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2020年リンドグレーン賞受賞! 絵本作家ペク・ヒナさん

 

2020年3月31日、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞※を、韓国の人気絵本作家、ペク・ヒナさんが受賞されました。

独自のファンタジー世界を作り出す、韓国の人気絵本作家

ペク・ヒナ(Baek Heena)

絵本作家。 自称「人形いたずら作家」。 1971年、 ソウル生まれ。
韓国の梨花女子大学卒業後、 カリフォルニア芸術大学でアニメーションを学ぶ。 人形制作、 緻密なセット作り、 撮影までをひとりでこなし、 独自のファンタジー世界を作り出す。

※アストリッド・リンドグレーン記念文学賞 (The Astrid Lindgren Memorial Award) は、 児童文学、 青少年向けの文学作品に与えられるスウェーデン政府の主催の文学賞。 2002年にスウェーデンの児童文学作家アストリッド・リンドグレーンを記念して設けられた。 この賞は毎年選考の末1人に与えられ、 賞金は500万スウェーデン・クローナ、 日本円で5,000万円を超える。 “絵本界のノーベル賞”ともいわれる。

ペク・ヒナさんの作品は、日本でも翻訳出版されており、このインパクトたっぷりの表紙に書店で目が釘付けになったという方も多いはず!

銭湯で出会った不思議なおばあさん

天女銭湯

少女・ドッチのすむ町には、ふるーい銭湯があります。ともだちはみんな、新しいスパランドに行くけれど、ドッチは、大好きな水風呂と、あかすりのあとに買ってもらえるヤクルトをたのしみに、きょうも長寿湯にかよいます。いぬかきしたり、水泳選手の真似をしたり、水風呂で遊んでいると...「なんや、このばあちゃん どっからでてきたん!」 はごろもをなくしたという、天女があらわれた!

心の声が聞こえる不思議なあめだまを食べたら…?

あめだま

文房具屋でドンドンが見つけたのは、6つのあめだま。部屋で1つ食べると、「リモコンがはさまって痛い!」とソファの声が聞こえてきた! もう1つ食べると、今度は犬のグスリが話しはじめて......あめだまを通して周囲の愛に気づいたとき、ひとりぼっちの少年におとずれた変化とは? 心あたたまる成長の物語。

「いたずら人形作家」を自称するペク・ヒナさんの作品の特長は、なんといっても表情豊かでユーモラスな人形。この人形は、スカルピー粘土を成形してオーブンで焼き上げ、一体一体、着色して作られています。場面に合わせて何十体も制作しているのだそうです。

絵本の画面は、アニメーションの手法をもとに独自の撮影スタイルで制作されています。(人形と緻密な背景セットの制作、照明、撮影まで、すべてひとりで行っているのだそう!)

プロモーションビデオの中で、メイキング映像が見られます。

ペク・ヒナさんの新刊は、犬への愛と感謝が詰まった絵本!

ペク・ヒナさんの新刊が、2020年4月16日に発売となります。

前作『あめだま』に登場する犬「グスリ」の視点で人間家族との日常を描いた作品です。

犬の視点で家族を描いた泣き笑いの物語

ぼくは犬や

犬と人間の家族の泣き笑いの物語!ひとはぼくを「グスリ」とよぶんや。パンウリというおかあちゃんから4ばんめにうまれたんが、ぼくや。おっぱいからはなれたときに、ここにやってきた。おとうちゃん、おばあちゃん、ドンドン、近所に住むたくさんのきょうだいとグスリは今日も全力でつながります。『あめだま』のグスリとドンドン、ちいさい頃のおはなし。

グスリが家にやってきた日
なんて生き生きとした表情!

長年犬と暮らしてきたペク・ヒナさんから、人間都合の生活を余儀なくされながらも飼い主を見つめ愛を注ぎつづけてくれる犬への、 感謝や愛が詰まった作品。

翻訳は、前作同様、ユーモラスであたたかい作風で人気の絵本作家、長谷川義史さんが担当。主人公「グスリ」の気持ちを大阪弁で軽快に表現しています。
ペク・ヒナさんが『ぼくは犬や』で作った人形は70体以上だそうです。おなじ表情はひとつもなく、シーンに合わせて気持ちが伝わってくる人形に注目してみてください。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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