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第30回「日本絵本賞」受賞作品決定! 大賞は『ぼくは ふね』

第30回「日本絵本賞」の最終選考会が4月23日に行われ、受賞作品が決定しました。1年間に日本で出版された絵本の中から特に優れた絵本に「日本絵本賞大賞」、優れた絵本に「日本絵本賞」、翻訳絵本の優れた絵本に「日本絵本賞翻訳絵本賞」を授与するものです。さてどんな作品が選ばれたのでしょう。また「第30回日本絵本賞最終候補絵本」30点(うち翻訳絵本13点)も公開されていますので、合わせてご覧ください。

「日本絵本賞」とは…

公益社団法人全国学校図書館協議会では、絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展に寄与することを目的として、優れた絵本を顕彰する「日本絵本賞」を1995年より実施しています。これは、1年間に日本で出版された絵本の中から、特に優れた絵本に「日本絵本賞大賞」、優れた絵本に「日本絵本賞」、翻訳絵本の優れた絵本に「日本絵本賞翻訳絵本賞」を授与するものです。

選考は、全国学校図書館協議会の絵本委員会(常設)において、全国学校図書館協議会図書選定で合格した新刊絵本の検討・評価を重ね、「日本絵本賞最終候補絵本」を選びます。次に、作家、画家、絵本研究者、美術評論家など、主催者が委嘱した最終選考委員により、最終選考会を行い、授賞を決定します。

今回は2024年1月から12月までに刊行された絵本の中から、全国SLA選定委員会で選定された絵本752点(うち翻訳絵本209点)のうち、絵本委員会によって選ばれた「第30回日本絵本賞最終候補絵本」30点(うち翻訳絵本13点)が対象となりました。
表彰式は8月1日(金)に東京都内において、受賞者を招いて行います。受賞した作家、画家には賞状、盾および賞金を、出版社には賞状および盾を贈呈します。

第30回「日本絵本賞」受賞作品

第30回日本絵本賞大賞

第30回日本絵本賞大賞に選ばれたのは……

『ぼくは ふね』五味太郎/作(福音館書店)

「その気になれば、どこだって進めるものだよ」五味太郎さんの集大成作品

ぼくは ふね

ちいさな船が海を進んでいくと、嵐がやってきて海は大荒れに。ヘリコプターに吊り上げられて助けられますが、地面の上に置かれてしまい、もうどこへも行けない、おしまいだとなげきます。そこへ他の船がやってきて「その気になれば、どこだって進めるものだよ」と声をかけます。ちいさな船はその気になって、山や畑、街の中をどんどん進みます。絵本作家として50年、五味太郎さんの集大成作品です。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=251239

第30回日本絵本賞

『ひとのなみだ』 内田麟太郎/文、nakaban/絵 (童心社)

非戦と平和への願いを込めて、詩人・内田麟太郎が描く近未来とは──。

ひとのなみだ

 だいとうりょうが さけぶ
 せんそうが はじまる
 でも ぼくは いかない
 いくのは ロボットのへいたい

ロボットの兵隊が戦争に行く世界で、ぼくたちは安心して暮らしているはずだった。
非戦と平和への願いを込めて、詩人・内田麟太郎が描く近未来とは──。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=258529

※『ひとのなみだ』は、絵本ナビ【NEXTプラチナブック】にも選定されている作品です。

https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=2686 知ろうとしなかったその先に。『ひとのなみだ』【NEXTプラチナブック】

第30回日本絵本賞

『ゆきのこえ』おーなり由子/ぶん、はた こうしろう/え (講談社)

かがやく雪の世界を体ぜんぶを使って感じる雪の絵本

ゆきの こえ

 

雪が降った翌朝、あたり一面まっしろな中、はーっと白いいき。
雪の朝はしずか。

一歩ずつ雪をふみしめると「くすすすす」」と、足もとから音が広がります。
聞こえたのはゆきのこえ?

おーなり由子とはたこうしろうが描く、ふゆの朝。
かがやく雪の世界を体ぜんぶを使って感じる雪の絵本。

第30回日本絵本賞翻訳絵本賞

『ねえ、おぼえてる?』 シドニー・スミス/作、原田 勝/訳(偕成社)

シドニー・スミスが、自らの子ども時代の体験を3年がかりで描いた、心ゆさぶる絵本

ねえ、おぼえてる?

「ねえ、おぼえてる? パパと3人で、野原へピクニックにいったときのこと」

明かりを消したあとのベッドでかわされる母と子の親密な会話。

喜びと痛みをともなう思い出を受けとめて、新しい人生を歩みはじめる2人をてらす朝の光。

絵本の可能性をきりひらく作品で、世界から注目を集めるシドニー・スミスが、自らの子ども時代の体験を3年がかりで描いた、心ゆさぶる絵本。

※『ねえ、おぼえてる?』は、絵本ナビ【NEXTプラチナブック】にも選定されている作品です。

https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=2539 新しい人生を歩みだす2人に…『ねえ、おぼえてる?』【NEXTプラチナブック】

賞名: 第30回日本絵本賞

主催:公益社団法人全国学校図書館協議会、協賛:一般社団法人松岡マジック・ブック・ヘリテージ、特別協力:読売新聞社、中央公論新社

最終選考委員:(敬称略・順不同) ▽松本猛(委員長・絵本・美術評論家、ちひろ美術館常任顧問)▽伊藤たかみ(作家)▽福田美蘭(画家) ▽佐々木泰((公社)読書推進運動協議会事務局長)▽小林功((公社)全国学校図書館協議会研究 部長、絵本委員会委員長)

「2025えほん50」「第30回日本絵本賞最終候補絵本」もご活用ください。

昨年1年間に刊行された絵本の中から、テーマ、ジャンル、程度さまざまな観点で厳選された50冊の絵本リストはこちら。

さらに、「2025えほん50」中から、1年間を代表する特に優れた絵本として、第30回「日本絵本賞最終候補絵本」にノミネートされた30点がこちら。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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