国際アンデルセン賞を受賞!シドニー・スミスの心ゆさぶる新作絵本『ねえ、おぼえてる?』
作者は、4月8日に発表された今年度の国際アンデルセン賞・画家賞を受賞!
偕成社から、シドニー・スミスさんの新作絵本『ねえ、おぼえてる?』が2024年4月10日に発売されました。
『ぼくは川のように話す』(ジョーダン・スコット 文)をはじめ、発表する作品が各国で受賞を重ね、いま世界から注目されているカナダの絵本作家、シドニー・スミスさん。2024年4月8日、イタリアで開催中のボローニャ・ブックフェアで発表された、「小さなノーベル賞」ともいわれる、今年度の国際アンデルセン賞・画家賞にも選ばれました。
最新作『ねえ、おぼえてる?』は「この絵本を描かずしては先へすすめなかった」と作者が語り、3年の歳月をかけて自らの子ども時代の体験を描いた、感動的な絵本です。
ケイト・グリーナウェイ賞を受賞した『この まちの どこかに』(評論社)に続いて、自身の作絵による作品としては、第2作。発売されるや否や、ニューヨーク・タイムズ紙、ウォール・ストリート・ジャーナル紙、パブリッシャーズ・ウィクリー誌とアメリカ主要メディアの年間ベストに選出されました。
シドニー・スミスさんの作品紹介
あかりを消した後のベッドで交わされる親子の会話。そこから浮かびあがるものとは……
新しい人生を歩みはじめた母と子。ふたりは、明かりを消したあとのベッドで、かわるがわる、家族の大切な思い出を語り合います。
「ねえ、おぼえてる?」
「パパと3人で、野原へピクニックにいったときのこと」
「じゃあ、ぼくのばん。ねえ、おぼえてる・・・?」
そうして、いくつもの忘れがたい思い出が語られたあと、ふたりは今日のできごとにたどりつき……。
「ねえ、おぼえてる・・・?
・・・うちをでて ここへくるまでのこと」
物語は、過去の思い出に加えて、未来の記憶についても考えさせる展開へと進んでいきます。
誰しもが持っている忘れがたい「記憶」を思いおこさせる絵本
後半、言葉のない数ページをめくりながら、これまでのふたりの会話が走馬灯のように頭のなかをかけめぐり、最後、圧倒的な感動へと読者を導きます。誰しもが大切に持っている記憶のかけらを思いおこさせ、未来の記憶について思いをはせることになる、心ゆさぶる感動作です。
シドニー・スミスさんが、自らの子ども時代の体験をもとに、新たな絵本の可能性をひらいた1冊。ぜひご注目ください。
*表紙にある日本語の題字と著者名は、編集者が「まるで作者の自画像のような少年の顔が描かれたこの表紙には、この方法以外考えられなかった」と、シドニーさん本人に依頼し、描いてもらったものです。
▼本作についての著者インタビューを、偕成社のウェブマガジン Kaisei webで公開中です。詳しくはこちらをご覧ください。
書籍紹介
『ねえ、おぼえてる?』
作:シドニー・スミス
訳:原田 勝
定価1,760円(税込)
対象:小学校低学年から
判型:26cm×24cm
ページ数:40ページ
ISBN コード:978-4-03-425400-4
発売日:2024年4月10日
著者プロフィール
作:シドニー・スミス
1980年、カナダのノバスコシア州に生まれる。『おはなをあげる』(ジョナルノ・ローソン 作)によりカナダ総督文学賞を受賞。『うみべのまちで』(ジョアン・シュウォーツ 文)と、初めての自作絵本『この まちの どこかに』により、2作連続でケイト・グリーナウェイ賞を受賞。『ぼくは川のように話す』(ジョーダン・スコット 文)によりボストングローブ・ホーンブック賞を受賞。その他の作品に『おばあちゃんのにわ』(ジョーダン・スコット 文)、『スムート かたやぶりな かげの おはなし』(ミシェル・クエヴァス 文)などがある。
©Steve-Farmer-HI-RES
訳:原田 勝
1957年生まれ。東京外国語大学卒業。『ぼくは川のように話す』により産経児童出版文化賞翻訳作品賞を受賞。長編の翻訳に『弟の戦争』『ハーレムの闘う本屋』『ペーパーボーイ』『コピーボーイ』『ヒトラーと暮らした少年』『夢見る人』、絵本の翻訳に『夜のあいだに』『セント・キルダの子』などがある。
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