絵本ナビ編集長磯崎園子さん最新刊『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』刊行
20年間のレビューの蓄積をもとに絵本約180点を紹介、絵本ナビ編集長磯崎園子さん最新刊『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』 刊行
絵本の出版、販売を行う株式会社ほるぷ出版(本社:千代田区九段下、代表取締役 吉川廣通)が、2023年2月に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』を刊行しました。著者は、年間2,000万人が利用する絵本・児童書情報サイト「絵本ナビ」の編集長磯崎園子さんです。
『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』
「子どもはどんなふうに絵本を読んでいるんだろう?」
絵本ナビ編集長・磯崎園子が、その年齢にしか味わえない「絵本の楽しみ方」を紹介。赤ちゃんから大人まで、絵本と年齢の関係についてわかりやすく解き明かします。
装幀・絵は三浦太郎さん。ロングセラーから新刊まで約180点の書籍をオールカラーで収録。選書リスト・コラム・本書のための書きおろし原稿を加えた充実の一冊です。年齢ですぐに開ける便利なインデックス付き。「子どもの本」の人気連載「絵本と年齢をあれこれ考える」の待望の単行本化。
20年間のレビュー(読者の声)から見えたこと
絵本・児童書情報サイト「絵本ナビ」で、20年読者の声と向きあってきた磯崎園子さん。年間約2,000点の新刊絵本が刊行される中、絵本選びのハードルの高さにつまづいてしまう大人たちも多いといいます。日々寄せられるリアルな読者の声を聞き、子どもたちを見つめてきた磯崎さんが、本書で向き合ったこと、それは読者を悩ませていた「絵本と年齢」についてでした。「これまで、私たちは絵本と年齢の関係性について、しっかりと考えてこなかったのではないか」と磯崎さんは言います。
子どもの反応を知ることでスタートする絵本選び
磯崎さんが、著書の中で真っ先に見つめたのは、それぞれの年齢による子どもたちの反応です。「子どもがどんな絵本の楽しみ方をしているか」を知ることが大切だと言います。その反応がわかりにくい0歳児でも?でしょうか。本書の「0歳と絵本」の章<赤ちゃんは宇宙人!?>では、視力もまだ安定せず、世界がぼんやりとしている赤ちゃんも、実は刺激を求めているのだということを、実際の子育てのエピソードとともに紹介。音や色、動きのある絵本『じゃあじゃあびりびり』(偕成社)や『お?かお!』(ほるぷ出版)等を紹介しています。
赤ちゃんは宇宙人!?〈0歳と絵本〉/何かを言おうとしている〈1歳と絵本〉/たくましくって、奥深い〈2歳と絵本〉/空想と現実が溶け合って〈3歳と絵本・前編〉/自分と相手が同時に見えてくる〈3歳と絵本・後編〉/自分の感情をもてあます〈4歳と絵本・前編〉/彼らは小さな探求者〈4歳と絵本・後編〉/でも、どこかで信じている〈5歳と絵本〉/あの子は、私。〈6歳以上と絵本〉/大人だってわかっていない〈大人と絵本〉/子どもみたいに絵本を読む〈続・大人と絵本〉など。(本書「もくじ」より一部抜粋)
絵本ではなく子どもが主役のガイドブック
この本の特徴は、子どもが主役だということ。絵本を読んだ子どもたちの反応、子育て中のエピソードがたっぷりと紹介されており、子どもと絵本のことがもっと愛おしくなる、今までなかった絵本ガイドブックとなっています。
本書のタイトルである「『はじめて』という言葉には、生まれてはじめて絵本を目にする赤ちゃんはもちろんのこと、はじめての育児に向き合おうとしている方、さらにはじめての絵本を読む瞬間の喜びを感じる全ての読者の方へ向けて、という意味も込められています。今まさにどんな絵本を選ぼうか迷っている方から、絵本の世界をもっと深く知りたいと思っている方まで、広くこの本を手にとっていただけたら嬉しいです。」(本書「はじめに」より一部抜粋)
絵本と子どもの関わりを長年観察してきた著者ならではの気付きや発見は、一度は「子どもに絵本を」と意気込んだものの、いつの間にか「絵本離れ」をしてしまった人の背中をも力強く後押しします。本書を読めば、絵本がもっと楽しくなる!子どもがもっと愛おしくなる!さあ、あなたも絵本を探しにいきませんか。
刊行にあたって(著者コメントより)
今回、「絵本と年齢」をテーマに、色々と語らせていただく機会をいただきました。絵本と年齢はきってもきれない関係です。どの絵本にも「はじめて出会う」瞬間があり、その出会いが何歳の時なのかによって、味わい方は変わってくるはずだからです。けれど一方で、絵本を年齢で区切ってしまうことで、出会いを制限してしまわないようにという思いもあります。
そこで、0歳から6歳まで、なるべく丁寧にその年齢になりきって絵本を読んでみることにしました。見ている世界をできるかぎり想像してみるのです。すると見えてくるのは、子どもたちと絵本の豊かで濃密な関係性です。どの年齢も本当に魅力的で、それはもううらやましくなるほどなのです。年齢で区切って語ることは、絵本を通して子どもを知ることであり、子どもを通して絵本を知ることにつながっていくのではないかと考えるようになりました。
ひざの上にちょこんとすわり、大人の声を聞きながら、目はじっと画面を見つめたまま、手や足は無造作に動いている。その姿のなんと愛おしいことでしょう。おしゃべりがとまらなくなったり、ふいに目をうるませていたり。どれも絵本を読む姿です。その味わい方の違いに、私はどうにも興味を惹かれてしまうのです。
大人も負けてはいられません。この本を読んで、いてもたってもいられなくなってくださったとしたら。すぐにでも自分で絵本をさがしにいってくださいね。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
磯崎 園子(いそざきそのこ)
1974年、愛知県生まれ。絵本・児童書情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本の紹介やコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と自身の子育て経験をいかし、絵本ナビのサイト内だけでなく新聞・雑誌・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(ともに玄光社)がある。
装画・装幀・本文画は絵本作家三浦太郎さん
ひとめ見て元気になるような明るい表紙が印象的な本書の装画・装幀・本文画を手がけられたのは、『くっついた』(こぐま社)『ちいさなおうさま』(偕成社)『バスがきました』童心社等、数々の大人気絵本を生み出されてきた絵本作家の三浦太郎さんです。本書の装幀に込められた思いについて、コメントをいただきました。
寝転がって絵本を読む、うつ伏せで、いやいや逆立ちで?
どんなかっこうで読んでもいい。今この瞬間、絵本を読むことができる幸せ。
そんな時間が一人でも多くの子どもたちに訪れますように。
三浦 太郎
書籍紹介
『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』
著者:磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
出版者:ほるぷ出版
ISBN:9784593103645
定価:1,760円(10%税込)
発売日:2022年11月1日
四六判並製(130×188mm)
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