使ってよかった!子どもを見守る安心と喜びが届く「mimory」
「いってらっしゃい!」「ママもお仕事、頑張ってくるね!」わが子は今日も元気に幼稚園、保育園に登園。
ホッとしつつも「今、何をして過ごしているかな」「お友達と仲良くできているかな」・・・仕事や家事の合間のふとした瞬間、子どもが園でどんなふうに過ごしているのか、その様子が気になってしまうこと、ママ・パパならきっとあるはず。
そんな親御さんのニーズ応えるアプリが登場しました。その名も“連絡帳アプリ”の「mimory(ミモリー)」。
託児中の親御さんの不安を解消するために企画開発され、現在幼稚園・保育園で試験的に導入され始めているのだそう。
いったいどんな機能をもったアプリなのでしょう?そして気になる使い方、その効果は…?
実際に導入している保育園の園長先生や保護者のみなさんを、取材しました!
連絡帳アプリ「mimory(ミモリー)」って、なぁに?
子どもたちの毎日を保護者と園(保育園・幼稚園)で共有し見守る仕組みとして登場したスマートフォンアプリ「mimory」は、「連絡帳機能」や「タイムライン機能」を備えています。
保育園や幼稚園の先生は、「mimory」を通じて、園で過ごす子どものようすをママ・パパに文章や写真で届けることができる、画期的なサービスなのです。
このアプリは、音楽や教育プラットフォームの提供などを行う株式会社フェイス(以下:フェイス)と、特定非営利活動法人(NPO法人)東京学芸大こども未来研究所(以下:こども未来研究所)、コンテンツ作成やプロデュースを行う株式会社HORBAL(以下:HORBAL)の3者が協力して制作しました。
利用方法はとっても簡単!園や保護者は「mimory」を自身のスマートフォンやタブレットにインストールするだけなんです。
園は「連絡帳機能」で行事の出欠連絡や特別なお知らせなどを保護者に向けて一斉告知できるほか、「タイムライン機能」を利用して園で過ごす子どもの写真やようすを保護者に送信します。
保護者は、園からのようすを受信できるほか、朝、子どもが急な発熱などで登園できなくなったときに「mimory」から簡単な操作で欠席の連絡ができることも、その大きな特長のひとつです。
この「mimory」、実際に、保育現場とママ・パパの間でどのように使われているのでしょうか?
2015年11月上旬から「mimory」を試験導入している神奈川県横浜市鶴見区の「鶴見Asa(アーサ)保育園」佐藤園長先生に、利用のきっかけをうかがいました。
10行の文章より、1枚の写真。
「10行の文章より、1枚の写真のほうがお子さんのようすが伝わりやすいこともあるんです」。
そう話す、佐藤園長。
これまで、鶴見Asa(アーサ)保育園では、子どものようすを保護者に伝える手段は手書きの連絡帳が主流でした。
在園時間が長い子どもでは10時間を過ごすこともある園での生活。数行で伝えきれるものではありません。
ママ・パパとしても、仕事を終えて子どもを迎え、帰宅してからは家事や育児に追われ、子どもとゆっくり話す時間もなく・・・もっとわが子の日中のようすを知りたいという思いにかられることも多いのでは、と考えました。
「保護者あっての子ども、子どもがいての保育園。保護者との関わりをより大事にしていくため、導入を決めました。」(佐藤園長)
「鶴見Asa(アーサ)保育園」の佐藤園長先生。連絡帳アプリ「mimory」導入について、話してくださいました。
保育現場での初めてのデジタルサービス、戸惑いは・・・?
導入のきっかけは働くママ・パパへの気遣いと円滑なコミュニケーションのため。
でも・・・新しい仕組み、しかも最新のアプリを導入することに、現場の先生方や保護者の間で、不安の声や抵抗はなかったのでしょうか?
「お母さま方はもちろん、現場の保育士もスマートフォンやパソコンに慣れている20代、30代のIT世代であることから、導入することに特に不安や課題はありませんでした。導入前は保護者の方にアプリに関する説明書をお渡ししただけでしたが、導入してからも大きなトラブルや混乱は見受けられません。
想定していたよりも、スムーズに皆さんにご利用いただけていますね。」(佐藤園長)
鶴見Asa保育園では、これまで事務利用以外にDVDプレイヤーやテレビ、iPadなどのデジタルデバイスを一切利用してきませんでした。
まったくデジタル機器を利用する土壌のない中での「mimory」導入は手探りだったのですが・・・保育士やママ・パパからの反応は上々!主にスマートフォンでの利用となる「mimory」で園での子どもの様子を知りたいと、フィーチャーフォン(ガラケー)からスマホに機種変更した保護者もいたのだそうです。
「連絡帳がアプリ化することに関し、親御さんに困ったようすはなかったように思います。中には、先生方の手間が増えるのではないか、と保育士のことを心配してくださった方もいたくらいです。」(佐藤園長)
家では見られない子どもの一面が届く喜び
好評の中でスタートした「mimory」の導入、その後のママ・パパ達からの反応はどうだったのでしょうか。
「自然体のお子さんの姿をお知らせしているため、保護者から『嬉しい』『会議中だったけど何度も見てしまいました』『安心しました』といった感想をいただくようになりました。
保護者が知りたいのは、親のいない間の"本当の子どもの表情"です。保育参観も行っていますが、保護者がいる場ではあくまでも子どもたちは保護者といるときの顔をしているものです。だからこそ、現場では本当の保育中の子どもたちの姿を写真で届けるようにしていますし、その点が保護者にも喜んでいただけているのだと思います。
私たち自身、家では見られない園での子どものようすをお届けできることで、園と保護者が一緒にお子さまを見守っている、という気持ちを持つようになりました。
「mimory」を利用することで、保護者の皆さんとの絆が強くなったような気がします。」
佐藤園長は、うれしそうに話してくださいました。
園での食事や遊びを家庭にも応用!子どもの成長を実感できる
実際に「mimoy」を利用しているママ・パパの声も聞いてみました。
夫婦で積極的な育児に取り組む中澤さん夫妻は、「mimory」に届く情報を家庭での子育てに生かしています。
園から届く給食のようすの写真やメッセージで離乳食の進み具合や量がわかるため、食事の参考にしているのだそうです。またわが子が遊んでいるようすの写真は「家でもやってみよう」と思うきっかけにもなります。
仕事の休憩中に子どものようすを見ることが楽しみ、と語るのは角谷香菜さん。以前も連絡帳で日中のようすはうかがい知ることができたけれど、「mimory」はリアルタイムで、しかも写真で表情やどんな遊びをしているか、何を食べているかを見られるため、安心できるそう。さらに、平日は一緒に過ごせない寂しさも、「mimory」を利用することで「共に時間を過ごせているように感じられる」ようになり、今では連絡が届くのを心待ちにしているのだそうです。
「mimory」を導入している幼稚園・保育園のアンケート報告によれば、利用保護者の80%以上が「mimory」の機能を評し、満足していることがわかりました。
回答した保護者たちからは、「mimory」の導入で子どもの日々の成長を実感できるようになり、それをきっかけに子どもや夫婦間でのコミュニケーションが増えた、という声もあがっています。
すきま時間にスマホで撮影!保育士さんの負担も減った?!
普段は見ることのできない園でのようすを見られて、ママ・パパはうれしいのは当然!
でも子どもたちの指導やお世話をしながら、そのようすを写真に収めたり文章を打ったりと、現場で働く保育士さんやスタッフの負担は増えてしまったのでは・・・?
佐藤園長によると、鶴見Asa保育園では、午前中、子ども1人につき1枚、保護者に向け写真を撮って送っているそう。時間がない場合はクラス全体の写真を撮影したり、数人で遊んでいる子どもたちを一緒に撮影したりすることもあるそうです。
「スマートフォンから簡単な操作で連絡できますし、現場からも特に作業が増えて困っているといった声はありません。」(佐藤園長)
何よりも保育を最優先しつつ、スタッフ8名が柔軟に対応しているそうです。
実際に「mimory」で情報を送信している保育士さんに話を聞いてみると・・・操作は難しくなく、「スマホを使うのと特に変わりない」。
スマホさえあれば、遊びの最中や寝かしつけの合間、給食の時間に簡単に情報を送信できる手軽さが、むしろこれまでの業務負担を減らすことに一役かっている、というのです!
じぃじ・ばぁばにも、孫のようすを見せてあげたい!
「mimory」を使うことに慣れてきたことで、機能に対する保護者からの要望も増えてきました。
現在「mimory」には、園と保護者が相互に利用できる掲示板や投稿へのコメント欄といったSNS機能は備えていません。メッセージを送信する機能や動画に対する要望もあるのだそうです。
佐藤園長によれば、もっとも多いのは「遠くにいるおじいちゃん、おばあちゃんにも子どものようすを伝えたい」という声。
実際に、こども未来研究所が実施した調査でも、利用保護者の70%以上が「祖父母にも『mimory』の情報を共有したい」と考えていることがわかりました。
「お孫さんの姿はもちろん、甥っ子、姪っ子のようすを見たいという方もいらっしゃいます。現代は、ひとりの子どもの成長を家族や親戚、地域みんなで見守る社会だからこそ、お母さまやお父さまだけではなく、遠く離れた親戚とも共有できるような機能があると良いですね。
保育園は子どもにとって"社会"。利用料はいくらかかっても良いから、ひとりひとりのスマートフォンで子どもの成長してゆく姿を見たいとする声は多いですよ。」(佐藤園長)
幼児教育の現場では「ICT」がますます進化?!
こども未来研究所研究員であり、自身もひとりの幼稚園教諭として埼玉県内の幼稚園にも務める村山大樹さんは語ります。
「ICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)と幼児教育が結びつく環境は(社会の流れとして)今後益々整っていきます」
そのため、園側がアプリやデジタル機器を使いこなせるようになるための支援に力を注ぐのはもちろん、保育現場の先生が気軽に使え、必要な機能を備えたアプリやサービスを、開発者が提供していく必要性を見据えています。
開発に携わったフェイスとこども未来研究所、HORBALの3者は、2015年9月から都内を中心にモニター施設を募り、現在は、鶴見Asa保育園を含め首都圏を中心に25施設で「mimory」の試験導入を行っています。
「mimoy」を「今後も継続して利用したい」と話す、佐藤園長。
園長、保育士、母親としての利用体験や保護者からの好感触を受けて、愛知県で保育園を運営する友人にも「mimory」の効果を伝えたそう。
試験導入を行っている園からの要望をもとに、今後、新機能の追加などを行なっていくという「mimory」、その輪はどんどん広がりつつあるようです。
園児を持つ親御さん、これから園児になるお子さんのママ・パパ、これからの「mimory」の進化に注目です!
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