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心温まる柿本幸造さんの絵本

「どうぞのいす」など、優しさが育つ柿本幸造さんの名作たち

「どうぞのいす」「どんくまさんシリーズ」など、あたたかな色使いと優しいタッチで数多くの名作絵本を遺した柿本幸造さん。

常に子どもの心に寄り添って描かれたその作品たちは、読んでいると不思議と心があたたまり、優しさがじんわりとしみ込んでくるようです。数多くの名作の中から、今こそ特に読んでほしい14作をご紹介します。

代表作にして不朽の名作

柿本幸造さんの代表作といえば「どうぞのいす」。読み聞かせやラジオなどのオファーも多い、100万部を超える大ベストセラー絵本です。

学芸会や発表会で劇をしたお子さんも多いのではないでしょうか。
続編である「ごろりん ごろん ころろろろ」には、「どうぞのいす」のメンバーが次々と登場するので、こちらもお見逃しなく!

100万部を超えるベストセラーにしてロングセラー
どうぞのいす

どうぶつ大好き  
この本は、長男の幼稚園の発表会の劇になりました。
わたしは知らなくて、子供に聞いても話はあやしいので(4歳児の説明は、断片的)、インターネットで調べました(もちろんその後本は読みましたが)。
次々と出てくる動物たち(長男は、きつね)。でも争いはひとつも起こらず、みんながいすの上にあるものを善意であるものと思い込んでいる。ものをもらっても、自分だけではいけないと変わりのものを置いていく。いま、人を傷つけたり、だましたり、争ったりという話が多い中、なんて平和な話なんだろうって思います。でもひとを思いやる、そんな子供になってほしいなと思う本でした。
(プーママさん 30代・愛知県名古屋市  男4歳、男2歳)

ごろりん ごろん ころろろろ

続編 
どうぞのいすの続編にあたる絵本です。うさぎさんが皆の為にテーブルを作って運んでいると、後ろから次々に動物が手伝ってくれます。思いやる気持ちをテーマにした絵本です。ですが、子どもはうさぎさんがテーブルなどを作れてしまうことにすごい!と感心していました。
(みゆりんママさん 30代・京都府城陽市  女3歳)

香山美子さんとのコンビ作

「どうぞのいす」を生み出した香山美子さんとのコンビ作の中から、おすすめの2作をご紹介します。

ぴょん ぴょん ぱんの かばんです

ある日、うさぎさんがちいさなかばんをつくりました。
うさぎさんがつくった印に、しっぽもつけて。長いひもも編んでしっかり縫い付けて。
うさぎさんが肩から提げてぴょんぴょんはねると、かばんもはねます。

ぴょん ぴょん ぱん
ぴょん ぴょん ぱん

なんて可愛いかばんでしょう!
いつの間にか、うさぎさんは花の野原に来ていました。
そこで出会ったきつねややぎのお母さんは、一目でかばんを気に入って言うのです。
「素敵なかばん、ほしいな」
うさぎさんはその度にうちへ帰って、みんなのためにかばんを作ってあげます。
かばんはみんなに大人気。ところが最後にやってきたのは大きな大きなぞうさんです。
困ったな、もうきれがない。
そこで・・・。

うさぎさんと一緒にはねるかばんを見ていると、気持ちがどんどん軽くなっていきます。
かばんがはねる可愛らしいリズムの言葉を聞いていると、何だか嬉しくて一緒にはねまわりたくなってきます。
素敵なかばんと、やさしいうさぎさん。そして可愛らしくて温かな絵に包まれたこの絵本は本当に幸せな1冊ですね。

さて、最後に残ったこのかばん。一体どうしようかな?
子どもたちみんなの意見を聞きたくなっちゃいますね。
誰かを思う気持ちと、想像力が広がっていく絵本です。

森と動物たちの関わりを描く

ヒッコリーのきのみ

ヒッコリーの木とりすの約束
大好きなお二人の作品です。
実はこの作品は、最初「お話集」(って言うんでしょうか)で読んだんです。挿絵は2点だけ。しかもモノクロ。とても素敵なお話ですが、絵がないと物足りないんです。やっぱり絵は欠かせません。そこで、やっぱり1冊の絵本を買ってしまったわけです。(もちろん「お話集」も大活躍していますけどね)
りすのバビーは木の実を拾って来ました。これから訪れる冬に備えて、土の中に埋めておくんです。冬になると、土の中の木の実を探しながら楽しく食べました。そして春。隠し過ぎて忘れていたヒッコリーの実が芽を出しています。「それがヒッコリーの木とりすのやくそく」
森の中で生きている動物と自然との共存。私たち人間は心が痛みます。自分だけではなく、そこにいるみんなが楽しく生きていける方法を私たちは探さなければなりませんね。
子供たちはとても可愛らしい絵とお話に夢中。「どうぞのいす」「ごろりん ごろん ころろろろ」と並び、お気に入りのようです。繊細な絵が素敵ですよ。
(モペットさん 20代・千葉県我孫子市  女5歳、男3歳)

不器用だけど優しい、どんくまさんシリーズ

「子どもたちがホッとするようなキャラクターが主人公の絵本が作りたい」。そんな思いから生まれた「どんくまさんシリーズ」。30年間にわたって全26作品が刊行されています。失敗ばっかりするけれど、大らかで、人の良い主人公のどんくまさんから、優しい気持ちが伝わるシリーズです。

どんくまさんシリーズおすすめの3作!

どんくまさん

プロセスが大事。
素朴な絵と詩のようなリズムで始まるお話は最初の

1ページから引き込まれてしまいます。



秋風が吹いて寂しくなるどんくまさんはお友達を

探しに町まで出てきます。うさぎの町で

手伝おうと思ってやったことが全部裏目に出てしまいますが

うさぎの「いっしょうけんめいやったんだから・・」の

一言にちゃんとわかっているんだな~とジーンとして

しまいました。



ついつい子供がやったことの結果だけを見る自分が

いますが、失敗してもがんばった過程を見逃さずに

いたいな、、と思わせてくれる本でした。

もちろん娘もどんくまさんが大好きです。
(ぺたさん 20代・ママ・東京都練馬区 女3歳)

どんくまさんと おたんじょうび

ボケがいいですね!
どんくまさんシリーズの1冊。

といっても、我が家ではこの絵本がはじめてのどんくまさんとの出会いだったのですが、

ぜひに他のも読んでみたいと思いました!



だって、主人公のどんくまさん、ちょっとボケていて面白いのです。

たぶん本人はいたってまじめなんでしょうね~。

そのあたりが、子供心にわかるし、

でもこんなことになったら、やっぱいやあ~!!

といった気持ちとで、ゆらゆらしてしまう感じでした(笑)



誕生日を誰かにいわってもらえるってことは、本当幸せなことなんだあ!

ということを改めて感じちゃう絵本でもありました。

ぜひに誕生日の前などに読んであげてください♪
(Sayaka♪さん 20代・ママ・京都府京都市 男6歳)

じゃむ じゃむ どんくまさん

秋に食べたいりんごじゃむ☆
まだ子どもがいないときに買った本です。
ちょうど秋の絵本を探していて、本屋さんでこの絵本に出会い、とても気に入って購入してしまいました。

どんくまさんの絵本を初めて読んだのですが、とても面白く、絵もきれいでかなり気に入ってしまい、このほかに2冊購入したほどです。

ちょっぴりどじなどんくまさん、でもとてもやさしくてほのぼのします。小さい頃から読んでも面白いと思いますが、少し長いので幼稚園児くらいがおすすめかもしれません。

私の一番のお気に入りは最後のページのりんごじゃむ。
「どんくまじるしのりんごじゃむ」の絵がとてもおいしそうなんです。
どうやってこのじゃむができたかがこの絵本の見どころ。
ぜひ秋に読んでみてほしいです。
(akinoさん 20代・東京都狛江市  女4歳、女1歳)

誰もが知っている名作たちを温かい絵でリメイク

言わずと知れた名作童話が、柿本幸造さんの絵によってこんな素敵な絵本になりました。柿本さんの他の作品ように擬人化された姿ではなく、野生動物そのままの姿で描かれているのも特徴のひとつ。
その絵の美しさに、物語の感動が一層胸に沁み入ってくるようです。
朝読にもおすすめです!

魅力的な絵に、感性を揺さぶられる!

ごんぎつね

森の中にひとりぼっちで暮らす、いたずら狐のごん。ある朝、兵十が川で捕っていた魚やウナギが網にかかっているのを見て、ついいたずら心で逃がしてしまいます。後でごんは、そのウナギは兵十の病気の母親のために捕ったものだということを知ります。ごんは、なんとか償いができないかと行動を起こすのですが…。

言わずと知れた名作「ごんぎつね」。子どもの頃、教科書や学芸会でこのお話に触れ、なんて可哀そうなお話なんだと涙した記憶があります。ごんが可哀そうだと思ったのか、兵十に同情をしていたのか、そこのところは覚えていないけれど、子どもながらに切ない気持ちになったのだと思います。

切なさを恐れずに、大人になって改めて読んでみると、この物語からは、可哀そうなだけはでない、ごんの純粋な気持ちによる行動、その尊さが浮かび上がってくるのです。ちょっとしたいたずら心から兵十を悲しませることになってしまったと後悔するごん、何とか喜んでもらいたい一心で栗や松茸を運ぶごん、せっかく行った善意を神様に取られてつまんないやと思うごん。なんて人間くさく愛らしいのでしょう。まるで子どもそのものです。そんなごんの気持ちが兵十に届くのは、少し遅かった。それでも、その一瞬でも兵十とごんとの心が通じ合ったという事実に、不思議と心があたたまってくるのです。

柿本幸造さんが描くごんは、いたずら狐らしくすばっしこく、クリクリとした目には愛嬌があります。
そんなごんが、澄みきった空の素朴な村の風景の中を走り回る姿。その美しく魅力的な絵もまたそんな気持ちにさせてくれているのかもしれません。

子どもでも大人でも、その感性を読むたびに揺さぶってくる物語「ごんぎつね」。改めておすすめしたくなりました。

動物たちの表情に、引き寄せられる!

おおかみと 七ひきのこやぎ

おかあさんやぎが、かわいい七ひきのこやぎを留守番にのこして、出かけることになりました。
「おおかみにはきをつけるのよ。ぜったいにドアをあけたらいけませんよ。」
ところが、おおかみが「おかあさんだよ、あけておくれ」とやってきます。
「うそだよ。おまえはわるいおおかみだろ」と、追い返すこやぎたち。
でもおおかみは、しゃがれ声をきれいにし、真っ黒い足を小麦粉で白くして、何度もやってくるのです。
とうとう、七ひきのこやぎはだまされてドアをあけてしまい、そこへおおかみがとびこんできて……!?

グリム童話「おおかみと七ひきのこやぎ」は、幼稚園や保育園でくりかえし読まれる人気のお話。
劇やごっこ遊びの題材になるなど、幼い子を強くひきつけるようです。
おおかみとのドキドキするやりとり。そしてドアをあけたこやぎたちが次々食べられるなか、いちばん小さな七ひきめのこやぎだけが、狭い柱時計のなかに隠れて生き残り、おかあさんといっしょに兄弟を助け出すストーリーが、きっと子どもに深い印象を残すのでしょう。

「どんくまさん」シリーズで知られる柿本幸造さんが『おおかみと七ひきの子やぎ』(1979年刊、のち絶版)に描いた絵に、那須田淳さんが文章を書き下ろし、このたび、あたらしい絵本として誕生しました。
よみがえった柿本幸造さんの貴重な絵、そのあたたかな色づかいやなつかしさをたっぷり味わってくださいね。
こやぎたちの無垢な目、おかあさんやぎの表情にぐっとひきよせられます。
みんなでおおかみをやっつける、終盤の場面にも注目ですよ。
柿本幸造さんと那須田淳さんのお二人が、30年以上の時をこえてタッグを組んだ、あたらしいグリム名作絵本です。

季節が描かれた絵本を楽しもう

柿本幸造さんの絵本は、動物や人物のかわいさもさることながら、その背景の美しさにも息をのむほどです。春・秋・冬のそれぞれの季節が描かれた絵本も、ぜひ読んでいただきたい作品です。

春が舞台の絵本

こりすのはつなめ

「どうぞのいす」でおなじみの柿本幸造による、ひろすけ童話の絵本。
「冬眠から覚めたら手についた木の実の汁をなめさせてあげる」と、子グマは子リスに約束しました。
春、子グマより先に目覚めた子リスが、子グマの手のひらをなめてみると…。いつまでも心に残したいあたたかなお話です。

秋が舞台の絵本

どんぐりとんぽろりん

ぱらぱら とんとん ぱらぱら とん。木がどんぐりの実を落としました。りすとくまがやってきて秋の実りを味わいます。たくさんもらって、たくさん食べてあとはみんなおやすみの準備。季節感あふれるお話を詩情豊かな絵とリズミカルな言葉でお届けします。

 

冬が舞台の絵本

サンタおじさんのいねむり

親しみのあるサンタおじさん。
クリスマス・イブの夜、大きな袋を抱えて出かけるサンタおじさんに、奥さんはコーヒーとサンドイッチを渡して言います。
 「サンドイッチは、途中で食べちゃダメよ。あなたはお腹がいぱいになると、すぐに眠くなってしまうんだから」
 でもサンタおじさん、プレゼントを配る途中で、ついついコーヒーを飲むだけじゃなくて、サンドイッチも食べてしまって・・・。
 うとうと眠りこんでしまったサンタおじさんの横には、配るはずのプレゼントがいっぱい。さぁ、どうなるのでしょう?
 でも、いねむり中のサンタおじさんを見つけた、森の動物たちの活躍で、最後には笑顔が待っています。素朴な絵と、どこか憎めない人間くさいサンタさん。とっても親しみを覚えますよ。
(IZU1969さん 30代・愛知県名古屋市  男6歳、女3歳、妊娠中)

ほかにも名作がいっぱい

これまでにご紹介した以外にも、たくさんの心に残る名作があります。

そんな中から特に人気の高い2作をピックアップしてご紹介します。

冒険あり、ファンタジーあり!

しゅっぱつしんこう!

主人公になって電車を運転した気分に・・・
寝る時に、電車を枕元に置いて寝るくらい電車好きの男の子が体験した不思議なお話です。
ある晩、ふと目を覚ますと大事な電車がなくなっていて、捜しているうちに、不思議な世界へ・・・。僕の電車が、本物の電車になっていて、なんと電車の運転手になるのです。
もう、読んでいて、私まで引き込まれて、まるで自分が運転するような気持ちになって、ドキドキしてしまいます。
これって電車好きの子供にとっては、本当に夢ですよね。
おまけに、途中の動物園前の駅でたくさんの動物達が乗って来て、海水浴に行くというのです。これまた、ワクワクしてきます。
途中で、ライオンがおしっこしたいので止めてと言ったり、トラックが立ち往生するアクシデントがあったりして、笑いあり、冷や汗ありの冒険物語です。
電車好きでない我が家の子供達も、すごく楽しめました。
冒険あり、ファンタジーありで、女の子にも男の子にもすごく面白いと思います。
(はなしんさん 30代・千葉県市川市  女5歳、男3歳)

優しさがつながる、心温まる名作

おべんとうを たべたのはだあれ

女の子のおべんとう
女の子が森へ野いちごを摘みに行きました。お昼になってお弁当を食べようとしたら・・・、お弁当がちょっぴりなくなっていました。次の日また森へ行きました。お昼になってお弁当を食べようとしたら・・・
お弁当がなくなっているのを見ても、女の子は「いいわ、私の食べる分はまだあるんですもの」。そうゆう考え方、いいですねぇ。
でも3日目、お弁当はからっぽに・・・、女の子は摘んだいちごを残らず食べてしまいました。せっかく摘んだのに・・・、女の子は泣き出してしまいます。そこへやって来たクマさん。両手いっぱいのいちごを持って。そんなクマさんの行動は何だか《にくらしい》ですね。
ところで、女の子はダレがお弁当を食べたのか気づいたのでしょうか?明日またいちご摘みに来るときには、お弁当をふたつ持ってくるのかな?ふたりでお弁当を食べてる様子を思い浮かべてみると、とっても暖かい気持ちになりました。娘も大好きな絵本です。
(モペットさん 20代・千葉県我孫子市  女5歳、男3歳)

生誕100年を記念した座談会の記事もあわせてどうぞ

いかがでしたか。

生誕100周年を迎えた2015年には、柿本幸造さんとゆかりのある編集者さんや書店員さんたちによる座談会が行われ、その様子が絵本ナビで紹介されています。

柿本幸造さんの魅力がさらに伝わるこちらの記事も、ぜひあわせてご覧ください。

編集協力・執筆:洪愛舜(ほんえすん/ライター・編集者・絵本作家)

掲載されている情報は公開当時のものです。
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