『つきみのまつり』日本の原風景を子どもたちに伝えたい。十五夜の「観月祭」を題材にした絵本
日本の原風景を子どもたちに伝えたい、十五夜の「観月祭」
世界文化社から、日本の伝統行事である十五夜をテーマにした絵本『つきみのまつり』が、2023年8月6日(日)に発売されました。十五夜に全国各地の神社で行われている「観月祭」。その厳かな日本の原風景に感銘を受けた著者が、5年の歳月をかけて描き上げた圧巻の細密画にご注目下さい。
子どたちに伝えたい 、日本の十五夜の原風景
美しく、どこか懐かしい日本の風景を描く、絵本作家・羽尻利門さん。自然に囲まれた地で、自然や動物を身近に感じながら暮らす日々で、いつの時代も変わらずある月の姿と、伝えつづけたい月見の風景を描きました。
あらすじ
十五夜の夜、神社のお祭りへ行くキッカとゲント。リフトで登った山の頂上の境内で、月の神さまに感謝と祈りを捧げる「観月祭」に参加することに。そこには、美しい月を眺めるたくさんの人がいて……。人も動物もすべての生きとし生けるものが、美しい満月をめでる十五夜のお話。
絵のなかでは、文字探しも楽しめる!
本文中の各見開きには、絵本と関わりの深い言葉(4つの文字)が隠されています。親子で日本の原風景に触れながら、細部まで美しく描きこまれた絵を見て、文字探しも楽しめる絵本です。
作者・羽尻利門さん「構想5年、ついに描けた観月祭の物語」モデルは徳島県阿南市の津峯神社
「観月祭」は、旧暦8月の十五夜に、全国各地の神社で行われる神事です。祭神及び月の神様(ツクヨミノミコト)に、秋の豊作と日々の安寧を祈り、感謝が捧げられ、芸能などが奉納されます。
このお話に登場する神社は、四国最東端のまち、徳島県阿南市に鎮座する津峯神社(つのみねじんじゃ)がモデルです。2018 年のお月見の夜、私は初めて津峯神社の観月祭へ参りました。山の上の境内では美しい祭壇が設けられ、宮司が祝詞(のりと)を奏上(そうじょう)し、雅な巫女舞やお琴の調べが奉納されました。虫の鳴き声がこだまのように鳴り響き、その神秘的な空気に私はすっかり魅了され、「この素晴らしい伝統行事を作品として描き残したい」と思いました。それから5年、ようやくその願いが形になりました。
山とその周辺には、人だけでなく、たくさんの生き物が暮らしています。夜空に浮かぶ明るい月は、ヒトも動物も、すべて分け隔てなく、その命をやさしい光で包み込んでくれます。まるで、あらゆる命が等しく尊いものであることを、私たちに教えてくれているように。そんな思いも、この作品に込めています。
羽尻利門(本書あとがきより)
書籍紹介
『つきみのまつり』
作:羽尻利門
発売日:2023年8月6日(日)
定価:1,540円(税込)
発行:株式会社世界文化ブックス
発行・発売:株式会社世界文化社
著者プロフィール
羽尻利門(はじり・としかど)
1980年、兵庫県生まれ、京都府育ち。立命館大学国際関係学部卒業。貿易会社勤務ののちイラストレーターに。
2006年、第7回インターナショナル・イラストレーション・コンペティションで優秀賞受賞。主な作品に『夏がきた』『神社のえほん』(以上、あすなろ書房)、『そらいっぱいの こいのぼり』(世界文化社)、『やめろ、スカタン!』(作・くすのきしげのり、小学館)、『えほん遠野物語 おまく』(原作・柳田国男、文・京極夏彦、汐文社)、『きみも運転手になれる! パノラマずかん 運転席』(作・宮本えつよし、パイ インターナショナル)などがある。
関連書籍
そらいっぱいの こいのぼり
・こいのぼりの由来を伝える行事絵本。
・美しく細密な絵で、日本の風景、伝統を描きます。
・絵探し、文字探しで、子どもも大人も絵を楽しめます。
ゴールデンウィーク、おじいちゃんの家でコイの滝登りを見たケンゴ。
そこでおじいちゃんに、こいのぼりの由来について聞き……。
「どうしてこいのぼりをあげるの?」という、
子どもの素朴な疑問にこたえながら、美しく細密に描かれた絵で、
日本の端午の節句の風景を味わえます。
カバーでは絵探し、文字探しが楽しめ、本文中にも各見開きに
絵本と関わりの深い言葉(5つの文字)が隠されています。
絵を読む楽しさがよりいっそう深まる絵本です。
『そらいっぱいの こいのぼり』
作:羽尻利門
発売日:2022年3月11日(金)
定価:1,430円(税込)
発行:株式会社世界文化ワンダークリエイト
発行・発売:株式会社世界文化社
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