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小学生の読書感想文におすすめの本

小学生の読書感想文におすすめ! 友達がテーマのお話10選

読書感想文の宿題を、面倒なものから楽しいものへ

毎年、楽しい夏休みと一緒にやってきてしまうのが、読書感想文の宿題。読むのも書くのも楽しみ! なんて子はなかなかいませんよね。でもせっかくなら、読書感想文の宿題をきっかけに本の面白さを知れたり、新しい発見に繋がったり、世界が広がったり、読むだけで心がちょっと成長するような機会になるといいですよね。
 
これは私の想像なのですが、読書感想文の宿題を出す側としては、おそらく、本と出会ういい機会にしてほしい、感想を書くことで、よりお話に入りこんで読み、深く読むことで得られる感動を味わってほしいという願いがあるのではないかと思うのです。
 
「読書感想文の宿題を、面倒なものから楽しいものへ」
 

そのために重要なのは何といっても「本選び」です。
これまでにもたくさんのおすすめ本をご紹介してきましたが、令和元年の今年の夏はさらに選びやすいように、「友達」「家族」「冒険」…・・・などのテーマに分けて、子どもたちが「本って楽しいんだ!」と体験できるような本を紹介していきます。さらに、小学生の皆さんにも親御さんにも、より多くの作品との出会いがあるように、毎年人気のある作品に加えて、できるだけ新しい本や隠れた名作などを織り交ぜながらご紹介していきたいと思います。

それでは、まずは「友達編」からどうぞ。

(※対象年齢は目安ですので、それぞれ自分に合った長さや内容の本を選んでみて下さいね)

小学1、2年生におすすめの友達の本

『ふたりはとっても本がすき!』

「本の読み方」が正反対の二人。けれども互いの良さに気づきながら友情を深めていきます。また、本を読むことの楽しさを感じることができるお話です。

ふたりはとっても本がすき!

チーターのチッタちゃんとカバのヒッポくんは、本が大好き。でも、読み方がちょっと違います。はやく、たくさん読むチッタちゃんと、ゆっくりじっくり読むヒッポくん。正反対のふたりが本を通して友情を深める物語。

読者の声をご紹介

チーターのチッタちゃんと、カバのヒッポくんは、本を読むのが大好きなので、性格は正反対でも、趣味が一緒なので仲良しのお友達になれるんだと思いました。お互いに自分にない相手のよいところを認めているのがいいなあと思いました。チッタちゃんは、10冊まで図書館で借りるんですが、私の住む常滑は、20冊まで借りれます。お隣の半田図書館では、30冊まで借りれるので、私もチッタちゃんみたいに早く結末が知りたい方なので直ぐに読んでしまいます(笑)感想文は、私も苦手なので四苦八苦して書いてます。(苦笑)
(ぴょーん爺さん 60代・じいじ・ばあば )

『一さつのおくりもの』

毎年、読書感想文の本に多くの子どもたちから選ばれている人気の1冊です。誰かにおくりものをする時、クマタのように自分が大切にしているものを手渡す場面に出くわしたら、どんな選択をすることが正しいのでしょうか?

一さつのおくりもの

クマタは、『かいがらのおくりもの』という絵本が大好きでした。毎日毎日声に出して文を読み、 ゆっくり絵をながめ、うなずきながらページをめくります。絵本の中には、キツネの子が1番お気に入りの貝がらを、考えた末に仲良しのリスの子にあげる場面が出てきます。クマタはキツネの子に、「キツネちゃん。きみは、えらいね。ぼくだったら、いくらなかよしでも、いちばんすきなものを あげたりはできないよ。」と話しかけます。

しかしクマタに、絵本と同じような場面が訪れます。3日3晩大雨が降り続いて山のむこうのふかみどり村が水びだしになり、大人たちが手伝いに行くのを見て、クマタのともだちが「ぼくたちの本もおくろう」と次々に自分の本を持ってきたのです。もちろんクマタも自分の絵本の中から1冊を選ぶことにします。けれど、汚れや傷がない本は大好きな『かいがらのおくりもの』だけ。そこでクマタは、クマタにとってとても大きな決断をします。

誰かにおくりものをする時、何をあげようか、どんなものが喜ばれるかなどいろいろ悩みますよね。しかもクマタのように自分が大切にしているものを手渡す場面に出くわしたら、どんな選択をすることが正しいのでしょう?(続きはコチラ>>>)

読者の声をご紹介

息子が気に入った本です。
こぐまくんと同じで何度も何度も繰り返し読んでいます。
私も読みましたがとても優しいお話でした。
こぐまくんは自分の大好きな本を手放したけど、自分に同じことが出来るかといえば、多分出来ない、かも。
本を手離したあと、届いた手紙もすてきで、息子が何度も読み返す理由がわかったような気がしました。
(lunaさん 30代・ママ 男の子6歳)

小学3、4年生におすすめの友達の本

『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』

昨年、読書感想文におすすめの友達がテーマの本の中で1番人気のあった作品です。手紙を出したり受け取ったりする楽しさや、新しい誰かとの出会いの喜びが伝わります。

ぼくはアフリカにすむキリンといいます

手紙を出したり受け取ったりする楽しさや、新しい誰かとの出会いの喜びが伝わるお話です。キリンがペンギンのことを想像して真似する姿はユーモアたっぷり。地平線のこちらから向こうまでなが―い距離を行き来する手紙のことを想像したり、手紙をやりとりするそれぞれの気持ちを想像しながらゆったりとした気持ちで楽しんで下さい。

読者の声をご紹介

アフリカにすむキリン君が、退屈しのぎに手紙を出すことを思いつきます。
相手は郵便屋さんのペリカン君が地平線のはしで最初に会った動物です。。
その相手であすペンギン君との奇妙な文通が、読んでいるこちらをくすっとさせます。
テレビも写真もネットもないですから、手紙でしか相手を想像できないのですからね。

キリンとペンギンの違いについて、動物好きの子なら深く考えるかもしれません。お手紙好きな子なら、誰かに手紙を書いてみたくなるかもしれない。
お互いを思うわくわくした気持ちっていいなあと、読んでいてほのぼのしました。
(きゃべつさん 40代・ママ 男の子11歳、男の子9歳)

『ぼくは気の小さいサメ次郎といいます』

「世界はひろいよ。あなたのこと、わかってくれる人、必ずいます。」

『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』の続きのお話5作目。2019年6月末発売の最新刊で、感想文に挑戦してみませんか?今回手紙を書くのは、顔がこわいのでみんな逃げてしまって友達ができない、サメのサメ次郎です。

ぼくは気の小さいサメ次郎といいます

2001年に刊行されたシリーズ1冊目の『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』のドイツ語版が、2018年ドイツ児童文学賞を受賞。ある日たいくつなキリンが書いた手紙により地平線の向こうに新しい友だちができ、その輪が広がっていくというユニークなシリーズの5作目です。顔がこわいのでみんな逃げてしまって友達ができない、サメのサメ次郎が手紙を書きました。気ままに旅をするウミガメのカメ次郎から話を聞いた「コンブ林のプカプカさんへ」です。その手紙はプカプカに届いたのでしょうか? 知らない誰かに手紙を書く、それはその人を知ろうとする気持ちにつながります。返事がくるまでの時間も、さまざま想像をふくらませて楽しい時間です。「世界はひろいよ。あなたのこと、わかってくれる人、必ずいます。」作者のはじめの言葉です。

『こだわっていこう』

ときどきこだわりスイッチが入るそうまくん。ある事件をきっかけに、そうまくんとは遊ばないようお母さんに言われてしまったぼく。本当はそうまくんは悪くないのに、一緒に遊びたいのに、どうしてもお母さんに言えないぼくはどんどんウソを重ねてしまいます。状況は違えど、友達のことで親に本当のことを言えなかった、なんて経験がある子は、とくに感想が書きやすいかもしれません。

こだわっていこう

物知りで、時々こだわりスイッチが入るそうまくんは、ぼくの大切な友達。ある日、そうまくんの縄跳びが、ぼくに当たってけがをした。お母さんは「もう遊ばないように」と言う。ぼくはお母さんに「そうまくんは、ふざけてない」と言いたいのに…。

小学4、5、6年生におすすめの友達の本

『くちぶえ番長』

毎年、読書感想文の本としても普通の読書用としても人気のある作品です。主人公は4年生の男の子なので、内容は4年生ぐらいから読めると思うのですが、文庫サイズで文字が小さいので、読みづらい子もいるかもしれません。転校してきたマコトに影響を受けてどんどん変わっていくツヨシの様子や気持ちに注目して読んでみて下さいね。

くちぶえ番長

小学四年生のツヨシのクラスに、一輪車とくちぶえの上手な女の子、マコトがやってきた。転校早々「わたし、この学校の番長になる!」と宣言したマコトに、みんなはびっくり。でも、小さい頃にお父さんを亡くしたマコトは、誰よりも強く、優しく、友だち思いで、頼りになるやつだったんだ―。サイコーの相棒になったマコトとツヨシが駆けぬけた一年間の、決して忘れられない友情物語。

読者の声をご紹介

主人公が小学4年生…という設定だったので、同じ年齢の息子にも楽しく読めるかな…と私が先に読んでみました。

読み始めたら、「これってフィクションなのかな?」と思ってしまうほどリアルで、どんどん本の中の世界に引き込まれました。
家族の事、学校の事、町の風景さえも見えてくるようでした。
難しい表現も無く、とても読みやすいし、読み終わった後も ほっこりした気分にさせてくれました。

自分が読んだ後、息子にも勧めたところ、あっという間に読み終えて、こんな本ならスラスラ読めちゃうね…と。
本に関しての感想は聞きたかったけど聞かない事にしました。
面白くなかったら最後まで読まないし、内容が男の子と女の子の友情(もしかして初恋?)って感じだったので。
(キョッチさん 40代・ママ 男の子10歳)

『望みがかなう 魔法の日記』

毎年読書感想文の本でとても人気のある『願いがかなうふしぎな日記』の続編で、2019年6月に刊行されたばかりの新刊です。今回の主人公は、『願いがかなうふしぎな日記』の主人公光平の友達の竜也。今回特に注目したいのは、竜也が望みを叶えていく過程で育まれた友情です。なにかひとつ行動してみたことが、意外な友達との出会いに繋がっていき、どんどん世界が広がっていきます。

望みがかなう 魔法の日記

小学5年の竜也は、自分より運動も勉強も苦手な友達の光平が、25メートルを泳げるようになって、読書感想文も早く終わらせたことに驚いていた。光平は、おばあちゃんからもらった日記を書くようになって、別人のように変わった。

そこで竜也は、光平の「未来のことを過去のように書く」というのをまねして日記を始めた。最初は、「お年玉を2万円ゲットした」とか、「書き初めで『一念発起』と書いて提出した」など簡単な願いを書いて、6つの望みをすべてかなえた。そして、「運動会で、色組対抗の応援団長になった」と書いたら、ラッキーなことがあって実現した。ところが、「校内なわとび大会で三位内に入った」は、去年、得意のあやとびでも21位だった竜也には高すぎる目標だった……。

努力して望みをかなえるなんてかっこ悪いと思っていた竜也が、友達の影響で少しずつ努力し、成長していく姿を描いた物語。
『願いがかなうふしぎな日記』の続編。

ピトゥスの動物園

登場人物や話の筋が分かりやすく、すっと本の世界に入り込める読みやすい作品です。スペインでは子どもたちに最も支持された作品に選ばれたこともある有名なお話だそう。みんなで協力して何かを実現する喜びと、人々の温かさに満ちた優しい物語で、読書感想文の本としても毎年人気のある1冊です。

ピトゥスの動物園

病気のピトゥスを救うため、5人の仲間たちが考えたのは、1日だけの動物園!スペインの国民的ベストセラー、涙と笑いの友情物語。

読者の声をご紹介

病気のピトゥスの治療費を集めるために、子供たちが立ち上がります。
自分たちのできることを、自分たちの得意分野で頑張る姿は、大人をも巻き込んでいきます。
やさしさあふれる作品で、わが子は「自分だったら何をするか」を考えました。
(まっちょん2さん 40代・ママ 女の子11歳)
 

小学5、6年生におすすめの友達の本

『わたしの苦手なあの子』

小学校最後の夏休みの宿題は、苦手なものを克服すること。6年生のミヒロは、ツンとすまして話しかけづらい転校生のリサを克服すると決めるのですが、苦手な友達と仲良くなるのって大変ですよね。ミヒロとリサがどんな風に心の距離を縮めていったのかに注目して読んでみて下さい。性格が違うからこそ学べることがあり、救われることがあるということに気づけるお話です。

わたしの苦手なあの子

泳げないミヒロは、6年生になっても苦手なことからは逃げてばかり。転校生の本間リサは、ツンとすましていてだれとも仲良くなろうとしない。プールはいつも見学。でもある日、ミヒロは、リサの秘密を知ってしまった。仲良くなりたいと思うのに、話しかけてもリサは冷たいまま。小学校最後の夏休み、ミヒロは、苦手なリサを克服することに決めた──。二人の女の子の、友情と成長の物語。

読者の声をご紹介

話しかけても冷たい態度のリサに対して、ミハルはそれでも仲良くなりたいとがんばってすごいなー、いい子だなーと思いました。リサも本来はいい子なのですが、人を寄せ付けない態度には心の傷が関係しているわけで…。ミハルとつながれてよかったなーと安心しました。なかなか自分を出すのは難しいかもしれませんが、受け止めてくれる人はいるというメッセージが入った本ですね。
(みちんさんさん 30代・ママ 女の子6歳、女の子4歳、女の子0歳)

『明日のランチはきみと』

今年の夏休みの本(緑陰図書)小学校高学年の部にも選定されている話題の作品です。インドからアメリカに引っ越してきた転校生ラビと、同じクラスの自信がなく消極的なジョーという育ちも性格も正反対の二人が、いじめっこに立ち向かうことで友情を深めていきます。お互いを理解するまでには時間がかかりますが、その分考えさせられるところがたくさんあります。友情だけでなく、お互いの文化の違いや障害、いじめなど、いくつもの深いテーマが入っており、感想文を書く時には書き甲斐がありそうです。
※夏休みの本(緑陰図書)とは、子どもたちの夏休み期間中の読書を推奨するために、全国学校図書館協議会によって、毎年選定されている本です。

明日のランチはきみと

インドから転校してきた自信家のラビと、自信がなく消極的なジョー。同じクラスの1週間の出来事を、対極的な2人の少年の視点から綴ります。障害や人種などのマイノリティ立場による苦労や葛藤を描いた成長物語!

いかがでしたか? 今年の読書感想文の本選びのご参考に、ぜひご活用いただけますように。友達の本がもっと読みたい! と思ったら、友達の本を集めた対象年齢別テーマページものぞいてみて下さいね。

秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)

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