非認知能力を鍛える遊びのアイデア10選!必要性や子どもの教育のポイントも紹介
非認知能力は幼少期から育てることで、より伸びやすいと言われています。子どもの非認知能力の育て方や、教育のポイントについて知りたい方は多いのではないでしょうか。
本記事では、非認知能力を育成する必要性や教育のポイント、子どもの非認知能力を鍛える遊びのアイデア10選を紹介します。子どもの非認知能力を伸ばす方法を知りたい方は参考にしてください。
非認知能力とは?
非認知能力は考え方や取り組み方、行動のように日々の生活に大きく影響する能力のことです。4~5歳頃に大きく成長する能力で、非認知能力を伸ばす教育を幼少期から取り入れると、より能力の発達につながると言われています。
非認知能力は、おもに下記の3つの要素から構成されています。
・自分の目標を決めて、目標を達成するために諦めずに取り組む
・目標達成のための方法を考え、工夫する
・周りの友達と協力して、同じ目標を達成する
認知能力と非認知能力の違い
認知能力とは、学力やIQのような知的能力のことです。一方、非認知能力は考え方ややり抜く力、周りを見る力、コミュニケーション能力のような、数値では表せない能力を指します。
知的能力と非認知能力は、互いに作用し合って成長するため、どちらの能力もバランス良く伸ばしていくことが大切だといわれています。
非認知能力の育成の必要性
非認知能力は、大人になっても豊かに過ごすために必要な能力として、幼児教育でも重要視されています。
また、文部科学省の「幼稚園教育要領解説」では「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として下記の10項目を挙げています。
1.健康な心と体
2.自立心
3.協同性
4.道徳性・規範意識の芽生え
5.社会生活との関わり
6.思考力の芽生え
7.自然との関わり・生命尊重
8.数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
9.言葉による伝え合い
10.豊かな感性と表現
大人になってこれらの非認知能力が備わっていると、社会的にも経済的にも自立するという研究結果があり、就学前に発達しやすい能力であることから幼児期で育ってほしい姿とされています。
子どもの非認知能力を鍛える際のポイント
子どもの非認知能力を鍛えるためには、ありのままの子どもの姿を認めて受け入れることが大切です。以下で詳しく解説しているので、子どもの非認知能力を鍛える際の参考にしてください。
子どもの好奇心や関心を尊重する
子どもの能力を伸ばすために、大人は遊びや勉強の内容を指示したくなるかもしれませんが、子どもが興味を持ち、楽しいと思える内容であることが大切です。
子どもが「やってみたい」と意欲を持って物ごとに取り組むと、さらなる意欲につながり、想像力や探求心のような非認知能力を育てます。子どもが意欲的に物ごとに取り組んでいるときは自主性を尊重してなるべく見守り、物ごとをすすめるなかで困っている場合にサポートする程度にしましょう。
自己選択させるようにする
上記の内容に通じるものもありますが、子どもが「やってみたい」と思ったことは否定せず、受け止めることが大切です。
また、遊びを選ぶときも大人が「こっちにする?」と促すのではなく、子どもに選んでもらいましょう。選択する機会がない場合は、着る服や献立を決める方法もあります。
自分の選択を認めてくれると感じた子どもは自己肯定感が高まり、非認知能力の発達にもつながります。
愛情を注いで自己肯定感を高められるようにする
よい部分も悪い部分もすべてを認めて受け入れてあげる愛情により、子どもは自己肯定感を高め、前向きな考え方ができ、非認知能力の向上につながります。
ただし、受け入れることと甘やかすことは異なるため、時には子どもに対して注意する場面もあるでしょう。その場合には子どもの自己肯定感を低下させないような注意の方法が大切です。
感情的にならず「○○が悪かったけど、どうしたらよかったのか」と子どもの存在を否定せず伝えましょう。どうしたらよいのかを子どもに考えさせることも、問題解決能力の発達に役立ちます。
子どもが安心できる環境を作る
子どもは親が自分を認めてくれていると感じ、何かあれば味方になってくれると思えると、安心してさまざまなことに挑戦できます。「自分は挑戦しても大丈夫」と感じられることは、非認知能力を育むうえで大切なことです。
たとえば、「おはよう」や「おやすみ」、「いってらっしゃい」や「おかえり」などの簡単な挨拶でも、子どもに安心感を与えることにつながります。子どもへの愛情を言葉に出して伝えるとともに、安心安全に遊べる環境も整えましょう。
他人と交流する機会を積極的に作る
非認知能力は自分のなかに備わっている力と、他者と関わることで伸びる能力に分けることができます。非認知能力のなかでも、他者との関わり合いで学ぶ社会的な能力は、より大切と言われています。
幼児期は家族や友達との関わりでルールや思いやり、一緒にやり遂げる喜び、協調性を学びます。また、家庭での手伝いも社会的な能力を育てるために必要なことです。
子どもの非認知能力を鍛える遊びのアイデア10選
子どもは日々の生活の中心である遊びを通して非認知能力を鍛えます。非認知能力を鍛えるためには、熱中できる時間やのびのびと遊べる環境を作り、自主的に取り組めるよう促すことがポイントです。
子どもの非認知能力を鍛えるための遊びのアイデアを10選紹介します。
共通点探しゲーム
共通点探しは、物事の共通点を大きなまとまりで考える「抽象的思考」を養います。
まずは「りんごとバナナ」のように「果物」という共通点が見つかりやすいものから始めます。徐々に「テレビとボールペン」のような、一見共通点が無さそうですが「固い、黒いものが多い」のようにじっくり考えて共通点を見つけるような内容にしていきましょう。
大人が共通点を考えていないものを無作為に選んで提示してみるのも、新たな発見につながり、楽しみながら抽象的思考能力を育てられます。
おもちゃ遊び
おもちゃ遊びは、積み木やブロックのように自分で組み立てたり作りかえたりしながら、形を変えられるものがよいでしょう。
自分で考えながら遊べるおもちゃは、創造力や集中力、観察力、工夫する力を養います。積み木やブロック以外にも、パズルや粘土、音の出るおもちゃなどもおすすめです。
また、下記のような絵本もぜひ活用してみましょう。
100かいだてのいえ
100階だての家の最上階にすむだれかから、遊びにきてね、と手紙をもらったトチくん。地図を見ながら歩いていくと、高い建物があらわれました。上のほうはかすんでよく見えません。いろいろな動物がすむ100階だての家の探検がはじまります!
お絵描き
お絵描きは子どもの考えを表現する力や工夫する力を養います。絵のテーマは子どもが決めて、自由に描くことが大切です。また、塗り絵ノートなどで自由に色を塗ってもらうのもよいでしょう。
紙の素材や、鉛筆やクレヨンのように道具を変えると、お絵描きの幅が広がります。
ごっこ遊び
ごっこ遊びは想像力や表現力、コミュニケーション能力を養い、非認知能力を鍛えます。おままごとのようなごっこ遊びができるのは、日々家庭での過ごし方をしっかり観察している証です。観察したことを真似るには、表現する力やミュニケーション能力を必要とします。また想像の世界を広げて表現すると、さらなる能力の発達につながります。
ごっこ遊びの内容を子どもに決めてもらい大人も一緒に遊ぶと、子どもはより楽しめるでしょう。
水遊び
水遊びでもとくに外での水遊びは、五感や好奇心を刺激します。ただの水たまりがあったとしても、水を容器に入れて遊ぶ、水の温度を楽しむ、水を流す場所を探す、土と合わせて泥遊びをするなど、多くの遊びに発展します。
日々変化する自然との遊びは自分の思い通りにはいかず、創造力や応用力が必要です。水遊び以外にも、散歩や虫取りなどの自然と触れ合う遊びもおすすめです。
ボール遊び
ボール遊びは、ボールでの遊び方を考える想像力、複数人で遊ぶときにはコミュニケーション能力や協調性も養えます。
一人で遊ぶ場合はボールを投げてキャッチする、ドリブルをする、蹴るなどの遊び方があります。複数で遊ぶ場合は一緒に持って走る、サッカー、ドッジボールのように、遊びの幅が広く、おすすめの遊びです。
製作遊び
工作などの製作遊びは、何を作るか考える想像力や、想像したものを作り上げる創造力が養われます。友達や家族との製作遊びでは、コミュニケーション能力も学べるでしょう。
子どもの自由にさせてあげると、より非認知能力の発達につながります。新たに材料を用意する必要はなく、家にあるペーパーの芯や空き箱、ペットボトルなどを使って製作遊びを取り入れてはいかがでしょうか。
料理・お菓子作り
料理やお菓子作りでは、どのように進めると効率良く作れるのか、この道具はどのように使うのかなど、考える力が発達します。また、手順を考えることはプログラミング的思考を養うことにもつながります。
最初から包丁や火を使う料理はハードルが高い場合もあるため、野菜をちぎってサラダを作るなど、簡単な内容から始めるのがおすすめです。
絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせは、絵本の世界を自分で考える想像力が養われます。親子で「次はどうなるかな」などとコミュニケーションを図りながら絵本を読むと、想像したことを表現する力も身につきます。
また、共感力や倫理観も養われるため、以下の絵本も参考に読み聞かせを取り入れてはいかがでしょうか。
14ひきのあさごはん
もりのあさ。のいちごつんで、どんぐりのこなでパンづくり。きのこのスープもできた。みんなでつくった、あさごはん。14ひきのあたらしい一日のはじまり。
読書
子どもの頃から読書をしていると、非認知能力が高い傾向にあるとされています。
まずは幼児期からも取り入れやすい絵本を参考に、読書を取り入れてはいかがでしょうか。
どんなにきみがすきだかあててごらん
チビウサギはうでをい~っぱいひろげ デカウサギにいった。
「きみのこと こんくらい すきだよ」
するとデカウサギは・・・・!?
こんにちは!わたしのえ
おもいきって ぐっちょん! まっしろの紙に筆をおろすと、色が生まれる。立ち上がって、筆をふりまわして、手や足にも絵の具をぬって体ぜんぶで色をぬって。描くことの喜びに目覚める瞬間をみずみずしく描く。「ずういいいいいいい」「ぽたぽた」「ぺったん」など擬音語も楽しい。絵を描くことの楽しさがつまった絵本。
遊びを通して子ども非認知能力を鍛えよう
非認知能力とは、数値では表せない、創造力や表現力、協調性、コミュニケーション能力など、社会活動に必要とされる重要な能力のことです。
非認知能力は、幼児期に成長しやすいといわれています。子どもの非認知能力を鍛えたい場合は、幼児教育の一環として遊びを通して育んでいくと効果的です。
非認知能力を鍛える遊びを取り入れる場合は安全面に配慮しながらも、子どもが主体性を持って遊べるようにそばで見守り、ときには一緒に楽しんでみてください。お子さんが夢中になって楽しめる遊びを通して、できる範囲で非認知能力を鍛えていきましょう。
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