「谷川俊太郎×和田誠」黄金コンビが織り成す名作絵本たち
詩人の谷川俊太郎さんと、イラストレーターの和田誠さん。
1965年に初めてのコンビ作『しりとり』を出版して以来、おふたりのコラボレーションは半世紀以上に渡って続いてきました。味わい深いおふたりの世界をたっぷりと、じっくりと堪能できる「谷川俊太郎×和田誠」のコンビ作品をご紹介します。
まず読んでほしい! 谷川俊太郎×和田誠コンビの傑作絵本3選
まずは、谷川俊太郎さんと和田誠さんのコンビ作と言えばこの絵本、とも言える代名詞のような絵本をご紹介します。谷川俊太郎さんが紡ぐ言葉の世界と、和田誠さんが描く絵の世界が見事にマッチした名作中の名作です。
おふたりが織り成すその世界を、じっくりご堪能下さい。
その1、子どもから大人まで、年齢に関係なく読み続けていきたい一冊
「ともだちって」
かぜがうつっても へいきだっていってくれるひと
いっしょに かえりたくなるひと
「ともだちなら」
いやがることを するのは よそう
「ひとりでは」
もてない おもいものも ふたりでなら もてる
つまらないことも ふたりでやれば おもしろい
ともだちってなんだろう・・・例えば子どもたちがそんな風に思っていたとしたら、こんなにも具体的にわかりやすく教えてくれる答えはないですよね。
谷川俊太郎さんの詩に、和田誠さんのほのぼのとした絵が子ども達の心にぐっと近づいてきます。
そこで、詩の内容は広がっていきます。
「どんなきもちかな」「けんか」「ともだちはともだち」
それぞれのテーマに続く詩はひとつひとつ、どれも相手の気持ちを想像することにつながります。ともだちはどんな気持ちになるんだろう、ともだちにこういう事をするのは良くないな、お父さんお母さんだってともだちみたいな時があるな。
こんな風に考えられるようになったら、想像する力は大きくなっていきます。
会った事のない子だってともだちになれるかもしれない。
その子たちが困っていたら、なにをしてあげられるんだろう。
難しいことはありません。だれだってひとりで生きていくことはできない、みんなともだちが必要なんだ、そういう大切なことは小さな子どもたちにだってきっと伝わるはずです。
「ともだちって すばらしい」
子どもから大人まで、年齢に関係なく読み続けていきたい一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
■読者の声
たくさんの子どもたちに読んでほしい
友だちとは…
谷川俊太郎さんの柔らかな言葉と、和田誠さんの絵がとてもあっていて、ひとつひとつの言葉が、心にすんなりと入ってきます。
読みながら、友だちのことを考えていると、とても優しい気持ちになってきます。この言葉たちに出会った子どもは、『いじめ』とは縁のない世界できっと生きていくことでしょう。ひとりでも多くの子どもたちの目に触れますようにと願っています。
(おしんさん 40代 ママ 鹿児島県 男の子23歳、女の子21歳、男の子18歳)
『ともだち』英語版もあります!
■読者の声
大人向け
この本は、1965年に私家版限定500部で出版された、谷川俊太郎氏と和田誠氏の最強コンビが生んだ幻の作品。
それが復刻。
谷川 俊太郎さん、和田 誠さんファンにとっては嬉しいこと。
というわけで、私も早速「しりとり」楽しませていただきました!
うーん、これは確かに大人向けですね。
最後はそうきたかと、思わずにやりとしてしまう。
それにここで展開される「しりとり」はちょっと普通とは違うのですよー。
言葉と言葉の結びつきってこんなに面白いものなんだなぁ~と。
紹介にもあるように、本当に不思議な魅力をもった素敵な1冊。
ぜひぜひちょっと変わった「しりとり」を楽しんでみてください!
(elmerさん 30代 ママ 大阪府 8歳、4歳)
その3、最新にして最後のコンビ作
大好きなコンビ谷川俊太郎さんと和田誠さんの最新作は、なんだかすごい絵本。
森のくまは、はちみつを探して歩き、家族ができ、やがて老いていき・・・。
一方テディベアは、場所は変われど何一つ変化することなく、そのガラスの目に世の中を映し続け・・・。
「くま」と「テディベア」を“いのちのあるもの”と“いのちのないもの”として並べ、物語がすすんでいくのです。こんなに直接的に比較してしまう絵本は他にあったでしょうか。驚くのは、言葉だけはなく、絵、字体、デザインまで表現を変えているという徹底ぶり。生きているくまとテディベアの表情、似ているようでやっぱり違うのです。
いのちとは?幸せとは?
大人の私達には簡単に読むことができても、その問いが深く深く心につきささってくるのです。きっと子どもたちにはもっとダイレクトに伝わっているのでしょうね。
どこまでもシンプルなテーマに挑み続け、その表現は常に実験的かつ普遍的。作品から二人の作家としての姿勢をも感じとることができるのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
■読者の声
人生観・死生観
気になって、気になって・・・
本屋さんで読んで・・・
けちん坊な私が、即買いです!
和田さんの絵がとてもやさしいのです。
今年は、クマの被害が酷く、毎日のようにニュースで取り上げられていますが、クマが悪いわけではなく・・・と、いうようなことも頭の片隅にあり、でも、くまとテディベアとの生き方?を通して、さて、あなたは?と問われているような・・・短く、的確で
それでいて、詩的で、それでいて痛烈。
谷川さんの言葉には、いつもドキドキです。
大人にお薦めです。
(しいら☆さん 40代 ママ 宮城県 男の子18歳)
1年生から読める!谷川×和田「黄金コンビ」の児童書
谷川俊太郎さん×和田誠さんの「黄金コンビ」は、絵本だけではありません。
実は初期の頃は児童書を多く出版されていたのです。
こちらでは、1年生から読める児童書をご紹介します。
■読者の声
ひろしくんとぺるらくんのその後もしりたい
3年生の朝の読み聞かせに使いました。
大型絵本ではないので不安がありましたが、子供たちはお話を楽しんでくれたようです。
主人公ひろしくんが、公園の砂場で言葉の通じない外国人の男の子と出会います。どうやら迷子になった様子。ふたりで家探しをするのですが、ドキドキ、ハラハラの展開になります。最後には、言葉が通じなくたって、ちゃんと信頼関係が築かれて友情が芽生え、明日も遊ぶ約束をしちゃいます。読み手泣かせの、ぺるらくんとご両親の台詞ですが、子供たちには、大いにウケていました。
(ハンガラムさん 40代 ママ 東京都 女の子17歳、女の子9歳)
■読者の声
すごく面白かった
けんちゃんていうお男の子が、ポケットの中にあった、ただのひもを困っていたおばあさんにあげたことから巻き起こる、物々交換のストーリー。
和田誠さんの描く絵と、谷川俊太郎さんの文章のバランスが絶妙です。
最後にけんちゃんは、わらしべ長者のような大金持ちになるのかなと、期待して読んでしまうのですが、高そうな物から明らかに安そうな物に格下げしたりするので、全く次の展開が読めないところが新鮮でした。
それに、とんでもないアクシデントに遭遇して、危機一髪な体験をしたり、ハラハラドキドキです。
それに、何と言っても、いい味を出しているのが、物語の展開とは、全く関係ないのにも関わらず、ところどころで書き込まれている文章です。これは、笑えました。
さて、最終的にけんちゃんは、得したのでしょうか?
私は、得をしたと思うのですが、みなさんはどう思いますか?
(はなしんさん 30代 ママ 千葉県 女の子9歳、男の子6歳)
中学年~大人にぜひ読んでほしい本
語彙力が育って言語能力が発達する小学校中学年くらいになると、黄金コンビの本をより深く味わえるようになります。
小学校中学年から大人に読んでほしい、世界を広げてくれる奥深い作品たちをご紹介します。
世界といのちの不思議にふれる物語
あなたにはまだ、おばけが見えますか?名コンビ作の懐かしくて新しいお話。
ある日家の中で「へやのすみのおばけ」と出会った少年ぺったくん。「この世界にはいろいろなおばけがいる」と聞いたぺったくんは――。奇想天外なおばけたちとの出会いを通じて、世界といのちの不思議にふれる物語。
■読者の声
新作ではない、味のある新作!!
ぺったくんとぱったさんとぴったさん???
言葉遊びかな?おばけ?両親は南極の氷を調べて留守?
読み始めは、ちょっと「?」が多いのですが、途中からは、が~っと読んでしまいます。
そして、ところどころにある「深い言葉」
(ここでは、あえて書きません。是非、読んで、探してみてください!)
こどもは、すんなり読んでしまいそうですが、こだわる大人は、「う~ん」と考え込み、納得するように思います。
さすが!!谷川さん。
おとうさんの関わり、おはなしの仕方が上手です。
そして、和田さんの絵も素敵なんです。
実は、谷川さんはぺったくんやおとうさんみたいに見えるんじゃないですか?
谷川さんがぺったくん???
あとがきがまた、興味深い。
この作品、新作ではないんですよ!
「2度あることは3度ある」という、歴史ある作品です。
是非、昔(純粋な)子どもだった方にお薦めです!
(しいら☆さん 40代 ママ 宮城県 男の子18歳)
黄金コンビが紡ぐ『マザー・グース』を楽しもう
おもしろくってくそまじめ、ナンセンスまた奇怪千万、ユーモア、ペーソス、どたばたにやり……あらゆるおかしさがひしめきあうへんてこりんな世界。いまや全地球的財産になった『マザー・グース』の軽妙絶妙の訳に、たのしい挿絵がついた。この巻にはハンプティ・ダンプティ等が登場して全96篇。全4巻。
コンビの『マザー・グース』こちらもどうぞ!
谷川俊太郎さんの書き下ろしの詩48篇、和田誠さんが絵を添えて
谷川さんから子どもたちへのメッセージ。「すき」「ひとつのほし」「はみ出せこころ」など,全48編の書き下ろし詩集です。
ぼくたちが、今生きていること。そのすべてに幸せを感じてほしい。地球上のすべてのものの命を感じてほしい。そんな願いがこめられた詩の数々。子どもから大人まで、感動と元気をあたえてくれます。
誕生や入学など、節目に贈りたい絵本
お誕生のお祝いや卒園卒業入学などの節目に、絵本を贈る方が増えています。
「谷川俊太郎×和田誠」の黄金コンビの絵本の中にも、節目のプレゼントにぴったりの絵本があります。
喜ばれること間違いなしの絵本のプレゼント。
お祝いにぜひどうぞ!
お誕生のお祝いに喜ばれる!黄金コンビと一緒に絵本を作ろう
「かいてかいて ぐるぐるぐる」「ぬってぬって あおぬって」
そんな谷川俊太郎さんのことばに導かれて、気の向くまま、自由にのびのび絵を描こう。
「絵本は見るもの。落書きなんてしちゃだめ」なんて、おこられることはあっても、
どんどん描いていい絵本なんて、これまでなかったですよね。
はじめて描いた絵は、宝物です。折々の成長の記録に、描いた絵を残しておきたい。
大きくなったときに手渡してあげたい……。そんな思いをかなえてくれる絵本です。
表紙のまんなかには、「○○○・絵」と子どもさんの名前を書き込んでください。
世界で1冊、その子だけのオリジナル絵本のできあがり! 素敵な記念になりますね。
■読者の声
心がきっとつながります
お誕生のお知らせをいただくとこの本を必ず送ることにしています。値段も手頃だし送りやすいし、なんていってもさあこれから子どもと向き合うぞっていう感じのお父さんおかあさんにぴったりだからです。皆でぎゃあぎゃあいいながら、けらけら笑いながら、ちょっと怒りながら、泣き声を上げながら、世界にたった一つしかない本をつくれる。そしてそれも谷川俊太郎先生の文章入りです。そして大人になってまたみる。自分の子どもとともに。一人に一冊あるといい本ですよね。
(とらのさん 40代・その他の方 )
■読者の声
ぼうけんのはじまり
小学校一年生のお祝いに、こどもに贈った本。
谷川俊太郎さんのことばあそびと、ぐにょぐにょタッチの和田誠さんの絵がお気にめしたと報告されました。特に「って」を何度も何度も見ては読んで、読んでは見てをくりかえし、郵便局へ行くときは必ず、必ず呪文のように唱えながら「きってかってって」を連呼しながら歩いていました。
ことばって、生きているなあ。絵って、ふかいなあ。そう感じました。
お二人にこころから感謝。
(もゆらさん 50代 その他の方 神奈川県)
谷川×和田のコンビだから生まれる「特別な世界」を味わえる絵本
ここまで「谷川俊太郎×和田誠」のコンビ作品たちを見てきましたが、最後に、おふたりの魅力が最大限に発揮された3つの作品をご紹介します。シンプルなのにひとくせもふたくせもあるその世界。
とっておきの3作です。
ぜひ、お楽しみください!
■読者の声
なんともいえない味がある
和田誠さんの絵が、谷川俊太郎さんのお話とマッチして相乗効果ですごい味わいが出ている本です。
お話の展開がどうなるのか、娘も、読んでいる私も身じろぎもせずに見守っていました。
子どもってこういう「基地」的なものってこだわりがあるのでしょうね。
昨日、あたたかくなり暖房器具を片付けたのですが、そのせいでなくなった「隅っこ」を娘が何度も名残惜しそうに「なくなっちゃったね」といった言葉が思い出されました。
(やこちんさん 30代 ママ 兵庫県 女の子2歳)
■読者の声
空を飛ぶことを体感
谷川俊太郎さんの作品ということと、シンプルな題名に惹かれてセレクト。
和田誠さんの独特なタッチの世界と相まって、ワクワクの表紙です。
主人公はまことくん。
これは、画の和田誠さんを意識して、ということでしょうか。
まことくんは、空を飛ぶ夢を見たので、試しに助走をしたら、夢の通り空を飛べた、という次第。その感覚が実にリアルに描かれます。
子どもの頃、雲に触れたかった私にとっては、雲の中の描写はうらやましい限りです。
和田誠さんの絵が、子どもらしい夢にぴったりでした。
でも、あえて、絵を封印して、谷川俊太郎さんの文章だけで空想してみるのもいいかな、と思いました。
それだけ、研ぎ澄まされた文章だと思います。
いえ、これは詩だな、と思いました。
(レイラさん 40代 ママ 兵庫県 男の子18歳、男の子16歳、)
壮大な言葉遊びがユーモラスな一冊に!
■読者の声
言葉遊びにおすすめの絵本
はじめの文章に次の文を積み上げ、だんだん長くなっていく言葉によって、日本語の持つ不思議さ楽しさを感じさせてくれる、とても面白い絵本です。和田誠さんの絵も素晴らしいです。そして、文章だけではなく、蚤から始まり、猫、男の子、お母さん、おだんご屋さん、そして地球の裏側に飛んで、また猫、蚤へとつながる。たったひとつの蚤が、壮大な世界へと広がる様は想像の域を超えていました!
(ぼんぬさん 40代 ママ 北海道 女の子4歳)
互いに尊敬し合うふたりが作り出した傑作絵本たち
谷川俊太郎さんは、和田誠さんについて「線がいつもほほ笑んでいる」と紹介されていました。
和田誠さんは、谷川俊太郎さんとの作品作りは「自分を開発させてくれる」とお話しされていたそうです。
詩人とイラストレーター、互いに尊敬し合うふたりが作り出した傑作絵本たち。
きっとこの先何十年もまた読み継がれていくことでしょう。
洪愛舜(ほん えすん)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |