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親子で性教育を考えよう!体と心と性のことを知る絵本や児童書対象別14選

性教育はいつから?早ければ早いほどいい!海外から遅れている日本

「性教育」について日本は遅れている。

よく耳にする話ですが、どのくらい遅れているのでしょうか。

ユネスコが発表している「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では、「性教育の開始年齢」はなんと5歳から。5歳から18歳にかけて心と体の成長に合わせて、年齢別の4ステージに区切り、段階別にレベルアップした「性教育」の内容を提案しています。日本では、小学校4年生でようやく性教育を保健体育の授業で行います。ただし、その指導法は学校によってだいぶ異なるそうで、「セックス」や「避妊」などという言葉は登場しません。肝心なところには触れないで終わることが多いと聞きます。「性」に興味を持ち始めた子どもたち。大人がぼやかせばぼやかすほど、気になる言葉を知りたくなるのは当然。そして今やインターネットの時代。親が望んでいない状況での間違った刺激的な情報にいとも容易く接触してしまうことが起こりうるのです。

 

これではいけない!学校任せにしていては、子どもたちを守ることができない。正しい知識を身につけて、自分の身を自分で守ること。そして大人になっていくことへの喜びを感じてほしい。そんな切実な思いから、子どもや親御さんに向けてわかりやすい性教育の本が続々と登場しています。ここでは、小学生や幼児に向けてピッタリの絵本や児童書から、ママに参考にしてほしい性教育の本をまとめてご紹介いたします。

是非、おうちで楽しい「性教育」をはじめてみましょう!

性が気になる小学生や性に偏見のない幼児と読みたい絵本や児童書

のんきに構えていたら、「性教育」に触れるまえに、子どもたちの体の変化が起き始めたなんてことも。少しずつ体の変化が気になりだした小学生に「性教育」をはじめるにはどうしたらいいのだろう?素直にお話を聞いてくれる幼児に教えるよりも、難しいかもしれません。心も体も意識しはじめた小学生におすすめの本を紹介します。

体が変化していく小学生におすすめの児童書と親のための本

大人に成長していく過程で、体や心の変化に敏感になってくる年ごろ。幼児の時のように、無邪気に親に質問もしてこなくなる、そんな時期にこそ、「性」のひみつを科学的にポジティブにオープンに話していきましょう!そう提唱してくれるのは、産婦人科医の高橋幸子(サッコ先生)さん。産婦人科医のサッコ先生は、小学生から大学生までをみる思春期外来というところで働いているスペシャリスト。科学者として、子どもたちに人間の体の素晴らしい機能やその秘密について、特に体の「性器」や「プライベートゾーン」の大切さについて解説している本を出版されました。本には、小学4年生の女の子ここちゃんと男の子からくんが登場します。子どもたちが読んでも変な気持ちを感じることがないよう、面白く、わかりやすく解説してくれます。いきなり、本題に進むのではなく、子どもたちの理解が得られるように、体の身近な不思議から赤ちゃん生まれる秘密、思春期の体の変化や心の問題など、丁寧に、そして、肝心な部分もしっかりと教えてくれます。その説明の方法や子どもとの心の距離の取り方は、親が読んでも本当に勉強になります。

まず、どの本を買ったらいいかと迷っている方がいたら、まず一番におすすめしたい本です。

産婦人科医が科学的に教える!小学生と考える性の本

サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える「性ってなに?」

SHELLYさん推薦!
「自分で一読し、子どもたちに『読んでみて!気になることがあったらいつでも聞いて!』と渡したい本です!」

小学生のうちに、みんなと考えたい、体・心・性のこと。
知れば知るほど、自分とだれかを守るパワーになる!

本書は、思春期の入り口にいる男の子・女の子が、お互いの体・心・性について、サイエンスの視点から学べる本です。
産婦人科医のサッコ先生こと高橋幸子先生が、科学に裏打ちされ、国際基準に照らした「性」の知識を、わかりやすく教えてくれます。「いつから教えはじめればいいの?」「なにから教えたらいいの?」と悩んでいる大人のみなさんへ……巻末に、サッコ先生による「大人の方へ」のお手紙も載せています。

◎体と心、性について学ぶ時間は、自分やまわりの人を守る「防犯」と、自分の体を好きな気持ちを育むこと、2つの意味で大切です。
◎思春期の入り口にいる子どもたちへ、そばにいる大人がまず読んで、渡してあげてください!
親子でいっしょに読んでも、子どもがひとりの時間にじっくり読んでも、たのしくポジティブに「性」のことを学べます。
◎各パートには、サッコ先生から読者への「ミッション」「コラム」「Q&Aコーナー」が充実!
◎ワークブックのように、学んだことを書き込めるノートのページも!

〈もくじより〉
Part1. おへそのひみつ
・どうしてねこや人間にはおへそがあるんだろう?

Part2. 赤ちゃんが生まれる3つの科学
・生まれる前の赤ちゃんは、おなかの中で何をしているのかな?
・おなかの中にいる赤ちゃんは、どこから、どうやって出てくるのかな?
・赤ちゃんは、どうやってお母さんのおなかの中に入ったのかな?

Part3. 思春期の体の変化
・男の子の体の変化
・女の子の体の変化

Part4. 目には見えない心のはなし
・「性」ってなんだろう?
・4つの側面:「体の性」「心の性」「好きになる人の性」「表現する性」
・性はグラデーション

Part5. 困ったときには
・ひとりでなやまずに
・頼れるところインフォメーション
~大人の方へ~ サッコ先生からのお手紙

性教育というと海外のものでかなり詳しくドキッとする直接的なイラストや内容で伝えている本もあるのですが、日本の小学生が読んでも違和感がないように配慮された優しいイラストや安心できる内容は、親が安心して手渡せる性の児童書とも言えます。

『サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える「性ってなに?」』著者:高橋 幸子出版社: リトルモア
『サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える「性ってなに?」』著者:高橋 幸子出版社: リトルモア
『サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える「性ってなに?」』著者:高橋 幸子出版社: リトルモア
『サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える「性ってなに?」』著者:高橋 幸子出版社: リトルモア

それでも子どもたちのいきなりの具体的な性に関する質問になんて答えていいのか、とまどってしまうもの。そんな子どもたちからの直球の質問に真摯にわかりやすくQ&Aで答える形式をとっている本もあります。カナダを中心にアメリカ、日本で子どもたちの性の健康について教えてきた看護師のメグ・ヒックリングさんの本は、大人たちが困るような、それでいて子どもたちにはとても大事な性に関する質問をピックアップし、すべて答えています。子どもが読んでも大人が読んでもとても勉強になる内容です。

困った質問にはこんな風に答えて!具体的なQ&A式性の本

メグさんの男の子のからだとこころQ&A

こころもからだも急激に変わる思春期。
この本は、子どもにからだの健康と安全と科学を伝える本です。この時期、からだとこころについてのきちんとした知識を、是非子どもに伝えてください。日本でも大人気の、カナダの性教育の第一人者メグさんが、 日本の男の子と親のために書き下ろしました。

男の子のこんな悩みにメグさんが答えます。
Q精巣をけとばされてけがをしたら死にますか?
Q女の人に触れそうになったとき、ペニスが勃起してあせりました。 こんなときはどうしたらいいんでしょう?
Q胸が少し痛むことがありますが、乳がんでしょうか?
Q男って精子がたまるとセックスしなくちゃいられないの?
Q好きな女の子のことで頭がいっぱいで、ほかのことが手につきません……
Q女の子のおっぱいって、さわるとどんな感じがするんだろう?
Qエッチな話にくわわらないと、ゲイだって言われるんで困っています
Qマスターベーションするのは、いけないこと?

ワークショップで出された思春期の男の子からの質問・疑問に、メグさんが明快に答えます。「最近、うちの子はどうしちゃったんだろう」と、お悩みのお母さんにもおすすめ。

 『あっ!そうなんだ!性と生』(出版社:エイデル研究所)は、幼児期から小学生まで、幅広い性にまつわる学びを絵本にしてまとめたものを出版しています。後半に大人向けの解説も詳しくのっているので、どのように性について解説すればいいのか、子どもに必ず伝えおきたいことなどテーマに合わせたアドバイスがしっかりと書かれているので、安心して家庭でも教えることができそうです。単純に私たちが想像する性教育をこえた、人を好きになること、人が死ぬことや家族の形、お友だちに対する発言なども網羅しているので、広い意味で子どもたちの成長を助ける本となってくれそうですね。

大人向けの解説編付き幼児から小学生向けの性の絵本

あっ!そうなんだ!性と生

100人いれば100通り、一人ひとりの子どもはちがい、みな同じではありません。
幼児期からはじまる性の学び、子どもの疑問にこたえよう!

子どもたちには学びを保障される権利があり、“性の学び”は子どもの成長発達に欠かせないものです。本書は、絵本編と解説編の2部構成になっています。絵本編は「からだ」「いのち」「わたしとみんな」の合計21テーマで構成しています。それぞれ内容は、1テーマで完結する形となっています。解説編では、おとな向けに絵本編のテーマで補足してほしいことや子どもへの話し方、伝え方のポイントなど、配慮してほしいことが書かれています。

ある家族を主人公に物語の中で性に触れて考える絵本

イーダとぺールとミニムン あかちゃんがやってくる!

子どもの性に関する質問のすべてと回答が、ほほえましい家族のストーリーのなかで、展開します。消費文化への批判、離別家庭、養子の話なども今日的視点で描かれており、社会科の教材にも最適です。ドイツ児童図書優秀賞など、欧米でロングセラーのすぐれた性教育絵本。

性別の違いや赤ちゃんについて気になりだした3歳からの絵本

性教育は早ければ早いほど良いと冒頭にお話ししましたが、できれば小学校に入る前から性について正しい知識が身についていると、自分の体や他人の体を尊重する心を育てることができます。外見のことをいじったり、性別のことやその違いからいじめに発展することを未然に防いだり、また性被害の犠牲者にも加害者にもなる可能性がぐんと減ることも事実です。性について意識しはじめる前に、幼児時期に適した絵本で、子どもたちに正しい性についての関心を持ってもらうこと。それは、親の役割としてとても重要なことだと思います。特にインターネットでいろいろな情報が入ってくる前に、子どもたちに親の口から教えてあげることができたら、きっとその後の心や体の成長についての不安やもやもやを大きく取り除いてくれるのではないでしょうか。

幼児向けにおすすめの絵本をご紹介いたします。

子どもと一緒に読む、男の子のため性の絵本

ぼくのはなし

体の中のプライベートゾーン。じぶんの体をじぶんでまもることは、とてもだいじなことです。

『ぼくのはなし』作・絵:和歌山 静子出版社: 童心社

和歌山静子さんの絵本『ぼくのはなし』『わたしのはなし』では、絵本の物語の中で、ぼくやわたしがどうやって生まれたのかを易しく教えてくれます。「ぼくはどこから生まれたの」「わたしはどこから生まれたの」この質問を答えるには、なぜここに生きているのかを自信をもって答えなければなりませんと絵本の監修者である”人間と性”教育研究所所長の山本直英さんは話しています。この質問をはぐらかすのではなく、絵本のように自信をもって親が語れると、子どもたちはみな素直にその事実について受け入れてくれるものなのだそうです。少しでも早く意識をもって子どもに伝えたいなと感じた親御さんには、是非正しい絵本で子どもたちに語りかけてください。

子どもと一緒に読む、女の子のための性の絵本

わたしのはなし

体の中のプライベートゾーン。じぶんの体をじぶんでまもることは、とてもだいじなことです。

『わたしのはなし』作・絵:和歌山 静子出版社: 童心社

おちんちんに興味をもった幼児にぴったりの性教育の絵本

おちんちんのえほん

小さな男の子のための性の絵本。性差から、プライベート・ゾーン、性被害、そしていのちの誕生までをやさしくわかりやすく語る。

あまりにダイレクトな性教育の絵本を子どもに読むことに抵抗があるという方も少なくないかもしれません。美しいイラストの絵本の中で優しく命の不思議について触れる絵本もあります。

新しい赤ちゃんがやってくることを不思議に思う主人公のぼく。赤ちゃんはあかちゃんの木からやってくる、コウノトリが運んでくる、卵から生まれるんだよ、いろんな大人たちが説明するけど、どれもしっくりこない。そんなぼくはママに質問します。すると、ママは本当のことを教えてくれます。とても自然な形で知ったその新事実をぼくは素直に受け入れます。まだ、まだ性教育はと苦手意識を持っている親御さんにはまずはこんな形で触れていくのもいいかと思います。是非、参考にしてくださいね。

性教育という形にとらわれず、美しい物語の中で伝える絵本

あかちゃんの木

あかちゃんは一体どこで手に入るんだろう?……ぼうやのなやみに「たまごから生まれる」「たねを植える」「コウノトリがはこんでくる」と、いろんな答えがかえってきます。パパとママは、ちゃんと答えてくれましたよ。あかちゃん誕生にまつわる絵本。

何から伝えたらいいのだろう?性教育について大人が気になる本

大人が、性教育にまつわる子どもの絵本や児童書を読むことは、思っている以上に勉強になります。

その一方で世間的にはどうなんだろう?どこまで子どもに伝えるのが正しいの?みんなはどうしているのだろう?他のご家庭のこともやっぱり気になりますよね。お母さんの本音がたっぷり盛り込まれた本も現状を知るにはとても参考になります。

ここでは、実際に性教育をどうするか迷いながらすすめる過程をユーモアたっぷりに再現した漫画と、学校には任せてられないと立ち上がった性教育アドバイザーののじまなみさんの本を取り上げています。

わかりやすい漫画でおうちで始める性教育を学ぼう!

おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方

3~10歳、自分の体に興味を持ったら始めよう。日々の会話が子どもを守る
子どもにどうやって伝えたら…が、マンガでわかる!

「なんでママは立っておしっこしないの?」と聞かれたら、「知らないおじさんに髪をひっぱられた!」と子どもが泣いて帰ってきたら、どうしますか?おうち性教育=子どもを守るための教育です― 

自らが学校で詳しく「性教育」を教えてもらってこなかったママ・パパたち。今の学校ではさらに教える範囲が狭くなっています。その一方、幼児からネットを使い性情報に簡単につながることができる現在、子どもが性の対象になった事件を伝えるニュースも連日報道され「自分の子どもを被害者にも加害者にもしたくない」という漠然とした不安でいっぱいです。性教育を学ぶことは、実は「性犯罪の被害者・加害者にならない」「低年齢の性体験・妊娠のリスクを回避できる」さらに「自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる」とメリットばかり!

では、いつ何から伝えるの? 世界では、5歳から(!)の性教育を取り入れている国が多く、3~10歳ごろの自分の体に興味を持ち始めた時が最も教えやすいタイミング。お風呂上がりに「おしり~おっぱい~」とふざけ始めたら、教えるチャンスです! 本書は、「うちにも赤ちゃんはくる?」といった突然やってくる素朴な質問への答え方から、性犯罪の被害者・加害者にならないための日々の言葉かけ、思春期に訪れる男女の心と体の変化まで、親子で一緒に学ぶことができます。日々の家族の会話で子どもを守り、これからの時代を生き抜くための力を養う「おうち性教育」をはじめましょう。

例の質問がきたその時に!今できることを具体的に伝えよう

お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!

ピンチをチャンスに!それが「のじま流性教育」。子どもの好奇心を逆手にとって愛と命の授業をはじめましょう!3~10歳までに親子でたのしく性教育!!

いかがでしたか。

子どもを守りたい!子どもに正しい知識を身につけてほしい!と思う気持ちはみなさん一緒です。どのタイミングでどういった方法で伝えるかは、親子それぞれ。みなさんにぴったりの方法を見つけて、楽しくオープンな性について語れる環境を目指したいですね。

富田直美(絵本ナビ編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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