小学1年生、2年生の間に読んでおきたい名作30選!読書が苦手な子にもオススメの作品は?

絵本の読み聞かせは好きだったはずなのに、小学生になって気づいたらいつの間にか読書から遠ざかっている……小学生の読書における悩みのひとつでしょうか。
子どもたちにたくさん本を読んでほしい、できれば名作を読んでほしい、と願っている親御さんは多いかと思います。しかし、子どもが本に親しみ、本と仲良くなるためには、大人はどんな働きかけをして、どんな本を手渡したら良いのでしょうか。
子どもたちが本を好きになるには、まず、何よりも「本って面白い!」と自分で感じる体験をすることが大切です。まずは読み継がれている名作の中から、子どもたちの興味に合わせて、本を手渡してみませんか。
こちらの記事では、次の条件をもとに、小学1、2年生の子どもたちが楽しく読める名作を集めてみました。
子どもたちに手渡したい名作のポイント
- 今の子どもたちにも通じる普遍的なテーマが主題となっているもの
- 美しい日本語で書かれて(訳されて)いるもの
- 最初の発表から20年以上読みつがれている作品(名作の中には、何度か改版して、発売日が新しくなっていることがあるのですが、ここでは最初にそのお話が発表された年から数えたいと思います)
それではおすすめの名作を紹介していきます。おすすめ作品のご紹介のあとにお子さんへの手渡し方のポイントや、直近3年間の名作人気ランキング(小学1、2年生向け)もお伝えしますので、参考にしてみて下さいね。
- 2025.03.18【保存版】6歳の子ども向けおすすめ本~絵本から児童書まで~
子どもたちが楽しく読める名作(小学校低学年編)
小学1年生、2年生でもひとりで読める名作
まず最初に、内容はしっかりしていながらも、文が少なく、ひとりでも読める名作を集めました。名作の中でも易しく読めるので、本を読むのにあまり慣れていなかったり、なかなか読書に向かえないという場合には、こちらから手渡してみることをおすすめします。けれども初めて読む時には、一緒に読んであげて下さいね。実際に子どもたちと読んだ方の声と合わせてご紹介します。
おおきな きが ほしい(ひとり読みにチャレンジしたい名作)
すっごい良い本だ!!
5歳の息子に読みました。
息子は、夢中で聞いていて、数日後にまた読んで欲しいと言ってきました。
息子の様子から、この本に衝撃を受け、
想像を膨らませている様子がありありとわかりました。
私自身、子供のころに読んでもらったのだと思います。
読み聞かせをしている途中で、
自分の中に「標準」として存在する「大きな木&ツリーハウス」が
この本に由来していることを発見して驚きました。
息子は「僕も大きな木がほしいなぁ~」と何度も繰り返し、
次に読んでもらった時には、自分の妹はまだ0歳だから、
「カゴでも危ないかなぁ・・・」と真剣に悩んでいました。
私にとってもそうですが、息子にとっても、
この本は大切な本になり、影響を与えてくれる本になることと思います。
まだ、読んでいない方、ぜひ読んで見てください。
(ナオミDA45さん 30代・ママ 男の子5歳、女の子0歳)
ぼくはめいたんてい(1) きえた犬のえ(新装版)(ひとり読みにチャレンジしたい名作)
推理の楽しさ。
読み聞かせにもいいですが、こういう推理本は
小学校低学年なら自分で読む初めての本にぴったりだとおもいます。
息子がまさにそれで、今までは読んで読んでと
もってきたのに、この本に限っては自分から読み始めました。
読み始めると、こちらが話しかけても聞こえないほど、
集中して、なんと、2冊一気に読んでいました。
こどもがどの程度、正確に読めているかなんてわかりませんが、
間違いなく、自分で読む楽しさを発見できたようです。
少し、いえ、かなり寂しいです。
このシリーズは6巻まであるようなので、
また全部読んでみたいと言っていましたよ。
(ラズベリーテッドさん 30代・ママ 男の子6歳、女の子4歳、男の子2歳)
ひとりで読める! こちらもおすすめ
思いっきりワクワクしたい子には、冒険の名作を
たんたのたんけん(ひとり読みにチャレンジしたい名作)
すごく気に入ったようです!
お誕生日に誰かから地図をもらったたんた。
さっそく地図を片手に探検へ出かけます。
探検の準備から、なぜかずっとついてくるひょうの子・・・。
さて、探検の行き先は・・・?
最初から最後まで、ずっと熱中して聞いていました。
地図に興味を示し、たんたの後ろから来るひょうの子に興味を示し・・・。
最後まで、面白くて、楽しい話でした。
結構、長い話ですが、何度も何度も「読んで」と持ってきます。
きっと、たんたと一緒に探検をしている気分になるのではないでしょうか?
偶然、手に取った本でしたが、本当に、子供は大喜びでした。
(れんげKさん 30代・ママ 男の子5歳)
エルマーのぼうけん(親が読んであげたい名作)
冒険のお話にワクワク!
エルマーのぼうけんが、小学2年生の教科書に紹介されているのをみて、この本知ってる!と興味を持ったので、夜に1章くらいずつ読み聞かせをしました。絵本や図鑑はよく読む息子ですが、字の多い物語は、「かいけつゾロリ」のシリーズ以降あまり、読もうとしなかったので、興味を持ってほしいなと思っていました。
読み進めると、冒険のお話で、エルマーの行動にドキドキワクワクしているようで、目を輝かせて聞いていました。結局、後半は自分で読んでいました。
エルマーは数々の動物たちとの接触のたびに窮地に追いやられますが、もっている道具などで上手に困難を乗り越えていきます。本当にすごい少年です。冒険ものが大好きな子にお勧めだと思います。
(お豆腐さん 30代・ママ 男の子8歳)
こちらもおすすめ!冒険のおはなし
動物好きの子には、こちらの名作を
番ねずみのヤカちゃん(親が読んであげたい名作)
声に出して読みたい本!
7歳と11歳の子どもに読みました。
子ねずみのヤカちゃんは天真爛漫というか、空気読めないというか.....
人間の家でひっそりと暮らしていくために大事なことの一つ、大きな声を出してはいけないという注意をことごとく守れず、お話を聴いている子どもたちの笑いを、心をとらえていきます。
ねずみとりが仕掛けられたり、猫が出てきたり、泥棒が...そのたびに子どもはドキドキするようで、思わず声がでてしまうようでした。
ヤカちゃんの台詞は大げさなくらい大きく、天真爛漫に読みました。
その台詞の度に子どもは大笑い。
ヤカちゃんのお母さんが歌ってくれた歌を創作して歌うのも、なかなか楽しいものでした。(ちなみに私は子守唄風になりました)
小2のクラスでも読み聞かせをしましたが、長い話にもかかわらず子どもたちの集中力は最後まで続き、何度も笑いが起こりました。
(メレカリキマカさん 40代・ママ 男の子11歳、女の子7歳)
ながいながいペンギンの話(親が読んであげたい名作)
小学生の頃読んで
子供なら、非常に自分と重ねあわせやすいのではないでしょうか。実際自分がペンギンになって南極で生活しているかのような疑似体験が出来そうなお話です。
また易しい言葉で書かれていながら、南極でのペンギンの生態が細かな所をしっかり支えており、ペンギンが岩の上で固まって同じような動きをしているのをテレビで見かけたりするのはこういうことをやっている時なのかなぁなど想像の膨らむ、彼らを身近に感じられる内容でした。かなり下調べされていると思います。
また同作者の、映画にもなった『北極のミーシカミーシカ』は 北極での白くまの双子の成長物語です。
どちらかというとこのペンギンの方が読みやすく感じたのですが、ムーシカミーシカも相当に有名で、子供の頃読んだ記憶も甦る名作です。何十年も再読を願っていたタイトルでした。
(てぃんくてぃんくさん 40代・せんせい 女の子12歳)
感受性が豊かになる、子どもたちの共感をよぶ名作
大きい1年生と小さな2年生(親が読んであげたい名作)
不朽の名作
体は大きいけれど、臆病で泣き虫のまさや、体は小さいけれど、活発でしっかり者のあきよの友情、そしてまさやの冒険と成長の物語です。
30年近く前、私の本棚に入っていて何度も何度も読み返した本です。当時は、まさや目線で読んでいましたので、それはもう「ハラハラドキドキワクワク」の連続で、冒険を終えた後の達成感的なものを感じていました。本の最初に描かれた地図を何度も開いて、まさやの辿った道を確認し、情景を思い浮かべるのが楽しかった!そして、実物のホタルブクロってどんな花なんだろうと、想像をめぐらせたり、植物図鑑を開いてみたりしたものです。
今、大人になり、娘に読み聞かせながら大人目線でこの物語を読み進めていくと、なんて子供の気持ちに寄り添った、優しいまなざしの向けられた本なのだろうと、新たな感動をもらっています。子供って、こうやって、一人一人が大なり小なり様々な冒険を体験して、少しずつ強くなり、人との関わりを学び、成長し、自立していくものなんだな、とじみじみと考えさせられました。
読み聞かせたはじめは、レトロな雰囲気と少し難しい文章に娘はあまり乗り気ではなかったのですが、物語が進むにつれ、グイグイと引き込まれたようで、「はい、今日はここまで」と言って本を閉じるとブーイングが出るほどになりました。
多少、時代が古いと感じる箇所が出てきますが、それはそれで味のあるもの。中山正美さんの、デッサン力抜群なのにさりげない挿絵も素敵です。
この本はまさに不朽の名作の一つ。これからも多くの子供たちに読み継いでいってほしいなと思います。
(いちがつにがつさん 30代・ママ 女の子7歳、男の子4歳)
モモちゃんとアカネちゃんの本(1)ちいさいモモちゃん(親が読んであげたい名作)
子どもの頃に読みました。
いつ息子に読んだらいいものかと思っていたら、ちょうど国語のプリントに出てきて「読んで」と言われました。
子どもの頃はモモちゃんの視点で読んでいましたが、今は親の視点で読んでしまいます。
所々、ああこんなことがあったと懐かしく読みました。
息子が笑っていたのは、モモちゃんが水ぼうそうになり、キュウリのいぼいぼを見て、キュウリが水ぼうそうになっていると言ったところです。
大人は「大きくなったわね」と「まだ小さい」というのを巧みに使い分けますが、子どもはそんな大人の都合をよく見ているものだなあと思いました。
懐かしい子どもの頃の本を息子と一緒に読めてよかったです。
シリーズもありますし、これから子どもと一緒に読み進めていけたらいいなあと思います。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子8歳)
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ぞうのたまごのたまごやき(親が読んであげたい名作)
王さまシリーズ大好き
5歳の長男が絵本より少し長めの童話を好むようになったので読みました。王さまシリーズは絵本タイプや読み物タイプなど色々な形で出版されています。
このシリーズはどの巻も150ページくらいずつの構成になっており、この巻には、「ぞうのたまごのたまごやき」、「しゃぼんだまのくびかざり」、「ウソとホントの宝石ばこ」の3話が含まれています。
話は字も大きめで、最初に自分で読むのに挑戦するのにぴったりだと思います。私は読み聞かせたので結構大変でした。
(さみはさみさん 30代・ママ 男の子5歳、男の子1歳)
ももいろのきりん(親が読んであげたい名作)
少しずつゆっくり読んでいます
絵本だけでなく、児童書の長いお話も興味を持ち始めた5歳の次女と一緒に読んでいます。毎夜、20ページずつくらい、区切りのよいところまで少しずつ読むことにしました。娘は、もうちょっと先までと言うのですが、ワクワク楽しいお話を長く味わいたいと思ったので、あえてゆっくり読んでいます。
娘は、お話の続きがききたくて、夜寝る前にこの絵本を読む時間を楽しみにしてくれるようになりました。わたしも嬉しいです。
紙で作ったももいろのきりん「キリカ」と、るるこちゃんのやり取りが、かわいくてかわいくて。終始ももいろで描かれた、やさしいイラストも素敵です。娘はキリカが干されている洗濯バサミの数を数えたしながら、本当に楽しそうにお話をきいています。
児童書を読みはじめの5、6歳の子に読んであげるのに、ピッタリの本だと思います。小学生なら一人で読めます。2年生の長女は、一気に読み終えて、「あー面白かった!」と言っていました。
(クッチーナママさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子5歳、男の子3歳)
こちらもおすすめ!想像力を育くむおはなし
小学1年生、2年生への名作の手渡し方
小学1年生、2年生に名作を手渡す時には、その本の登場人物やあらすじなどをあらかじめ簡単に伝えたり、親御さんのその本に対する思い入れやメッセージなどをつけ加えて手渡すと、ぐっとお子さんの興味が増すでしょう。
その他のポイントとしては……

名作に興味を持たせるためのポイント!
- 名作は、文章が長めの作品が多いので、小1、小2のお子さんがひとりで読むにはハードルが高いです。できるだけはじめは大人が読んであげることをおすすめします。
- 名作は、長く読み継がれている本がほとんどですので、もし親御さんご自身が子どもの頃に読んでいて、お気に入りだった、ここが面白かった、この場面が強く残っているなど、とっておきのエピソードがあったら、読む前にぜひお子さんに伝えてあげて下さい。お父さんお母さんも子どもの頃に読んでいた、と伝えると、お子さんの興味がぐんと湧くでしょう。
- どんなお話が好きそうか、興味を持ちそうか、あらかじめ観察した上で、その子に合ったお話を手渡すのがおすすめです。方法としては、何冊か候補として選んだ本を見せながら、1冊1冊、簡単な説明で良いので、どんな子(動物)が出てきて、どんなことをするお話かなどを伝えて、お子さんが1番興味を示した本を手渡すと失敗が少ないでしょう。
また、本を選ぶこと、本を読むことの両面において、小学生にはまだまだ大人のサポートが必要であること、小学生の読書を豊かにしていくために大人ができるサポートについてまとめた、下記の記事もご参考にどうぞ。

小学1年生、2年生におすすめの名作、人気ランキング
最後に、小学1年生、2年生におすすめの名作、人気ランキングベスト20作品をご紹介します。本を選ぶ時の参考になさってみてくださいね。
(2020年11月から2023年11月まで直近3年間の絵本ナビ売上ランキングより調査)
※こちらのランキングには、刊行からまだ20年たっていない新しめの作品も含ませていただきました。
小学1年生、2年生におすすめの名作、人気ランキングベスト20
いかがでしたか?
小学1年、2年生向けの名作には、大人が読んでもぐっとくるお話がたくさんあります。ぜひ親子で一緒に名作の世界を楽しんでみませんか。親子で一緒に楽しむその読書体験の積み重ねが、子どもたちが本に親しみ、本を好きになっていくことでしょう。
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秋山朋恵(あきやま ともえ)
絵本ナビ 副編集長・児童書主担当
書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。
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