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99歳の染色家・アーティスト 柚木沙弥郎さん『魔法のことば』が12年ぶりの復刊決定!

初の絵本作品『魔法のことば』が12年ぶりの復刊決定

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=5053

株式会社福音館書店から、染色家・アーティストとして精力的な活動を続ける柚木沙弥郎 (ゆのきさみろう) さんが、1994 年、72 歳のときに初めて手掛けた絵本作品『魔法のことば』が、読者からのリクエストに応える形で、2021年12月23日より期間限定で復刊されることが決定しました。

『魔法のことば』内容紹介

『魔法のことば』は、人と動物の区別がなく、みんなが同じことばをしゃべっていた大昔を舞台に、ことばが霊的な魔力をもち、生きるものすべてがその祝福の中で暮らすことができた、おおらかな世界を描いた作品です。「ことば」の持つ霊力を歌った力強いエキスモーの詩*1を、柚木さんが美しくユーモラスな絵で彩った本作は、どこかプリミティブで不思議な魅力に満ちています。

本作は、1994年に私家版として刊行されていた*2ものを、福音館書店が「広くこどもたちに届けたい」と2000年に刊行しました。2009年以降長らく品切れになっていましたが、読者からのリクエストを受けて、12年ぶりに、限定復刊します。

 

99歳を迎えながら、11月からは企画展示「柚木沙弥郎 life・LIFE」をはじめとする展覧会を各地で開催するなど、今なお精力的に活動する柚木さんの手掛けた幻の絵本作品を、ぜひこの機会にご一読ください。

 

*1 金関寿夫著『魔法としての言葉―アメリカ・インディアンの口承詩」(思潮社)で紹介されていたエスキモーの口承詩をもとに構成されています。

*2 私家版は1994年に企画刊行(発行:CRAFT SPACE わ 編集:松田素子)され、1996年にはスイス La Fondation Espace Enfants 主催<子どもの宇宙>国際図書賞を受賞しています。

作品概要

『魔法のことば』

著者:柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)絵

   金関寿夫(かなせきひさお)訳

   松田素子(まつだもとこ)編集

   羽島一希(はじまかずき)デザイン

復刊日:2021年12月23日(初版は2000年4月25日に刊行)

定価:1,650円(税込)

サイズ:276×234mm

ページ数:40頁

ISBN:978-4-8340-1665-9

 

内容紹介:人と動物の区別がなかった大昔、みんなが同じことばをしゃべっていました。ことばは、すべて霊的な魔力を持つ「魔法のことば」だったのです。ことばを口に出して言うだけで、人々の望みは、本当のこととなりました。どうしてそんなことができるのか、誰にも説明はできませんでしたが、世界はただそうなっていたのです……。

柚木沙弥郎さん 関連情報

プロフィール

柚木氏近影

1992年、東京生まれ。1942年、東京帝国大学文学部美学・美術史科に入学。1946年岡山県の大原美術館に勤め、柳宗悦の「民藝」に出会い、芹沢銈介氏に師事。型染めによる作品を発表してきた。布地への型染めのほか、染紙、壁紙、ポスター、版画など幅広いジャンルで活躍。装幀、イラストレーションも手掛ける。現在は女子美術大学名誉教授。1990年、第1回宮沢賢治賞を受賞。絵本の仕事に、『魔法のことば』(1996年度<子どもの宇宙>国際図書賞受賞)『つきよのおんがくかい』『そしたら そしたら』『ぎったんこばったんこ』(以上、福音館書店)などがある。

企画展示「柚木沙弥郎 life・LIFE」

大胆な型染めの染色作品をはじめ、版画や絵画、立体造形など、70年を越す創作活動の軌跡と、今日も続く創作活動に触れることができる展覧会。多彩な創作活動のひとつでもある、絵本作品の原画も約80点展示されています。『つきよのおんがくかい』『そしたら そしたら』など、福音館書店刊行の絵本の原画も堪能できます。

今後の展覧会予定

2021年11月20日〜2022年1月30日  PLAY!MUSEUM@東京(東京都立川市)

2022年2月11日〜2022年3月27日  浜田市世界こども美術館(島根県浜田市)

2022年9月17日〜2022年10月17日  女子美アートミュージアム(神奈川県相模原市)

2023年1月13日〜2023年3月末        日本民芸館(東京都目黒区)

PLAY!会場写真

平凡社・別冊太陽『柚木沙弥郎〜つくること、生きること』(11月15日刊行)

柚木沙弥郎さんの特集号。初期作品から最新作、未公開作品が贅沢に収録され、今回、限定復刊にいたった『魔法のことば』の編集者・松田素子さんによる寄稿「大地からひびいてくる絵」も掲載。「私家版」が企画され、柚木さんの絵をはじめてみた日の感動、関わった人たちのいわば必然の重なりによって『魔法のことば』が生まれたこと、そして、柚木沙弥郎さんの「絵本という造形」への愛情がひしひしと伝わってくる内容です。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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