遺稿の発見により実現した “最後の旅” 安野光雅さんの 『旅の絵本Ⅹ オランダ編』発売
安野光雅「旅の絵本」シリーズの最終作『旅の絵本Ⅹ オランダ編』発売
2020 年に惜しまれつつお亡くなりになった絵本作家・安野光雅さんの代表作「旅の絵本」シリーズ。その最終作となる『旅の絵本Ⅹ オランダ編』が、福音館書店から2022 年 1 月 5 日に発売されることになりました。
旅の絵本 10 オランダ編
克明繊細な筆使いで旅の楽しさを描く「旅の絵本」の10冊目。旅人はオランダにやってきました。運河の流れる街をゆき、チーズ市を見て、たくさんの風車がある場所を訪れ、チューリップが咲く公園へ……。オランダならではの美しい風景を堪能できます。オランダ出身の画家、フェルメールやホッベマなどの作品をモチーフにした場面も盛り込まれています。旅日記のような解説文とともにおたのしみください。
1926 年に生まれた安野光雅さんは、美術教員をする傍ら絵を描き続け、1968 年『ふしぎなえ』で絵本作家としてデビューされました。細密でありながら大らかでユーモアも感じさせる水彩画、そして美術・数学・文学などへの造詣の深さに裏打ちされた独特の世界観の作品を生み出し、多くの読者を魅了し続けました。
特に「旅の絵本」シリーズは、それぞれの国や地域ごとの風景や街並みの中を、馬に乗った「旅人」がゆったりと進んでいく字のない絵本で、1977 年の刊行以来 40 年以上にわたって続いた安野さんの代表的なシリーズです。
2020 年 12 月の安野さん逝去後、ご遺族より、アトリエからオランダの美しい風景の原画が何枚も見つかったと連絡があり、安野さんが生前に「オランダ編」を描きあげていたことが判明しました。原画にはページナンバーがふられておらず、編集作業は困難なものとなりながらも、安野さんのメモ書きや、すでに書き上がっていた解説文を手がかりに、実際の地図も見ながら「旅人」の足取りを探るなどして、ついに今回刊行となったのだそう。
「旅人」が向かう先々には、運河や風車、チューリップ、チーズ市など、オランダならではの美しい風景が広がります。40 年以上にわたって続いてきたシリーズを締めくくる“最後の旅”となる本作ですが、これまでのシリーズと変わらぬ「旅の楽しさ」を読者に伝えてくれる作品となっています。
1926 年、島根県津和野町生まれ。美術にとどまらず、文学、数学など、 創作の分野は多岐にわたる。国際アンデルセン賞、菊池寛賞、文化功労 者など、受賞・受章多数。絵本に『ふしぎなえ』『さかさま』『ふしぎな さーかす』『もりのえほん』『あいうえおみせ』『ABC の本』『あいうえお の本』『天動説の絵本』「旅の絵本」シリーズ (以上、福音館書店)、『繪 本 平家物語』(講談社)、『魔法使いの ABC』(童話屋) など。著書に『か んがえる子ども』(福音館書店)、『絵のある人生』(岩波書店)、『本が好 き』(山川出版社) など。故郷の津和野町には安野光雅美術館がある。 2020 年 12 月没。
『旅の絵本 全 10 冊』セットも同時発売!
世界を魅了した安野光雅「旅の絵本」シリーズ
世界でもっとも人気のある絵本作家の一人安野光雅が描く、遊び心いっぱいの人気シリーズです。克明繊細な筆使いで描かれた、街並みや自然の風景の中に、童話の主人公や名画の一場面、スターや事件などがさりげなく描かれ、見飽きることがありません。
「旅の絵本」シリーズ
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