【夏フェア 絵本】「あつい あつい」暑いけど……夏が好き!
夏って、本当に暑い。
強い日差しに、熱をもった地面。
じめじめした空気に、止まらない汗。
「あちちちち」「暑い、暑い」
思わず声に出ちゃうのも、仕方ない。
のどだって乾くし、食欲だってなくなってしまう。
だけど。
……これだから夏はやめられない!!
暑いけど、好き。これぞまさしく夏!
あつい、あつい……!
あつい あつい
「あつい あつい」
夏は暑いよね、本当に暑い。
強い日差しの中、ペンギンが探しているのは涼しいところ。
「ひかげだ ひかげだ」
良かった、良かった。
日陰があれば、ひと安心。ところが、それは……アザラシさんの影!
こりゃ大変だと、今度はふたりで日陰を探してひと休み。
ああ、涼しい。
ところが、それも……!?
何も描いてないのに、不思議と空気感や暑い温度まで伝わってくる背景。
その中に唯一存在する日陰は本当に涼しそう。
そして、汗をかいたり、涼んだりを繰り返したりする動物たちの表情の豊かなこと。
これぞまさしく夏!
だけど、夏の本当の醍醐味は最後にやってきます。
どこからか聞こえてくるのは、「ザザザ、ピシャピシャ」。
この音は……ざっぶーん!!
読み終えれば、なんて気持ちのいい絵本なのでしょう。
なんて爽快な気分にさせてくれるのでしょう。
小さな子どもたちも、きっと夏が大好きになってしまう1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
夏の暑い中、たぬきが見た夢とは……?
あつい!!
「おひさま かんかん あついひ、ぽんぽこだぬきは あせびっしょりで ふーらふら。」
こかげでひと休みしたたぬきは、夢をみました。夢のなかでたぬきは、どろろん……ぱっと、ひんやりおいしそうな棒つきアイスキャンデーに変身!ページいっぱいのアイスキャンデー、とってもおいしそう。すると、「ぶーん、ちくり」 アイスのてっぺんに小さな細い逆三角形の穴があきました。だれかがアイスをかじったようです。「こりゃ、だれだ?」
木曽 秀夫さんのしかけ絵本シリーズ第4弾。実際のページに穴があいていくので、アイスが本当に食べられたみたいでワクワクします。ページをめくると、「あつくて かっかしていた ちいさな か アイスを たべて あー すずしい」満足げに蚊が飛ぶ姿が。アイスをかじったのは、蚊の小さな口だったんですね。
またアイスに穴が空きました。「ちょこり かりっ」今度は左上にこれまたちいさなかじり跡。ページをめくると、「すずしくなったぞ ありがたい」とアリがほっと一息。
こんな風に、どんどんアイスはかじられて穴が空いていきます。だんだん、誰かの「ひとくち」の跡は大きくなって・・・。
いろんなサイズ、いろんな形で、ページ上の穴はどんどん広がっていきます。ありさんのひとくちは小さいね、アオムシのひとくちはジグザグしてるね。なんて、読みながら自然に会話が生まれそう。最初に空いた穴が、お話が進む間にちょっとずつ大きくなっていくのも面白い!アイスですもんね。溶けるんですよね。
形のクイズをしながら、穴を指で確かめたり、文章の言葉遊びとリズムを楽しんだり。親子の読み聞かせで、お話会で、楽しくコミュニケーションを深めてくれる絵本です。
カルちゃんエルちゃんも涼しい場所を求めて……
カルちゃんエルくんあついあつい
強い陽射しを浴びた夏の畑を舞台にしたカルちゃんエルくんが「あつい、あつい」。すると ピカッ ゴロゴロ ザザー、夕立の後には涼しい風が…… 。
他にもたくさん!あついあつい夏の絵本
暑い日差しの中で食べるアイス、暑い日差しのもとで飛び込む海、暑い日差しの中で見つけた木陰……。どれも夏だから味わえる幸せなんですよね。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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