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あの人気ロングセラー絵本の英訳がついに発売!「英語でたのしむ 福音館の絵本」シリーズの魅力を大解剖

英語の入り口がより楽しく、身近なものに!

2020年より始まった小学校での英語教育。家庭でも、英語に楽しく親しむ方法はないかしら? 何から始めたら良いのだろう? そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。そんな親子の方にぴったりの頼もしいシリーズが、このたび福音館書店から発売となりました。その名も「英語でたのしむ福音館の絵本」シリーズ。幼い頃に親しんだ絵本を通して、楽しみながら英語の魅力にふれられるシリーズです。今回は、こちらを実際に手にしてみた感想や、日本語版と比べながらじっくり読んでみて感じた魅力の数々を、ママ目線も入れながら、ご紹介したいと思います。

「英語でたのしむ福音館の絵本」とは

まずひと言でお伝えすると、小学校で初めて英語にふれる子どもたちに向けて、長く愛されてきた絵本を美しい英文でお届けするシリーズとなります。今回はセットと単品でのご紹介となります。

『英語でたのしむ 福音館の絵本セット(5冊)』

出版社からの内容紹介

米国出身で日本文学研究者のロバート キャンベル氏が、原文の味わいを大切にしながら訳しています。小学校の外国語活動における活用を目的とした「英語でたのしむ 福音館の絵本」シリーズ。幼い頃に親しんだ絵本を通して、英語という言語の魅力にふれてください。堅牢製本仕様。

セット内容のご紹介

福音館書店の人気ロングセラー絵本の中から以下の5冊がこのたび英訳されました。

 

『Good Evening Mr.Moon』(おやすみなさいおつきさま)
『The Goldfish Got Away』(きんぎょが にげた)
『Sandwich! Sandwich!』(サンドイッチ サンドイッチ)
『Egg Babies』(たまごのあかちゃん)
『Animal Moms』(どうぶつのおかあさん)

対象年齢は?

福音館書店のご案内によれば、

読んであげるなら:小学中学年から
自分で読むなら:小学中学年から

とあります。英語の授業が実施されている小学3年生からが対象となっているようです。けれども実際に手にとってみると、4、5歳ぐらいの子どもたちから読んであげても楽しめそうだと思いました。ただお子さんが自分ひとりで読むなら、小学3年生ぐらいから小学6年生ぐらいが難しくなく読めそうです。

おすすめポイント

  • フレーズの繰り返しで覚えられる!
    絵本の特徴のひとつである、繰り返しの楽しさが英訳になっても生かされており、同じフレーズが何回も出てくることで自然に英語のフレーズが覚えられます。
    例):Good evening!(こんばんは)
           : Hello there!(こんにちは)
      :Come on out!(でておいでよ)
     
  • 幼い頃に読んだことがある絵本だと、絵に親しみがあったり、内容の記憶があったりするので、知らないお話で英語を学ぶよりも気負わず、取っ掛かりやすいという良さがあります。これはお子さんだけでなく、一緒に取り組む親御さんにとっても気軽な気持ちで始められるのではないでしょうか。
     
  • 英訳が直訳ではなく、原文のニュアンスを丁寧に汲んだ英訳となっており、かつネイティブな表現が用いられているので、自然な英語が身につきそうです。声に出して読んでみると美しい英訳の心地良さが感じられ、楽しさも増します。
     
  • 日本語版の絵本よりひと回り大きいサイズになっているので、英文が大きく読みやすいところがポイントです。
     
  • 堅牢版で丈夫なつくりとなっているため、何度も繰り返し読んで学習するのに適しています。

翻訳されたのは?

訳文を手掛けたのは、米国出身で、日本文学研究者のロバート キャンベル氏。小学生だけでなく幅広い世代に楽しんでもらえるものにしたいと、初めての絵本の英訳に取り組んでくださったそうです。原文の味わいを生かしながら正確で美しい英文に訳してくださっていますので、ぜひその美しい英文に触れてみて下さい。

英語に置き換えた時の「ときめき」を探そう!

「英語に置き換えると、ときめきが増える!」とは、今回英訳を担当されたロバート・キャンベル氏の言葉。この「ときめき」という言葉に反応して、イチ読者として感じた各ラインナップのときめきポイントをご紹介します。ご紹介は一部としますので、あとは実際にお手に取られて、それぞれの方のときめきポイントを探してみて下さいね♪

『Good Evening Mr.Moon おつきさまこんばんは』

Good Evening Mr.Moon おつきさまこんばんは

『おつきさまこんばんは』の英語版。米国出身で日本文学研究者のロバート キャンベル氏が、原文の味わいを大切にしながら訳しています。静かな夜、空に金色に輝くまんまるのおつきさまがのぼりました。そこに、黒い雲がやってきて……。小学校の外国語活動における活用を目的とした「英語でたのしむ 福音館の絵本」シリーズ。幼い頃に親しんだ絵本を通して、英語という言語の魅力にふれてください。堅牢製本仕様。

【ときめきポイント】

まず私が気になったのは、「おつきさま」が「Mr. Moon」と英訳されているところ。日本語版で読んでいた時はすっかり母親的なイメージで女性のように感じていた「おつきさま」を、いざ男性ととらえて読んでみると、また違った味わいがあり、新鮮な感じを受けました。このように英語の敬称に注目してみると面白い発見がありそうです。では、同じく絵本に登場する「くもさん」は、「Mr.」と「Mrs.」、どちらの敬称がついているでしょうか? ぜひ実際に絵本を手にとって確認してみて下さいね。

『The Goldfish Got Away きんぎょが にげた』

The Goldfish Got Away きんぎょが にげた

『きんぎょが にげた』の英語版。米国出身で日本文学研究者のロバート キャンベル氏が、原文の味わいを大切にしながら訳しています。きんぎょが1ぴき、金魚鉢からにげだした! どこににげた? 小学校の外国語活動における活用を目的とした「英語でたのしむ 福音館の絵本」シリーズ。幼い頃に親しんだ絵本を通して、英語という言語の魅力にふれてください。堅牢製本仕様。

【ときめきポイント】

絵本『きんぎょがにげた』で、たびたび出てくる「にげた」という言葉。こちらの英語版では「get away」の過去形の「got away」が使われていますが、この「にげた」を和英辞典でちょっと調べてみると、

「run away」(走り去る)

「escape」(ネガディブな状況から脱走する、逃げるというニュアンスが強い)

「flee」(危険から逃げる)

のように、いろいろな単語や熟語や出てきます。辞典によれば、その中で「get away」はその場を離れるという意味合いが強いとのことでしたが、確かに『きんぎょがにげた』の場合の「にげた」では、とてもしっくりくる言葉だと感じました。

 

実際に、ロバート・キャンベル氏も福音館書店のHPの中で、

”『きんぎょがにげた』の「にげた」など、物語の始まりと最後では気持ちのニュアンスがちょっと違っていて、正直悩みました。”

と言われています(最後のページの「にげた」がどんな英訳になっているのか注目してみて下さいね)。

日本語ではシンプルに「にげた」という一語が、英語ではニュアンスの違う言葉の候補がいくつもあり、英語という言語の面白さと広がりを感じました。こんなところにも注目してみると、小学校高学年の子どもたちや大人の方にも楽しめるポイントがいろいろありそうです。

 

『Sandwich! Sandwich! サンドイッチ サンドイッチ』

Sandwich! Sandwich!サンドイッチ サンドイッチ

『サンドイッチ サンドイッチ』の英語版。米国出身で日本文学研究者のロバート キャンベル氏が、原文の味わいを大切にしながら訳しています。ふわふわのパンにバターを塗って、レタスをのっけて……。サンドイッチができるまでを描きます。小学校の外国語活動における活用を目的とした「英語でたのしむ 福音館の絵本」シリーズ。幼い頃に親しんだ絵本を通して、英語という言語の魅力にふれてください。堅牢製本仕様。

【ときめきポイント】

「Hey,let's make one.」(さあ つくろう)

「Let's start by spreading on lots of butter.」(はじめに バターを たっぷり ぬって)

「Here we go!」(そーれ)

たびたび出てくる「Hey」、「Let's」の単語が、サンドイッチを作る楽しさをより盛り上げてくれるように感じました。声に出して読んでみると、どんどん楽しさが増していきますよ。

 

また、(いただきまーす!!)は、普通に考えると「Let’s eat!」となりそうですが、こちらでは、「Let's dig in!」というカジュアルな表現が使われており、より自然な英語を知ることができるのも魅力です。

『Egg Babies たまごのあかちゃん』

Egg Babies たまごのあかちゃん

『たまごのあかちゃん』の英語版。米国出身で日本文学研究者のロバート キャンベル氏が、原文の味わいを大切にしながら訳しています。「たまごのなかでかくれんぼしているあかちゃんはだあれ?」と呼びかけると、卵の中から次々と赤ちゃんが出てきます。小学校の外国語活動における活用を目的とした「英語でたのしむ 福音館の絵本」シリーズ。幼い頃に親しんだ絵本を通して、英語の魅力にふれてください。堅牢製本仕様。

【ときめきポイント】

たまごの中から次々に出てくる赤ちゃん。英語版では、まずその鳴き声や動きの音の可愛らしく楽しい響きにとりこになりました。

たとえば、

「Peep peep peep」(ぴっぴっぴっ)

「Wriggle wriggle wriggle」(にょろにょろにょろ)

「Squeak squeak squeak」(きゅーうきゅーうきゅーう)

など、楽しい擬音語や擬態語がたくさん登場します。

さて、それぞれ、どの赤ちゃんの鳴き声や動きの音なのでしょうか。絵本でじっくり確認してみて下さいね。

 

『Animal Moms  どうぶつのおかあさん』

Animal Moms どうぶつのおかあさん

『どうぶつのおかあさん』の英語版。米国出身で日本文学研究者のロバート キャンベル氏が、原文の味わいを大切にしながら訳しています。この絵本には13種類の動物の親子が登場します。動物の母親はどのように自分の子どもを運ぶのでしょうか? 小学校の外国語活動における活用を目的とした「英語でたのしむ 福音館の絵本」シリーズ。幼い頃に親しんだ絵本を通して、英語という言語の魅力にふれてください。堅牢製本仕様。

【ときめきポイント】

「おかあさん」という日本語が「mother」ではなく、「mom」と英訳されています。教科書的な言葉ではなく、よりネイティブで使われている単語で、かつ親しみが込められた「mom」という単語が選ばれているところに優しさと親しみを感じました。

 

内容は、動物のお母さんが、子どもをどんな風に運ぶのか、子どもがどんな風にお母さんについていくかが描かれているのですが、同じ文章の構成が続く中で、少しずつ単語や前置詞が変わるので、その変わった部分に注目して読むのがとても楽しかったです。また、大人の私は、英文の構成について久しぶりに思い出したりと、文法の勉強になったのも嬉しいポイントでした。この絵本に出てくる英文を暗記しておけば、英文を組み立てる時の参考にもなりそうです。

 

※本文の一部をご紹介すると・・・・・・

「A cat mom holds her kids in her mouth to carry them.」

(おかあさんねこは こどもを くわえて はこびます。)

「A monkey mom has her kid hold on tight to her belly to carry him.」

(おかあさんざるは こどもを おなかに しっかり しがみつかせて はこびます。)

「A koala mom carries her kid on her back.」

(おかあさんこあらは こどもを おぶって はこびます。)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=154324

いかがでしたか。今回は、私が感じた個人的なときめきポイントを紹介させていただきましたが、じっくり読んでいくと、他にもいろいろな発見と出会えることと思います。子どもたちが読んだら、さらに思いがけない発見を教えてくれるかもしれませんね。英語学習の入り口に楽しく誘ってくれる「英語でたのしむ 福音館の絵本セット」シリーズ、こちらは、新入学や進級のお祝いとしてもおすすめです。

 

秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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