怖い話が読みたい小学生を満足させる怪談シリーズ5選
1年を通して、子どもたちからのリクエストが一番多いのが、こわい本。どうして子どもたちはこんなにこわいお話が読みたいのでしょう?
とにかくこわい話が読みたい! 普通のこわさじゃ満足できない! という子どもたちに向けて、とっておきのこわい怪談シリーズをご紹介します。
低学年におすすめのこわいお話
「おばけずかん」シリーズ
「おばけずかん」シリーズは、昔から知られているおばけがいっぱい登場する、「図鑑」という名前の童話です。それぞれのおばけが、どんなふうに怖いのか。そうならないためには、どうしたらだいじょうぶなのかを、ユーモラスな短いお話仕立てで紹介しています。
登場するおばけはちょっと怖いけど、ちゃんと対応してあげると、意外になさけなくて、かわいいところもあったりします。怖くて、笑えて、最後はホッとできる、新しいおばけの童話シリーズです。
お化けに出会ったときの対処法がうれしい。
5歳の息子はお化けが大好き。
よってこの本も大好き。
このシリーズは続々と新刊が出ますが、すべて一人で読んでいます。
とにかく大好き。5歳児でも一人読みできる短く簡単な文章です。
私自身は子どものころ、とにかくお化けが怖かった。
でも。この本はそのお化けに出会ったときの対処法が書いてあるのがうれしい。
○○すればだいじょうぶ。
って締めくくられています。
だから安心。お化けに出会ってもまったくもって安心です。
怖いのから怖くないのまでとにかくいろんなお化けが登場しますが、最後の「~すればだいじょうぶ」まで読めば、5歳児だって平気平気の屁のカッパ。
これさえ読んでいれば、今後、夜の暗がりを怖がらない子に育ってくれることでしょう。
(Tamiさん 40代・ママ 男の子5歳)
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中学年からおすすめのこわい話
「放課後の怪談」シリーズ
こわい話の中で、子どもたちが最もこわく感じるのは、身近な学校の話ではないでしょうか。昔からどこの学校でも、その学校ならではの語り継がれるこわい話や七不思議などがありましたよね。
こちらのシリーズは、放課後に学校や家庭で起こるさまざまな出来事を集めた怪談アンソロジー。「リアルなこわさ」が味わえます。
お話がしっかりしてます
このシリーズ初めて読みましたが、バラエティに富んだ内容で面白かったです!
不思議な話や、ゾクッとなるもの、こころがあたたかくなるもの、いろいろありますが、怖すぎず、怖くなさすぎず、小学生にちょうどいいなって思いました。
字の大きさは中学年向けという感じですが、漢字にはすべてふりがなが振られているし、とても読みやすいので、低学年でも十分読めそうです。
しっかりした内容のオススメの怪談です!
(しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子9歳)
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「笑い猫の5分間怪談」シリーズ
ねこなめ町にはふしぎなウワサがある。町のあちこちに、巨大な猫がうかんで登場し、ゾーッとする怪談をたくさん語ってくれるそうだ。それだけでも奇妙でこわいのに、なんとその猫、ニヤニヤ笑うらしい!「笑い猫」が語る、1話5分で読める怪談集です。
こわいおはなしたち
笑い猫に出会った兄妹。笑い猫による怪談が始まります…。
ゆかいでこわいお話たちとのことですが、わたしはけっこうこわかったです(怖がりです)。絵は全体的にはかわいらしいのですが、怖いシーンのところはやっぱり怖かったです。挿絵多いです。
語られる怪談たちだけでなく、この話を聞いている兄妹たちはいったいどうなるのだろう?というドキドキもありました。
(みちんさん 30代・ママ 女の子4歳、女の子2歳)
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高学年におすすめのこわい話
「本の怪談」シリーズ
各巻で主人公が偶然見つけて手にとる、色のついた「怪談本」。主人公が何気なく読み進めるうちに、その本の中で起きていることが現実に起こりはじめます。もしかしたら、この本を読んでいるそこのキミにも同じ出来事が起こるかも!?大人が読んでも怖いシリーズで、私はこの本を読むと1人でトイレに行けなくなります。本当に怖い話が読みたいチャレンジャーな小学生におすすめのシリーズです。ただ読んだ後に後悔しないことを祈ります。
夏におすすめなのは、4巻と5巻!
山の合宿で怪談話をしている碧(みどり)のまわりではふしぎなできごとが続く。別の場所にいる、双子の弟、蒼(あお)にも危険が迫っていて・・・。
双子の姉弟に同時に起こる不思議な出来事とは?!
海の合宿で怪談話をしている蒼(あお)のまわりでふしぎなできごとが続く。同じ時、双子の姉、碧(みどり)にも危険が迫っていて・・・。
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理論社のYA文学「怖い話」シリーズ
こちらは、少し上級者向けの海外ホラーシリーズ。
モンタギューおじさんの屋敷に通う少年が聞いた怖い話とは?嵐の夜、父の帰りを待つ兄弟に船乗りが語る奇妙な物語とは?トンネル手前で止まってしまった列車に乗り合わせた女が語る怖い話とは?外国の怖い話なのでリアルな怖さが苦手な子や、物語性やファンタジー要素の強い怪談話が好きな子におすすめです。
いわくありげな船宿での「怖い話」
前作「モンタギューおじさんの怖い話」に続く短編ホラーです。
語り手は嵐の夜、雨宿り(?)にやってきた船乗りのヨナ・サッカレー。聞き手は断崖絶壁に居を構える船宿の子どもたち「イーサン(兄)とキャシー(妹)」。
怖い話が大好きなキャシーにせがまれる形で、サッカレーは子どもたちに船で聞いた怖くも不思議な話を語っていくのですが、導入から「何かある」と思わせる船宿の雰囲気、いわくありげな過去を持つ語り手のサッカレーのミステリアスな人物像など、ホラーやミステリが好きな子どもたちにはたまらない魅力たっぷりです。
プロローグの「嵐」、エピローグの「トリカブト」以外に9つの話が載っています。
うち「イレズミ」という話は船が東の端の国「日本」へ来た時の怖い話です。
どれも船乗りならではのホラーで、1つ1つは短い話なので、とても読みやすいです。
中でも一番ぞっとして鳥肌が立ったのは、最終話「トリカブト」でした。
「そうか、こうきたかー!」という感じで、作者の思惑にまんまと丸め込まれどっぷり物語世界を楽しめました。内容的には小学校の高学年くらいから十分楽しめます。
(てんぐざるさん 40代・ママ 女の子21歳、女の子17歳)
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秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)
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