【読書感想文】親が小学生の子どもに教える感想文の書き方
読書感想文の書き方、どう教える?
読書感想文の二大お悩みといえば、どの本を選べば良いの?という「本の選び方」と、どうやって書いたらいいの?という「感想文の書き方」ですよね。
そのお悩みの一つ「感想文の書き方」について
世の中に参考になる本はさまざまあれども、それを子どもたちが読んで感想文の技を自ら身につけるというのは、とても大変ですよね。とくに3年生ぐらいまでの子どもたちには親御さんの助けが必須なのではないでしょうか。
そこで、感想文を書くのが初めて、慣れていない、苦手意識がある、といった子どもたちに向けて、実際に親御さんがどんな風に子どもたちに「感想文の書き方」をアドバイスしたら良いのか、そのポイントを考えてみました。
合わせて、親御さんと子どもたちにおすすめの「読書感想文に役立つ本」もご紹介しますので、参考にしてみて下さいね。

お子さんの成長に合わせて「目的」を設定しよう!
小学校低学年の子どもたちを持つ親御さんへ
低学年の子どもたちにとって、本を読んでその感想を書くというのは、おそらく人生で初めての経験かと思います。この「書く」ことの最初の段階で、難しくて嫌、面倒くさいと思わないように、とにかく楽しい雰囲気で、褒めながら、「書く」ことって楽しい!と感じてもらうことを目的にしてみてはいかがでしょうか。
中学年、高学年の子どもたちを持つ親御さんへ
中学年、高学年の子どもたちには、読書感想文を書いてみることで、自分の感想を誰かに伝えることの楽しさや、気持ちをできるだけ的確に表現できた時の喜びを感じてもらえるような機会になれば良いですね。
読書感想文の書き方をアドバイスするときの5ステップ
読書感想文の書き方手順① まずは、おしゃべりから感想を引き出し、感想文の材料を集める。
「どんなお話だった?」
「どの場面が心に残った?」「それはなぜ?」
「登場人物の中で気になったのは誰だった?」「それはなぜ?」
まずは、本の内容について教えてほしいという感じで、お子さんにいろいろ質問をしてみましょう。この時に、いろいろ問いかけても、あまり感想が引き出せない場合には、親御さんご自身が読んでどう思ったかを伝えてみましょう。
〇〇も同じように思った、違うように感じたなど、つられて感想が出てくるかもしれません。
感想が出てきたら、それを大きめの付箋にメモしていきます。ここでのポイントは、付箋に書いていくというところです。付箋がない場合には、メモ帳でも構いませんが、1枚の紙にずらっとまとめて書いていくのではなく、1つの感想に1つの紙を決まりとして書いていくと後で並べる時に便利です。
読書感想文の書き方手順②集めた内容をどの順番で書くか組み立てていく
感想をメモした付箋(紙)を並べて、どの順番で書くか考え、書く順番に並べます。
何をどの順番で書くとうまく文章が繋がるでしょうか。お子さんと一緒にああでもない、こうでもないと一緒に作業してみると良いですよ。そのやりとりの中でさらに感想が膨らんでくることも。
一番基本的な並べ方は、伝えたいことの順に並べる方法です。
読書感想文の書き方手順③それぞれの内容をつなぐ言葉を考えて、文章をつないでいく
順番に並べた付箋の内容がうまく繋がっていくように、間に入れる接続詞や繋ぎの言葉を考えましょう。
並び替えて、一番はじめに並べた内容と、最後に並べた内容は、「出だし」と「終わり」にできそうでしょうか?「出だし」と「終わり」にならなそうな場合は、「出だし」と「終わり」をつけ加えます。
読書感想文の書き方手順④「出だし」を考える
「出だし」に書くことの例
- 本を読んだきっかけ
「先生や友達に薦められた」「表紙が気に入った」「タイトルで読みたくなった」など - 本の内容を簡単に説明する⇒あらすじへ
「この本は、○○が友達関係に悩むお話です」「このお話は、○○が突然不思議な世界に連れられて冒険するお話です」など - シンプルに、一番伝えたいことから書く
- 本の中で一番印象に残った言葉を引用する
- 問いを立てる
「なぜ○○は〇〇したのだろうか」
読書感想文の書き方手順⑤「終わり」を考える
「終わり」に書くことの例
- 本を読んで強く感じたことを書く
- この本(作者)が伝えたかったことについて書く
- 本を読む前と読んだ後で、自分(の考え)がどう変わったか書く
- 本を読んだことで、行動していきたいことや目標になったことがあれば書く
- 「出だし」で立てた問いに対応する答えを書く
さらに感想を引き出し、深めるためにアドバイスしたいこと
- 本の中で気になった部分に自分で「なぜ?」と問いかけてみよう!
「なぜ、この場面を自分は面白いと思ったのだろう?」
「どんなところが面白かったのだろう?」
「この登場人物が気になったのはなぜなのだろう?」
(自分に似ているから?家族や友達に似ているから?それとも自分と違うから?こんな人になりたいと憧れるから?)
- 本の中に出てくるような体験を実際にしたことがないか考えてみよう。あるいは、家族や友達などから似たような体験を聞いたことがあったら、それを思い出してみよう。
「本の中の主人公と似たような体験をしたことはある?」
- 読む前と読んだ後で本の印象はどう変わった?さらに、読む前と後で自分の考えが変わったことがあったら、それを書いてみよう。
「表紙を見た時、どんなお話だと思った?読んでみてどうだった?」
いちばんシンプルな読書感想文の構成はこちら
はじめ、なか、おわりの三つのまとまりで書く
はじめ
本の説明やその本を読んだ理由を書く
(どんなお話なのか、自分が読んだ本のことを人に教えてあげるつもりで)
- 題名を説明する or どんなお話かを説明する or 主人公や出てくるものを説明する or 表紙を説明する
- 本を読んだ理由を書く
なか
- 心にのこった場面の説明とその場面で自分が思ったことを書く
おわり
- 本を最後まで読んで、いちばん強く思ったことを書くまとまり
- 強く思ったこと、主人公と自分をくらべて考えたこと、これからしたいことなどを書くと良い。
参考図書:『読書感想文がスラスラ書ける本 小学1・2年生』(上條晴夫/企画・監修、永岡書店)より
読書感想文について、気持ちが楽になる考え方のポイント!

- 読書感想文を最初から書こうと思うと、書き出すまでに時間がかかるので、とにかく感じたことをどんどん書き出してみよう!
- はじめから上手な感想を書こうと思わず、まずは、書き上げることを目標に。
読書感想文は「読んで面白かった本を、どんな風に面白かったか伝えるもの」だとシンプルに考えてみよう。
(絵本ナビ児童書担当 秋山)
小学校低学年の子どもたちにアドバイスするために親が読みたい参考図書
作文や文章を書くのがどうも苦手、という子どもたちの悩みを解決する画期的な本ができました!その名も『お父さんが教える作文の書きかた』。
2009年刊行の前作『お父さんが教える読書感想文の書きかた』の作文を書くという部分をピックアップし、さらにシンプルに分かりやすく作ったという本書は、ページを開いて、その見やすさ、分かりやすさにびっくり!これなら、本自体の説明を読む段階で挫折してしまうこともなさそうですね。
「お父さんが教える」としているのは、男の人の方が順序立てて論理的に物事を考えるのが得意なので、説明に向いているから。内容は子どもとの会話形式で進んでいくので、お父さんはこの本に書いてある通りに子どもと会話を進めていけば教えることができてしまうんです。まず読んでかみくだいてから子どもに伝える、という実はそこが一番大変で時間がかかるという作業を全てあらかじめやってくれているとっても懇切丁寧な手引き書なんです。これは忙しいお父さんは助かりますね。
驚きのノウハウと考え方を少し紹介すると…
文章には、空想系とリアル系があり、つい子どもの作文にも小説のような想像力のある内容を求めてしまうけど、実は作文は本当にあったことを書く生活文にすぎないこと。作文で一番大事なことは、「筋の通った論理的な日本語を書くこと!」「だれが」「いつ」「どこで」「なにを」「どうした」の5つを順番に埋めてつなげていけば自然に意味の通じる文章になること、などなど。
さらに本書で紹介されている方法論は、著者の赤木かん子さんが実際に小学校の現場で授業をした際に子どもたちから分からないところや直した方が良いところを教えてもらって作り変え…というのを繰り返して作られたとのこと。そうやって子どもたちが楽に理解できるところまで落とし込まれているとのことですから、これは頼もしいですね。
さて今年の夏休みはこの本を片手に、作文や読書感想文の宿題にお子さんと一緒にがっちり立ち向かってみませんか。


読書感想文が苦手な小学生に向けた、だれでも簡単に感想文が書けちゃう本です。
まず第一章の「本の探し方・感想文に書くポイント&文章の書き方紹介」を読みながらメモをとっていくことでコツをつかみます。
次に第二章で、「実際にある作品についての内容紹介と感想文の例を見る」ことで、具体的な書き方を学びます。
いちばん多い「どんな本を読めばいいかわからない」という悩みには、ファンタジー・ぼうけん・世界の国々などの、ジャンルごとに分けたブックガイドを掲載。約150作品を紹介しています。
(2008年発行「スラスラ書ける読書感想文 小学校1・2年生」の改訂新版)
小学校中・高学年の子どもたちにアドバイスするために親が読みたい参考図書
“読書感想文ってどう書いたらいいの?”
“どんな本を選んだらいい?”
夏休みの宿題の定番、読書感想文。でもいざ書くとなるとどうしたら良いのか毎年困っているお子さんも多いのではないでしょうか。そんな子どもたちのために、読書感想文が一日で書けるようになる!という画期的な方法を教えてくれるお助け本ができました。
著者は児童文学評論家の赤木かん子さん。なぜ読書感想文が嫌いという子どもが多いのか?赤木さんは言います。1つ目の理由は「誰からも、どうやって書けばいいのか解説してもらえなかった……」から。また2つ目の理由は、本を読んで素晴らしいと感動する感性を持っていてもそれを言語化するのはとても大変なのに「プロにしかできないようなことを子どもに要求するから」だとか。さらに、読書感想文の目的は「自分の考えを筋の通った、論理的な日本語の文章で書けるようになること」、本の選び方のポイントは「最後まで読める本にする」「本人が魅かれたものにする」など、なるほど、そうだったのか!という目から鱗の格言やアドバイスがたっぷり。つづいて、原稿用紙を20のブロックに分けて書いていく方法や、あらすじと自分の感想を交互に書いていく「サンドイッチ作戦」など、実践に役立つアドバイスも満載です。この考え方を知っているのと知らないのとでは、読書感想文への向かい方が大きく変わりそうですね。
こちらは「お父さんが教える」シリーズの第2弾。子どもたちは話し言葉で説明してあげると理解が早い!という検証のもと、論理的に考えることが得意なお父さんにまず読んで理解してもらい、その上でお子さんに分かりやすいように教えてあげてほしいという目的で作られています。お父さんが教えてくれることで子どもたちのやる気もアップしそうですね。この1冊があれば、もう読書感想文はこわくありません!

読書感想文が苦手な小学生に向けた、だれでも簡単に感想文が書けちゃう本です。
まず第一章の「本の探し方・感想文に書くポイント&文章の書き方紹介」を読みながらメモをとっていくことでコツをつかみます。
次に第二章で、「実際にある作品についての内容紹介と感想文の例を見る」ことで、具体的な書き方を学びます。
いちばん多い「どんな本を読めばいいかわからない」という悩みには、ファンタジー・伝記・環境問題などの、ジャンルごとに分けたブックガイドを掲載。約140作品を紹介しています。
(2008年発行「スラスラ書ける読書感想文 小学校3・4年生」の改訂新版)
読書感想文が苦手な小学生に向けた、だれでも簡単に感想文が書けちゃう本です。
まず第一章の「本の探し方・感想文に書くポイント&文章の書き方紹介」を読み、メモをとっていくことでコツをつかみます。
次に第二章で、「実際にある作品についての内容紹介と感想文の例を見る」ことで、具体的な書き方を学びます。
いちばん多い「どんな本を読めばいいかわからない」という悩みには、ファンタジー・伝記・環境問題などの、ジャンルごとに分けたブックガイドを掲載。約140作品を紹介しています。
(2008年発行「スラスラ書ける読書感想文 小学校5・6年生」の改訂新版)
中高生必見! 読書感想文の課題で困っていませんか?
中高生の定番課題、読書感想文。でも本が決められない、読めない、書けないと悩んでいませんか? 身近な話題の活用法から「もしも」ではじめる発想法、使っちゃいけないNGワードや本選びのコツまで指南。
子どもが自分で読むのに読みやすい参考本のおすすめ
文章を書くのが苦手になる要因は大きく2つあります。
ひとつは「準備の不足」です。
正しい準備をしてから書き始めることで、途中で書くことがなくなったり、
伝えたいことが抜けてしまうことを防ぐことができます。
もうひとつは「工夫の不足」です。
読み手の感情を想像しながら自分なりに表現を工夫することで、
文章を書くことの面白さを味わうことができます。
本書では、この両面のコツを織り交ぜて紹介しています。
「本を読みなさい」というフレーズは非常によく聞きますが、
「なぜ本を読まなければいけないのか」「本を読むとどんなよいことがあるのか」を
具体的に説明するのは、簡単なことではありません。
本書は、楽しいマンガでわかりやすく「本を読む重要性」を説明しています。
読み終わったときに、「本、ちょっと読んでみようかな」と思っていただける1冊です。
これで読書感想文はバッチリ!
課題図書や指定図書の読書感想文、やんなっちゃうよね。イヤイヤ書かされる読書感想文ほど、つまらないものはない…と、思っていないかな? ■本の読み方がわからない■本なんか、大っキライ■正しい感想文の書き方がわからない■書くことが見つからない■本を読んでも感動できない■「いい子ちゃん」作文よ、サヨウナラ~などなど、読書鑑賞文ぎらいのキミに、読書感想文名人になるための攻略ポイントを、ドラえもんたちがおもしろく解説します。
編集者からのおすすめ情報
読書感想文の書き方が、こんなに楽しく、こんなにわかりやすく整理された本は今までありませんでした。小学生だけでなく大学生や大人まで、参考になる素晴らしい本です!
読書感想文がにがてなあなたも、この本を読めば、ちびまる子ちゃんのまんがで、たのしく書けちゃう!
読書感想文を書くのに大事な「コツ」を、まんがで、ていねいに解説します。
まずは、5つの「満点わざ」のステップで、基本の感想文の書き方を紹介。本の選びかた、タイトルのつけかたから、具体的な構成のしかた、文章力アップのコツまで、ちびまる子ちゃんといっしょに学んじゃおう。さまざまなバリエーションの感想文の作例も収録。
読書感想文だけじゃない、文章を書くことが好きになる、得意になる、一冊です。
秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)
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