『ママのセーター』世界14か国で刊行。命の大切さを考える グリーフの絵本
思い出は まるで あたたかなセーターみたい。ぎゅっと 抱きしめることもできる。
2025年5月7日に、西村書店から『ママのセーター』が発売されました。
ママが いってしまったって。
どこに いってしまったの?
だいすきなママを病気で亡くし、
さまざまな感情や喪失感を抱えている小さな女の子とパパ。
女の子は、ママのセーターをかいだり、触ったり、着たりすることで、なぐさめを感じています。
けれど…。
死別にともなう「グリーフ(深い悲しみ)」と生きることについて、子どもの目線で描かれた絵本。
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ママのセータ―
ママが いってしまったって。どこに いってしまったの? だいすきなママを病気で亡くし、さまざまな感情や喪失感を抱えている小さな女の子とパパ。女の子は、ママのセーターをかいだり、触ったり、着たりすることで、なぐさめを感じています。けれど…。死別にともなうグリーフ(深い悲しみ)と生きることについて、子どもの目線で描かれた絵本。世界14か国で刊行。
★推薦のことば ★
子どもの保護者が亡くなるということは、子どもの心と体に深く影響を与えます。保護者を失った子どもへの身体・心理・社会的な支援、すなわち死別にともなうグリーフケアは切実に求められています。(中略)わかりやすい日本語とやさしい絵からなる本書はグリーフケアを必要とする子どもにふさわしく、子どもに接する関係者にご一読いただきたく思います。
―― 国立成育医療研究センター理事長 五十嵐 隆
・大切な人との死別によって、グリーフを抱えている子どもたちが実際に体験することや感じることがリアルに描かれている。―― チャイルド・ライフ・スペシャリスト
・思春期の子どもたちにも読んでほしい。ケアが必要な人たちの心によりそう絵本。―― 公認心理師
・子どもの気持ちが淡々とそしてリアルに描かれているところがよい。―― 病棟保育士
・生と死について自分自身も考えさせられた。子どもたちにそっと手渡してあげたい。
―― 絵本専門士
推薦のことば
子どもの保護者が亡くなるということは、子どもの心と体に深く影響を与えます。保護者を失った子どもへの身体・心理・社会的な支援、すなわち死別にともなうグリーフケアは切実に求められています。(中略)わかりやすい日本語とやさしい絵からなる本書はグリーフケアを必要とする子どもにふさわしく、子どもに接する関係者にご一読いただきたく思います。
国立成育医療研究センター理事長 五十嵐 隆
大切な人との死別によって、グリーフを抱えている子どもたちが実際に体験することや感じることがリアルに描かれている。
(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)
あまりに優しく、美しい本。心に沁みました。こんな言葉を求めている人はたくさんいるのではないでしょうか。広く届いてほしい絵本です。
ノンフィクション作家 歌代幸子
深い悲しみ・・・子どもに手渡すには難しいテーマではありますが、優しい独白体と特徴ある絵によって、親しみやすいものになっている!と思いました。
国立成育医療研究センター五十嵐先生の「子どもに接するすべての方へ」という帯の文言と、扉の前の「読者のみなさまへ」の文章が良かったと思います。
この本はそれを必要としているこどもに、その事柄に深い理解を持った大人(関係者)が、治療やケアや教育や、それぞれの専門性の中で、こどもがこの本を受け取れるタイミングを見計らって手渡すことを勧めているように、私には読めました。さすが専門家の視点と思います。
また、当事者ではない大人や子どもにも、「心に響く絵本」としてお勧めできると思いました。
公認心理師・臨床発達心理士 黒木秀子
グリーフとは何か? 死別の悲しみを乗り越える方法は決して一つではありません。たった一枚のセーターがそのきっかけになることだってある。
何にどんな意味を見出すか。
死はだから、人間にしか乗り越えられないのでしょう。
イラストの「やわらかさ」がいいと思いました。
残酷かもしれませんが、私たちはそんな「やわらかい」日常の中で悲嘆と向き合わざるを得ないのですよね。でも、だからこそ希望も見えてくるんだと思います。 哲学者・山口大学教授 小川仁志
発売前の先読み公開(ネットギャリー)にも、たいへん多くのご感想が寄せられました。そこから一部をご紹介します。
だいすきな だいすきなママを
過去形でしか語れなくなったこの気持ちを どこに置いたらいいのだろう
絵本には 多様な色が存在し
花が咲き 人は抱き 手紙を友達を運んでくれた それなのに
ママだけがいない その事実だけがのこってしまう
いまが悲しいと思うひとへ お休みが続いている登校班のあの子へ 病院にいる貴方へ
★星の数: 5 (5つ星中)(レビュアー)
大きく描かれた目が気持ちをストレートに伝えてくる。大人でさえ、死を受け入れ難い。子どもならなおさら。そんな〝わたし〟が生きていく様子、変わっていく様子が心に染み込んできた。
残ったのは、ママのにおいが残る、赤くて大きなセーター。
グリーフ(死別による悲しみ)はそのセーターに似ている。悲しみは大きい。小さくなることはない。
でも、それをまとう〝わたし〟は大きくなっていく。だから、そのセーターがちょうどいい大きさになって、更に………
だから、あわてない、あわてない。大丈夫、大丈夫。
★星の数: 5 (5つ星中)(教育関係者)
「そろそろ面会の時間がおわりますよ」
私はこの言葉を、看護師として告げる立場でした。
それがどれほど大切な親子の時間であっても、面会時間には限りがあります。
だからこそ、心のなかで申し訳無さを感じながらも、伝えなければならなかったのです。
お子さんが帰ったあと、母親が溢れる思いを語った言葉の数々を今でも忘れることができません。
『ママのセーター』は母親と死別し深い喪失感を抱えた小さな女の子と、その子を見守るパパの物語です。
グリーフケアの重要性は頭では理解していたつもりです。
でも、子どもに寄り添った絵本にはなかなか出会えませんでした。
この本には母親を失った寂しさや、友達とお母さんが一緒にいるときに感じる複雑な気持ちが、素直な言葉で丁寧に描かれています。
保護者との死別が、子どもの心と体にどれほどの影響を与えるのか、この絵本を何度も読み返しながら改めて考えさせられました。
大切な人を亡くしたすべての子どもたちに、そして今悲しみの中にいる大人にも、ぜひ手にとってほしい一冊です。
★星の数: 5 (5つ星中)(レビュアー)
★上記でご紹介させていただいたレビューの全文や、本書に新たに寄せられたコメントなどを、こちらのnoteにまとめて掲載しています。ぜひご一読ください。
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書籍紹介
『ママのセーター』
文・絵:ジェイド・パーキン
訳:おおくぼ かおり
発売日:2025年5月7日
ISBN:978-4-86706-056-8
定価:1870円(本体1700円+税)
体裁:A5変型・上製
ページ数:26ページ
発行・発売:西村書店
著者プロフィール
文・絵:ジェイド・パーキン
イラストレーター、作家。イギリスのブリストルを拠点に、世界中の雑誌や書籍などの仕事を手がける。母親を病気で亡くした経験から、グリーフをテーマにしたコミックを制作。数年後、出版社から子ども向けのグリーフの絵本の依頼を受けて、本書が生まれた。多くの子どもたちがこの本を手にし、グリーフが身近な存在として受け入れられるようになってほしいと願っている。
訳:おおくぼ かおり
チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)。早稲田大学卒業後、渡米。ラバーン大学大学院修士課程を修了し、CLSの資格を取得後、帰国。CLSとして、子ども病院や市民病院などの勤務をへて、現在、聖路加国際病院にて、病気の子どもやその家族の心のケアにたずさわる。
*チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS):子どもや家族が安心して病気や治療と向き合っていけるよう、心理社会的ケアを提供する専門職。
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