目指すは…発明家!未来を発明する子どもたちにおすすめしたい絵本
大昔から人間はさまざまな「発明」をしてきました。いつの時代でも、少し早過ぎるその発想は、まわりから見ると「ちょっと変わった人」に見えたのかもしれません。でも、自由で個性的で失敗を恐れない彼ら「発明家」はとっても魅力的なのです。
「発明家になりたい」
子どもたちがそう断言できるのは、なんて素敵なことでしょう。
今を、そして未来を見据えた夢なのですから。
発明家を目指す子どもたちへ、そして発明家に魅せられている人へおすすめしたい絵本や図鑑をご紹介します。入学・進学のギフトにもぴったりですね。
目指すは…発明家! 魅力的な「発明」絵本をピックアップ
散らかった部品やがらくたから新しいものが生まれる場面にはドキドキ!
はつめいだいすき
イジーは発明が大好きな女の子。
「おちゃどうぞマシン」や「スパゲッティのぐるぐるまきマシン」、おじいちゃんのための「ひげそりマシン」……。
びっくりするほど素敵なマシンだけど、ほら、すぐにバネがボヨーン、ジャバラはビローン。
スパゲッティじゃなく壁紙をまいちゃうし、ひげをそりながらはさみはカチカチ暴れ出す。
イジーはかんしゃくをおこして「もうやだ! やーめた!」とマシンを蹴飛ばします。
おじいちゃんに「すぐにあきらめなさんな。なんどもなんどもやってみるんだ」と諭されますが、イジーはおもしろくありません。
そんなある日、カラスが空から落ちてきて……。
羽根が折れたカラスをなんとかしてあげたいイジーはどうするのでしょうか?
飛べないカラスのために、イジーが小さな発明マシンを駆使する場面がユーモラスです。
マシンでミミズをほじくったり、ふとっちょナメクジにかけっこさせたり……。
でもカラスはやっぱり空を飛びたいみたい。
頭を抱えるイジーに、「あきらめなさんな」と道具袋を差し出すおじいちゃん。
「つくればいいんだ、あたらしいはね!」とイジーはひらめきます!
失敗に落ち込み、かんしゃくを起こすイジーですが、夢中で作っているときの表情はとってもかっこいい。
今度こそ失敗も何のその、そこらじゅうからポンプや歯車、モーターや電気回路を集めてきて、一心に機械をいじくりまわします。
2人の娘の母でもあるピップ・ジョーンズが書いたお話に、『バレエをおどるいぬなんていない?』などの著作があるサラ・オギルヴィ―がユーモラスなタッチで絵を描いた絵本。
散らかった部品やがらくたから新しいものが生まれる場面にはドキドキ!
機械好きな子どもたちにはたまりません。
あきらめないイジーから元気と勇気をもらえる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ロージーは、世界一のエンジニアになりたいおんなのこ!
しっぱい なんか こわくない!
世界一のエンジニアになることを夢見る女の子、ロージー。
でも、小学校にいるときは、たいていおとなしく座っています。
誰もいないところでだけ、エンジニアのたまごに変身。夜になると「ひみつこうじょう」で「あれやこれやのメカ」を作ります。そして寝るときには、ベッドの下に隠します。誰かに見られないように……
なぜ、ひみつにしているかというと……小さいころ、大好きなおじさんのために一生懸命作ったメカを、みんなに大笑いされてしまったから。
そんなある日、若いころ飛行機工場で働いていた大おばさんが遊びにきて、ロージーに飛行機を作った話や一つひとつ夢を叶えてきたことを話してくれました。
そして、まだ叶えていない「空を飛びたい」という夢の話も。
その言葉を聞いて、ロージーは大おばさんのために、空飛ぶメカづくりに挑みます!
でも、また失敗……「もう やだ。にどと メカなんか つくらない」と嘆くロージーに、大おばさんがかけた言葉は……。
この絵本を読んでいて気づいたのは、子どもたちが本当に恐れているのは「失敗」ではないのだ、ということです。
一番こわいのは「失敗」ではなくて、「失敗して笑われること」。
それによって自尊心を傷つけられること。
だから、「失敗したくない」と思ってしまうのですね。
ロージーのように、「いまの しっぱいは だいせいこう!」と失敗を肯定的に受け入れてチャレンジし続けられるように……「すてきな失敗の仕方」を、大人も一緒にこの絵本から学んでいけたら、と思います。
(洪愛舜 絵本ナビライター)
成功作から失敗作まで、おもしろい発明28点が次々に登場!
奇想天外発明百科 ややっ、ひらめいた!
「ややっ、ひらめいた!」
古代から人間は、さまざまな「発明」を生み出してきました。
成功作から失敗作まで。どれをとっても、それは「面白い」。
例えば、古くは紀元前1世紀。古代アレクサンドリアの神殿にあった自動ドア。
ひとりでにあくのを見た古代ギリシャの人たちは何を思ったのでしょう。いったいその仕組みはどうなっていたのでしょう…。
例えば17世紀。ポーランドに住んでいたイタリア人発明家が生み出したのは、なんと…空飛ぶドラゴン!?
他にも、チェスをする自動人形「ターク」、「ランニング発電マシン」「雲製造機」「集中力アップヘルメット」……なんて気になるタイトルばかりなのでしょう。それは果たして成功したのでしょうか?
この本では、大人気『マップス 新・世界図絵』の作者のイラストで、大昔から現代までの、いろいろな国の人たちが考えたおもしろい発明28点。それぞれの発明が生まれた背景やその仕組みも、楽しいイラスト入りで解説してくれます。
現代に通づる偉大なる発明品の数々は、こうした独創的で自由な「発想」の積み重ねだということが楽しみながら理解できる、子どもも大人も注目すべき1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
目のみえない人達が使う文字「点字」。その点字を発明したのは…?
6この点 点字を発明したルイ・ブライユのおはなし
世界中で、目のみえない人達が使う文字「点字」。その点字を発明した人を知っていますか?
フランス人のルイ・ブライユは、5歳のときに失明し、15歳で文字を書く方法を発明しました。
6個の点を、指でさわって読む、まったく新しい文字を書く方法。それが「点字」だったのです。
世界中の目の見えない人が本を読むことを可能にした、このおどろくべき若き発明家、ルイ・ブライユの感動的な物語絵本。
“人類がグーテンベルグの恩恵を受けたように、わたしたち目の見えないものは、ルイ・ブライユの恩恵を受けた”
――ヘレン・ケラー
未来を発明するのは、きみだ!
発明絵本 インベンション!(ポップアップ絵本)
未来を発明するのは、きみだ!
火、時計、鏡、医学、写真、点字、電話などなど、太古の昔から人間はたくさんのインベンション(発明)をしてきました。生活に大きな変化をもたらしてきた18の発明とその歴史を、それぞれに趣向を凝らしたユニークなしかけで楽しむ、ポップアップ絵本の傑作が登場です。翻訳は「プレイフル・ラーニング」提唱者の上田信行氏。絵やしかけを楽しみながら、日々の暮らしに身近な発明の数々に、あらためて興味が広がります。子どもはもちろん、わくわくする気持ちや創造性を忘れずにいたい大人へのプレゼントにもおすすめです。
合わせておすすめ! 「発明」がテーマの絵本&図鑑
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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