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小学生の読書感想文におすすめの本

小学生の読書感想文におすすめの本ベスト100冊! 小学1年生から6年生まで

長期休暇の宿題の定番である読書感想文。今年は何を読む? 課題図書の中から選ぶのも良いけれど、課題図書以外で選んでみたい、という小学生の皆さんに向けて、読みやすくて書きやすい! 読書感想文におすすめの本100冊(+α)を学年別にご紹介します。登場人物の気持ちに共感できるか、ストーリーが面白いか、心に深く残るものがあるかという点に注目して選んだとっておきの100冊。ロングセラー作品から2025年前半の新刊までをピックアップしています。

 

読書感想文向けの本として参考にしていただきながらも、小学校時代に出会ってほしい本としても自信をもっておすすめします。年間を通して、何を読もうか迷った時にはぜひ手にとってみてください。

 

※対象学年は目安ですので、それぞれの読めるレベルに合わせて、前後の対象学年の作品も候補として見てみて下さいね。

小学1年生(低学年)の読書感想文におすすめの本

「おくりもの」について考えるきっかけに
一さつのおくりもの

みどころ

クマタは、『かいがらのおくりもの』という絵本が大好きでした。毎日毎日声に出して文を読み、 ゆっくり絵をながめ、うなずきながらページをめくります。絵本の中には、主人公のキツネの子が、仲良しのリスの子に、1番気に入っている貝がらを、悩んだ末にあげる場面が出てきます。クマタはキツネの子に、「キツネちゃん。きみは、えらいね。ぼくだったら、いくらなかよしでも、いちばんすきなものを あげたりはできないよ。」と話しかけます。

しかし、そんなクマタに、絵本と同じような場面が訪れます。3日3晩大雨が降り続いて山のむこうのふかみどり村が水びだしになり、大人たちが手伝いに行くのを見て、クマタのともだちが「ぼくたちの本もおくろう」とつぎつぎに自分の本を持ってきたのです。もちろんクマタも自分の絵本の中から1冊を選ぶことにします。けれど、汚れや傷がない本は大好きな『かいがらのおくりもの』だけ。そこでクマタは、クマタにとってとても大きな決断をします。

誰かにおくりものをする時、何をあげようか、どんなものが喜ばれるかなどいろいろ悩みますよね。しかもクマタのように自分が大切にしているものを手渡す場面に出くわしたら、どんな選択をすることが正しいのでしょう? クマタは大雨の被害で困っているまだ知らない相手に対して、汚れのある本をおくるなんてとてもできない、と考えます。クマタにとっても大切な本をおくったからこそ、その思いがまっすぐ相手に届き、代わりに思いがけない喜びがクマタに届いたのでしょう。

小学1年生ぐらいからひとりでも読める易しい幼年童話。親子でおくりものについて話しながら読んでみませんか。大人でもじんわり考えさせられるものがありそうです。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

「あなたのみかた」ってどういうこと!?
まほうのじどうはんばいき

読売童話コンテスト優秀賞受賞!
魔法のような自動販売機に出会った少年の成長ストーリー

こうへいが見つけた変わった自動販売機。ボタンを押すと、そのとき必要なものが何でも出てくる。しだいに販売機に頼っていくこうへいを心配したお母さんが、ボタンを押したことで、突然販売機が姿を消してしまった!

実話を元にした、名前にまつわる温かなお話

きみのなまえ

近所の林で見かけた栗毛の野良犬のことが、たくとは気になっていました。家で保護しようと、お母さんと一緒に貼り紙をして連絡を待っていると、ある日、保健所に連れていかれたという目撃情報が入り……。物語の後半、孤独だとばかり思っていたその犬の意外な事実が判明して、たくととお母さんは喜びで胸がいっぱいになります。実話を元にした感動の物語。

小学2年生(低学年)の読書感想文におすすめの本

本の読み方は人それぞれ。本を読むことの楽しさと、誰かと本の話をすることの楽しさが伝わる一冊。

ふたりはとっても本がすき!

チーターのチッタちゃんとカバのヒッポくんは、本が大好き。でも、読み方がちょっと違います。はやく、たくさん読むチッタちゃんと、ゆっくりじっくり読むヒッポくん。正反対のふたりが本を通して友情を深める物語。

しっぱいしても大丈夫! 読むと元気が出るお話です
しっぱいにかんぱい!

みどころ

表紙には、リレーのバトンを持って走る女の子。運動会でしょうか。タイトルが『しっぱいにかんぱい!』ですから、何か嫌な予感が…?

「おねえちゃんは、けさも牛乳をのんだだけでした。そのまんま口もきかずに自分の部屋へ、ひっこんでいってしまいました」
という始まりの文から、予想通り?何かショックな出来事がおねえちゃんの身に起こったことがうかがえます。ゆうべから何も食べていない、というおねえちゃん。このおねえちゃんこと6年生の加奈は、前日の運動会のリレーで失敗をしてしまったのです。落ち込んだ加奈には、おとうさんやおかあさんの慰めの言葉も全く届きません。弟の達也は心配でおろおろするばかりです。そこに、おじいちゃんから1本の電話が入ります。おじいちゃんにお昼によばれて集まったのは、親戚のおじさん、おばさんと、いとこの洋とまなみ。ふとしたきっかけからみんなのしっぱい話が始まります。
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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

「友だちって、親友ってなんだろう?」という問いをネコの学校の物語を通して考えるお話

2番めにすき

みどころ

主人公のナッチは白と黒のぶちネコ。ネコの学校に通っています。ナッチには3匹の大切な友だちがいます。茶と白と黒の三毛猫、ミケ。トラのようなしまもようのあるマツゾウ。白とグレーのふわっふわのネコ、シオンです。

ある日、ナッチのクラスに転校生が来ました。名前はプリシラ。オレンジ色の長い毛が美しくて、女王様みたいです。プリシラはベストフレンドが欲しいと言い出します。ベストフレンドとは、親友のこと。いちばん仲良しのお友だちです。ナッチは他の友だちよりも特別な存在であるベストフレンドになりたいと思いますが、プリシラが選んだのは、自分ではなくミケで……。

『チームふたり』に始まる「チーム」シリーズ(Gakken)など、多くの児童向け作品をヒットさせてきた吉野万理子さん。本作では、ネコの学校を舞台に、友情をテーマにした物語を展開します。

注目すべきは、見開きページすべてにカラーで添えられている、優しいタッチのイラスト画。『うちのねこ』(アリス館)や『あら、そんなの!』(偕成社)など、ネコを題材にした作品を多く手がける高橋和枝さんが、それぞれに性格の違う5匹のネコたちを、個性豊かに描いています。自由気ままなしぐさや表情からは、ほのかにユーモアが漂い、ほのぼのとした明るい雰囲気を醸し出しています。

「ベストフレンド」や「2番めにすき」という言葉に振り回されながらも、自分らしい行動を思い出すナッチ。いろんな思いを経て、成長していくのですね。ラストにはプリシラが親友にこだわる理由も分かります。もし、お友だちとの関係に悩んでいる子がいたら、そっと手渡したいそんな一冊です。

(出合聡美  絵本ナビライター)

小学3年生(中学年)の読書感想文におすすめの本

さかあがりが出来るようになるヒントは友情の中に。ひと夏のまぶしい体験が詰まっています。

空をけっとばせ

毎日ゲームばかりの悠斗は二学期に体育でやるさかあがりを夏休み中に出来るようになるため秘密の特訓中。そんな帰り道、偶然ばったり出会った同じクラスの時生君の家へ遊びに行くと、そこは一面のすいか畑だった。時生くんは筋肉モリモリで運動も得意。時生くんもまた、サッカーチームにはいることを母親に許してもらうためにリフティングを10回連続で続けられるよう密かに努力していて……。(小学3年生漢字以上すべてにルビ)

「しゅくだい」を忘れても怒られない方法とは!?
先生、しゅくだいわすれました

しゅくだいをわすれたゆうすけ。しどろもどろに口からでまかせのウソでいいわけをしていると、えりこ先生が「だめだなあ、ウソをつくならもっと上手につかなくちゃ」「え?」「すぐばれるようなのはだめよ。それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」「楽しくなる?」「そう。聞いた人がウソとわかっても、はははってわらっちゃうようなのじゃなきゃ」「じゃあ、上手にウソがつけたら、しゅくだいやってなくてもしかられないってこと?」「そうねえ。だって、だまされちゃったらしかたないし」といって、えりこ先生はにやっとわらった。…次の日から子どもたちはしゅくだいができなかったわけを考えてきて発表することに…。

どんな状況にあっても決してあきらめない勇敢なウォートンに心が打たれます
新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル

みどころ

長い間、小学校国語の教科書にも取り上げられているこちらのお話。大人の方にはあっと懐かしく感じられた方も多いのではないでしょうか?1982年に日本で初めて刊行された後、2008年に訳を新たに装丁も大きく変わり、さらに読みやすく手にとりやすくなりました。

土の中で暮らしているヒキガエルのきょうだい、ウォートンとモートン。ある日ウォートンはモートンが作った美味しい砂糖菓子をおばさんに届けるため、寒い雪道をスキーで出かけます。しかし途中で足をケガして、たちの悪いミミズクにつかまってしまうのでした。ミミズクは6日後の自分の誕生日の特別なごちそうとして、ウォートンを食べるといいます。けれどもウォートンとミミズクは毎晩、お茶を飲んでたくさんおしゃべりをするように。もしかしたらミミズクの気が変わるかも?と淡い期待を持つウォートンとともに読者である私たちもウォートンがどうか食べられませんように、と祈らずにはいられません。そうするうちにもミミズクは、カレンダーの日付を1日1日「×」で消していき、誕生日はどんどん近づいて…。果たしてウォートンは食べられてしまうのでしょうか?
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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

小学4年生(中学年)の読書感想文におすすめの本

子どもたちの笑いと大きな共感をよび、話題となった一冊!
かあちゃん取扱説明書

ぼくんちで、一番いばっているのはかあちゃんです。今朝も朝からガミガミうるさくって、ぼくはハラがたちました。かあちゃんにいいたいのは、何日も同じごはんをつくらないでほしいです。さいごに、かあちゃんはすぐ「早く」っていうけれど、ぼくが「早く」っていうとおこるのは、やめてほしいと思います。
……ぼくの作文を読んだ父ちゃんは大笑いして「かあちゃんはほめるときげんがよくなるんだ。とにかくほめること。パソコンもビデオも扱い方をまちがえると動かないだろ、それと同じさ」
扱い方! そうか、扱い方さえまちがえなければ、かあちゃんなんてちょちょいのちょいだ!
哲哉はこうして、かあちゃん取扱説明書を書きはじめたのだが…。

もし、自分にそっくりの分身があらわれたらどうする?

AIロボット、ひと月貸します!

みどころ

もし、自分にそっくりの分身があらわれたら?

小学四年生の岡本栄太は、家族で出かけた未来科学研究所開催のイベント『未来科学ランド』で、来場十万人目のお客さまに選ばれます。館内でさまざまな優遇を受けた後、所長さんから小さな白い箱を渡されます。中には最新のAIロボットが入っていて、ひと月だけ貸してくれるというのです。ただし、親にはもちろん他のだれにも言っちゃだめという約束つきです。

家に帰って箱を開けてみると、小さなカップラーメンの容器みたいなものと、リモコンつきのイヤホン、説明書のような紙きれが入っていました。そこには「AI(人口知能)搭載 あなたの分身ロボットを作ろう」と書いてあります。説明に従って作業を進めると、カップから中身が飛び出てきてふくれだし、みるみるうちに栄太とそっくりに。その翌朝、分身ロボットに名前をつけてと頼まれた栄太は、「エイト」と名前をつけます。

この日から、分身ロボットのエイトが面倒なことを全部やってくれる生活が始まりました。おつかいに宿題、さらにテストの点が悪い時にはかわりにお母さんに怒られてくれます。その間、栄太はゲームをしたり、マンガを読んだり、ごろごろしてすごす。なんて理想的なんでしょう!
ぼくにそっくり。そしてぼくよりも優秀なエイト。そのうち、エイトは代わりに学校にも行ってくれるのですが、いざ休んでみると、やることがなかったり、正体がばれたりしていないか心配で仕方がありません。さらにTVで「人間がロボットに支配される、そんな映画のような時代がやってくるかもしれません」と言っているのを聞いて、栄太は自分を乗っ取られるのではないかとだんだん不安になってきてしまいます。

なにか面倒なことがあった時、もし自分の身代わりがいたらなあ、なんて一度は考えたことがあるでしょうか。でもはじめは良くても、自分がふたりもいたら困ることがいろいろ出てくるかもしれませんね。
はたして栄太とエイトはこの後どうなったのでしょうか。

なによりワクワクさせてくれるのは、カップラーメンの容器で自分の分身を自分で作る場面。材料の中に髪の毛が一本必要というあたりはなんとも本格的です。お話の後半にはいくつかのサプライズもあり、ドキドキしたりじーんとしたり、さまざまな感情と出会わせてくれるでしょう。
また、AIロボットと人間がどう関わっていくのが良いか考えるきっかけにもなるかもしれませんね。

こちらのお話のジャンルはSF(空想科学小説)といって、この本は、第35回福島正実記念SF童話賞大賞を受賞されており、はじめてのSF世界への入口としてもおすすめです。同じようなお話をもっと読みたいと思ったら、同賞を受賞した他の作品を読んでみたり、ロボットが出てくるお話を探してみるといいですよ。小学四年生ぐらいからおすすめしたい作品です。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

感想文に悩んだら、こんな本はいかが?

先生、感想文、書けません!

みどころ

「だって、書けないんだもん。」
「わたしには、感想文、むり!」

夏休みの登校日に、どうどうと訴えているのは、三年生のみずか。
みずかは本が決して嫌いなわけではないのです。夏休みに入ってから、友だちのあかねちゃんと三回も市民図書館に行きました。でもみずかにとって感想文を書ける本がなかったのです。面白くなかったわけではありません。

「おもしろい本を読むと、むねがいっぱいになるの。
ああ、よかったなあ、おもしろかったなあって」

「先生、なんで感想文って書かなくちゃいけないの? わたし、本は読んでるし、ちゃんとおもしろかったよ。ああ、よかったぁだけじゃだめなの?」

ここまで読んで、ああ、わたしと同じ、ぼくと同じ、と共感する小学生がどれほどいることでしょう。みずかちゃんの言葉にそうそう、と強くうなずく子どもたちの顔が目に浮かぶようです。

そんな多くの子どもたちを代表するかのようなみずかの問いかけに、担任のえりか先生はどう答えるのでしょう? さらに、書きたい本が見つからないという悩みに対して、ある作戦を思いついたみずか。友だちのあかねちゃんと協力して遂行していきます。感想文を書く意義だけでなく、お話を想像して作っていく楽しさが伝わってくるところも本書の大きなみどころです。

お話を書かれたのは、児童文学作家の山本悦子さん。学校生活の中で起きる等身大の小学生の悩みや奮闘を描いたお話が特に素敵なのですが、『先生、しゅくだいわすれました』も読書感想文の時期にとても人気があります。こちらはその姉妹編とのことで、楽しい共通点が隠されています。ぜひ2冊を読み比べて探してみて下さいね。また、佐藤真紀子さんによる挿絵は、子どもたちひとりひとりの表情が豊かで元気いっぱい。今にも本から飛び出してきそうなほど生き生きとした子どもたちの姿が、お話をより盛り上げています。

感想文という苦手なものに対して、どう立ち向かい、どう納得していくのか。みずかちゃんの奮闘を通して、読む子どもたちもきっと感じることがさまざまあることでしょう。今年の感想文は、この本を題材にして、感想文についてあらたに知ったことや考えたことなどを書いてみる、というのもいかがでしょうか。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

小学四年生の友情と冒険といのちを謳歌するとびきりの夏休み!

じゅげむの夏

みどころ

「四年生の夏休みを最高の夏休みにしようよ」

待ちにまった夏休み。山あいの村、天神集落で同じ小学校に通う山ちゃん、シューちゃん、かっちゃん、ぼく(あきら)の仲よし四人組は、早速かっちゃんの部屋に集まります。四年生の夏休みを最高の夏休みにしようと言ったのはかっちゃん。そうして四人の冒険の夏が始まります。

その冒険のひとつが天神橋からの川へのとびこみ。天神集落の子どもたちにとって、川へのとびこみは、ちょっと大人へと成長できた気がするような大切な儀式。そのとびこみにかっちゃんが今年の夏、挑戦したいと言います。けれどもぼくたちの気持ちは複雑です。それは、かっちゃんが筋ジストロフィーという病気で、けがや病気をすると、進行が早まってしまうと言われているから。けれどもかっちゃんのどうしてもの願いを聞いてあげたくて、ぼくたちは準備を万端にして見守るのですが……。

慎重なぼく。やんちゃだけれど頼もしい山ちゃん。マイペースなシューちゃん。性格はみんな全然違うけれど、それぞれの方法で、やりたいことをあきらめないかっちゃんの気持ちを汲み取り、全力で手助けしながら一緒に楽しみます。どんな冒険も四人で一緒に挑戦することに意味があるのです。みんなでなんとか頭をひねらせ、できる限りの準備をして一緒に冒険にのぞんでいく友情がまぶしく光ります。

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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

小学5年生(高学年)の読書感想文におすすめの本

びりになった子だけに見える、透き通った小さな男の正体とは!?
びりっかすの神さま

始が転校してきたクラスは、成績順で席が決まります。ところがびりになった人にだけ見える神さまが現われ?

犬を思う少年の気持ちに共感し、心が揺さぶられます
シャイローがきた夏

ある夏の日、11歳の少年マーティは、ビーグルの子犬に出会います。飼い主は嫌われ者のジャド。普段からひどい目にあわされているのか、マーティが近づくと後ずさり、声も出しません。マーティは、ジャドから子犬を守ろうと決意し、「シャイロー」と名付け、家族にも内緒でこっそり世話をしはじめます。しかしシャイローを守るためには、つきたくもない噓をつかなくてはならず、マーティは悩み、考えます。「本当に正しいこと」って何なのだろう?
子犬との出会いをきっかけに、成長していく少年の姿を描いたさわやかな物語。

もし、お気に入りの本が図書室から消えてしまったら!?

貸出禁止の本をすくえ!

ある日、わたしの大好きな本が図書室から消えたのが、このお話のはじまりだった――小学4年生のエイミー・アン・オリンジャーは、放課後に図書室でゆっくり本を読んですごすのが唯一の楽しみ。でもある日、お気に入りの本、『クローディアの秘密』が、図書室の棚から消えていた。この本が、「子どもにふさわしくない本」として、貸出禁止なったのだ。でも、ある本が子どもに「ふさわしい」「ふさわしくない」って、どういうこと? いったい誰が、どうやって決めるの?
――内気で、いつでもいいたいことをいえずにいたエイミー・アンだったが、貸出禁止騒動をきっかけに、友だちの助けを借りながら行動をおこしはじめる。やがて、その行動が大きな問題となってしまい……。

クラスに難民の子が転校してきたら? 身近なところから難民問題について考える一冊

5000キロ逃げてきたアーメット

主人公のクラスに、男の子が転入してきました。ライオンのような瞳を持つ彼は、しゃべらないし、笑わないし、だれとも遊びません。彼がイギリスの学校にやってきたのには、理由があったのです…。難民問題を通してえがかれる、友情と勇気と冒険の物語。

小学6年生(高学年)の読書感想文におすすめの本

もし、あなたの時間が、知らないあいだに盗まれていたとしたら……?
モモ / 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

みどころ

赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人間が平等に持っている24時間。自分の時間を自由に使えるのは当たり前? でも、もし、あなたの時間が、知らないあいだに盗まれていたとしたら……?

どこからともなくやって来て、町の円形劇場の廃墟に住みついたモモ。みすぼらしい服装に、ぼさぼさの巻き毛をした小さな女の子モモは、豊かな想像力と、特別な力を持っていました。モモに話を聞いてもらうと、ふしぎなことに悩みがたちどころに解決してしまうのです。

ある日、町に灰色の男たちが現われてから、すべてが変わりはじめます。「時間貯蓄銀行」からやって来た彼らの目的は、人間の時間を盗むこと。人々は時間を節約するため、せかせかと生活をするようになり、人生を楽しむことを忘れてしまいます。節約した時間は盗まれているとも知らず……。異変に気づいたモモは、みんなに注意をしようとしますが、灰色の男たちに狙われるはめになります。

不気味で恐ろしい灰色の男たちに、たったひとりで立ち向かうモモ。彼女をひとりぼっちにしようとする時間泥棒たちのずるがしこい作戦の数々! いったいどうなっちゃうの? と、予想できない展開にハラハラドキドキ、目が離せません。そんなモモに手を差しのべるのは、時間をつかさどる不思議な老人マイスター・ホラと、ちょっと先の未来を見通せるカメのカシオペイア。彼らとモモとの哲学的なやりとりは、私たちに対する問いかけであり、「時間とは日々の生活であり、その人自身である」という真理を教えてもくれます。そして疲れてしまったモモの心を、温かいもので満たしてくれるのが、黄金色のクロワッサンとホットチョコレート! この最高の組み合わせは絶対に忘れられません。

「モモのところに行ってごらん!」困ったことがあるとき、人々はこう言います。モモは、生きていく上で何が一番大切か、何を守るべきかを知っているのです――友だち、想像力、自由。遊ぶ時、モモと子どもたちは想像力を全開にして驚異の大冒険に乗り出します。その興奮を、みなさんもぜひ一緒に体感してください。「時間がない」「そんなの役にたたない」なんて口にしがちな、忙しがっているすべての子どもと大人に読んでもらいたい一冊です。この物語を読めば、時間に対する考え方が変わってしまうかもしれません。

オーガストはふつうの男の子。ただし、顔以外は。
Wonder ワンダー

みどころ

10歳のオーガスト・プルマンは、どこにでもいるふつうの少年。
スター・ウォーズにくわしくて、ゲームが好きで、寝る前には本を読み、飼い犬のデイジーと大の仲良し。
でもひとつだけ、彼には他の人とちがうところがありました。

「ぼくの名前はオーガスト。外見については説明しない。きみがどう想像したって、きっとそれよりひどいから」

遺伝的にとても特殊な症状を持って生まれたオーガストは、顔のつくりがふつうとは大きく異なっています。
オーガストが町を行けば、ある人は悲鳴をあげ、ある人はぎょっとして目を逸らし、ある人は声をひそめてよからぬ話をはじめ……

たび重なる手術のせいで、学校に行ったことがないオーガスト。
今年からはという両親の勧めで、とうとう学校へ通うことに!
しかし、子どもたちはオーガストを避け、うわさし、中にはいじわるくからかう生徒も。
ふだんはやさしくオーガストに接している子ですら、彼に触れたらその手をすぐに洗いにいく始末。
それでもオーガストが学校に通うのを楽しいと感じていたのは、入学してすぐにできた親友ジャックのおかげ。
いっしょに授業を受けたり、冗談を言って笑いあったり―
ところがある日、そんなジャックが陰で自分の悪口を言っているのを聞いてしまいます。

「ぼくがすごくふつうだってわかっているのは、世界中でただ一人、ぼくだけなんだ」

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(堀井拓馬  小説家)

300年前に書かれた『ガリバー旅行記』と現在の難民問題が結びついて展開する冒険物語

ガリバーのむすこ

難民少年が見つけた幸せとは?

もうだめだ。
刻一刻とボートは海に沈んでいく。
ひとり、またひとりと、ボートから海に投げ出されて、
まもなく自分の番が来る。

―――海に投げ出された難民少年オマールが、目をさましてみると
そこは、ガリバーが流れついた小人の国リリパット国でした。

リリパット国の住人は、少年をガリバーの息子と思い歓待します。時間が経つにつれ、少年オマールはリリパット国で、友情をはぐくみます。
一方で、オマールは、離ればなれになってしまった家族が恋しく、毎晩、夜空に浮かぶ星を見ながら、お母さんに話しかけていました。

少年オマールは、このままリリパット国で、平和に暮らすことができるのでしょうか?
お母さんとは再会できるのでしょうか・・・。

いかがでしたか? 読んでみたいな、と思う本は見つかったでしょうか。

読書感想文を楽しく書くためには、まず自分が面白そうと思う本から選ぶことが一番! でも実際に読んでみて、思っていたお話と違ったとか自分とはなんだか合わないな、と思ったら、最後まで読まなきゃいけないということはありません。

「この本なら感想文を書けそう!」 と思える本が見つかるまで、いろいろ読み比べて選んでみてくださいね。

秋山朋恵(あきやま ともえ) 

絵本ナビ 副編集長・児童書主担当。書店の児童書担当、小学校の図書室司書を経て、2013年より絵本情報サイト「絵本ナビ」に勤務。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線に立って本を選び、さまざまな切り口で紹介している。編著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。

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絵本ナビ編集部
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