「もしだれもとりにこなくて、ずっとそこにおきっぱなしだったら、きつねくんのにしたら」と言います。そこできつねの子は1週間、待つことにしました。
火曜日、水曜日、木曜日……と、きつねの子は毎日、きいろいばけつがあるかどうか見に行きます。うっとりと眺めたり、横でうたたねをしたり、持って歩いてみたり、魚を釣って入れる真似をしてみたり。1日に何度も、たとえ雨が降ったってきいろいばけつのところへやってきて、一緒に楽しい時間を過ごします。だんだん月曜日が近づいていくと、バケツに自分の名前を書くまねまでしたりして。
伝わってくるのは、きいろいばけつのことを大切に思い、好きで好きでたまらないきつねの子の気持ちと、毎日ちゃんと元の場所にあるかどうかドキドキする気持ちです。読む子どもたちも、あっという間にきつねの子の気持ちになって、1日1日、今日はあるかな? 今日はどうかな?と祈るような気持ちでページをめくることでしょう。
そうしてやってきた1週間後の月曜日。はたして、きいろいばけつはあったのでしょうか。きつねの子が発したひと言に、子どもたちは何を感じるでしょうか。
お話を書かれたのは、いつもやわらかい子どもの心をすくいあげ、優しく見守るように描き出す森山京さん。『きいろいばけつ』は森山京さんの代表作「きつねの子」シリーズの最初のお話です。幼い子どもたちの揺れる気持ちに丁寧に寄り添ったお話は、子どもたちの頼もしい味方として多くの親子に愛され続けています。きつねの子の喜び、楽しさ、心配の気持ちを表情や仕草で生き生きと描くつちだよしはるさんの挿絵もお話全体を温かく包み込み、安心感を与えてくれています。
「かけがえのないものは、いつの時でもたった一つしかないということを一番よくわかっているのは、ほんとうは幼い子どもであるのかもしれません」
あとがきで森山京さんがそう伝えてくれているように、かけがえのないものと過ごす豊かな時間とそれに出会った喜びの思いがたっぷり詰まったお話です。そんなきつねの子のドラマを、そばで優しく見守るうさぎの子とくまの子の友情にも注目ですよ。
(絵本ナビ編集部 秋山朋恵)
丸木橋のたもとで見つけたきいろいばけつ。一目で好きになったきつねの子は、毎日ばけつを見に行っては、自分のものになったときのいろんな想像をします。小さな心の中は、ばけつのことでいっぱい。読者の子どもたちも、きつねの子と一緒にワクワクしたりドキドキしたり。自分の気持ちを重ね合わせてお話の最後まで夢中でページをめくることでしょう。
ばけつは、いったいどうなったのでしょう? 想像が広がる結末が待っています。お話を読み終わったら、きつねの子の気持ちや、ばけつはどうなったと思うか、親子やお友達と話し合ってみてくださいね。
・『きいろいばけつ』 みんなの声 ご紹介!
どきどきの一週間・・
(海猿さん 30代 ママ)
四月から学校に行ってる息子には、ちょうど良い長さの本でした。
読んでいると息子は、一日が終わるごとに表情が硬くなり「バケツ無くならないかな?」とドキドキしてました。
バケツの夢を見てるシーンでは笑いながら「すごくバケツ欲しいんだね」と言って、聞きながらキツネさんの気持ちが考えられて良かったです。親子共々、優しい気持ちになれました。
主人公と自分を重ね合わせて…。
(ひなちいさん 30代 ママ)
私が小学校低学年の時に、課題図書になっていた本です。
私自身、こんすけくんに気持ちを重ね合わせて読んでいた大好きな作品で、娘にもぜひ読ませたいと思っていました。
きいろいばけつを手に持って、いつか自分の物になったときを想ってうっとりするこんすけくんの姿が娘は好きなようでした。
あと一日、あと一日と我がことのようにどきどきしながら娘も読み進めていたようで、小さかった頃のママもあなたと同じ気持ちで読んでいたよと話しました。
この先も50年、100年……と読み継ぎたい、子どもたち、大人も勇気づけてくれる物語『ふらいぱんじいさん』
ふらいぱんじいさん、愛され続けて祝50周年!
まるくてくろくてにっこり顔のこのお方はいったいだれでしょう? みんなの家の台所にもきっとあるはず。このお話はあるお家のふらいぱんのふらいぱんじいさんが旅に出るお話です。なぜ旅に出るようになったかって!?それはこういうわけなんです。
ふらいぱんじいさんは、たまごを焼くのが大好きでした。
けれどもある日、おくさんが新しい目玉焼きなべを買ってきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。
そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。
「そうだ、ひろい よのなかに でれば、
この わしだって、なにか
やれそうなものだ。よし、でかけよう。
あたらしい せかいで、だれかが わしを
まっているかもしれない。」
初めて家の外に出たふらいぱんじいさん。外の世界はなんて明るくて広いのでしょう。空には小鳥たちが歌い、ふらいぱんじいさんは希望いっぱいに出発します。
けれどもふらいぱんじいさんの行く先には、困難がいっぱい。ものめずらしいふらいぱんじいさんは、ジャングルの動物たちに「かがみ」や「たいこ」と間違われたり、だちょうに卵をねだって蹴られたり。それでも砂漠を超え、海を超え、どんどん進んでいくふらいぱんじいさん。いっときの安らぎを得たかと思えば急に嵐がやってきたり、波乱万丈の冒険の旅が続きます。
はたしてふらいぱんじいさんは、何かを見つけることができたのでしょうか。
お話は全部ひらがなで書かれていて、字も大きく、読み物への入り口にぴったり。読み始めたらあっという間にひきこまれ、ドキドキワクワクがとまりません。そんな読み応えたっぷりのお話で子どもたちを一喜一憂させ、楽しませてくれるのは、『ちびっこカムのぼうけん』や『くまの子ウーフ』で知られる児童文学作家の神沢利子さん。そして、お話と合わせて大きな魅力となっているのが、堀内誠一さんの挿絵です。堀内さんの描く愛嬌たっぷりでユーモラスなふらいぱんじいさんは、すぐに子どもたちの心を掴むことでしょう。カラフルであざやかな色づかいは今でも全く古さを感じさせないほど、おしゃれで目をひきますよね。
『ふらいぱんじいさん』は、1969年の登場以来たくさんの親子に読み継がれ、2019年の今年で50周年を迎えます。
ふらいぱんじいさんが旅の途中で出会うさまざまな出来事は、子どもたちの心の深いところに残り、いざ広い世界に出ていく時の心強いお守りとなってくれることでしょう。この先も、50年、100年……とずっとずーっと子どもたちそして大人をも勇気づけてくれるこの名作を、大切に伝えていきたいですね。
(絵本ナビ編集部 秋山朋恵)
新しい「めだまやきなべ」に役目を取られて、大好きなたまごを焼けなくなってしまった「ふらいぱんじいさん」。外の世界に旅に出たじいさんを待っていたのは、たくさんの冒険! ジャングルでヒョウに会ったり、海で嵐に遭ったり……。様々な場所での困難やいろんな出会いを経て、ふらいぱんじいさんは新しい自分の居場所を見つけることができるのでしょうか?
次々に起こる展開に、夢中で読み進めてしまうこと間違いなし。心温まるラストに元気がもらえるのも人気の理由ですね。
・『ふらいぱんじいさん』みんなの声 ご紹介!
童話の入り口
(プリチョーさん 30代 ママ )
ちょっと、読み聞かせには長いかなぁ~なんて思いながら読み進めていくと、全然そんな事ありませんでした。
息子も、飽きることなくノンストップで聞いていました。
フライパンじいさんの楽しい冒険に、どんどん引き込まれていって、途中で、いじわるして「今日は、ここまでね」と言うと、
「ダメダメ、いじわる言わんといて、もっと読んで~」
こんな感じであっという間に読み終わってしまいました。
居場所はある
(あんじゅじゅさん 40代 )
小さい頃、大好きな本でした。なつかしくなって、何十年ぶりかに読んでみました。あー、やっぱりおもしろかった。ちっとも古びないお話です。
子どものころは、旅のおもしろさと、あざやかな色で描かれた絵が好きでした。が、大人になった今は、それだけではありませんでした。
大人になった今だからこそ、年を重ね、ふらいぱんじいさんに近づいてきたからこそ、胸にしみこんできました。なので、ラストは小さい頃より感動してしまいました。
絵本から読み物への橋渡しとなる幼年童話。絵がたくさん入って、字が大きくて読みやすい、子どもたちが「あー、面白かった」と読み終えられる楽しいお話お話が揃っています。大人も読み直したい懐かしい作品も。ぜひ親子で手に取って、「次はどれにしようかな」と楽しく選んでみてくださいね。
あかね書房 70周年フェア
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