第28回「日本絵本賞」受賞作品決定!大賞は『PIHOTEK:北極を風と歩く』
第28回「日本絵本賞」受賞作品
第28回「日本絵本賞」の最終選考会が4月25日に行われ、4点の受賞作品が決定しました。
日本絵本賞とは
公益社団法人全国学校図書館協議会では、絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展に寄与することを目的として、優れた絵本を顕彰する「日本絵本賞」を 1995年より実施しています。これは、1年間に日本で出版された絵本の中から、特に優れた絵本に「日本絵本賞大賞」、優れた絵本に「日本絵本賞」、翻訳絵本の優れた絵本に「日本絵本賞翻訳絵本賞」を授与するものです。
今回は2022年1月から12月までに刊行された絵本の中から、全国SLA選定委員会で選定された絵本1,019点(うち翻訳絵本311点)のうち、絵本委員会によって選ばれた「第28回日本絵本賞最終候補絵本」30点(うち翻訳絵本12点)が対象となりました。
表彰式は6月22日(木)に東京都内において、受賞者を招いて行われます。受賞した作家、画家には賞状、盾および賞金を、出版社には賞状および盾が贈呈されます。
第28回日本絵本賞大賞(1作品)
『PIHOTEK 北極を風と歩く』命と死を感じる美しい絵本
「植村直己冒険賞」受賞の極地冒険家、荻田泰永×「世界で最も美しい本コンクール」銀賞受賞の井上奈奈による絵本。
北極をたった一人で歩く”僕”の一日を描く。
頬を叩く風、北極での生き方を知る動物たち、空から降りる暗闇、そして……。
北極を歩く”僕”を追体験できる、命と死を感じる美しい絵本。
たった一人、北極を歩いている。
命を支える道具
食料を積んだソリを引きながら、進んでいく。
氷のきしむ音が遠くでひびく。揺れ動く氷の海。
歩けども、歩けども、足元はながされていく。(本文より)
「環境問題とは数字の問題ではない。命の問題だ。自分の命はもちろん、隣にいる大切な人の命であり、会ったこともない遠い土地の誰かの命であり、時代も異なる動物の命のことだ。ー中略ー北極を冒険することは、生きることだ。そして、死を感じることだ。その死とは、誰かの命であり、いつの日か自分の体も分解されて、空に舞い、風に吹かれて誰かの命にたどり着く。」(巻末エッセイより)
第28回日本絵本賞(3作品)
『がっこうに まにあわない』にぎやかハッピーな世界を突っ走るスピード感あふれる絵本
家を飛び出し、あわてて走る男の子。今日は絶対に学校に遅れちゃいけないのだ。でもゆくてには、水たまりじゃぶじゃぶ、歩道橋ぐねぐね、大きな犬たちがわんわん、踏み切りは閉まったまま。なんて、じゃまするものばっかり。さてこの男の子、学校に間に合うの? そして最後に待っているのは……。にぎやかハッピーな世界を突っ走るスピード感あふれる絵本。いつもの通学路が冒険の旅に変わるかもしれない!?
『ねこ と ことり』幸せの価値を描いた珠玉のファンタジー
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◎◎ 子どもから大人まで響く、珠玉の絵本 ◎◎
●注目の作家・舘野鴻と、細密画家の新生・なかの真実が紡ぐ、心あたたまるファンタジー。
●環境が違っても、互いを思い、歩み寄るー
ねことことり、それぞれの視点から見える、〝しあわせ”とは?
●日々の営み、共生、命の循環を、
美しい細密画でドラマチックに描きます。
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ねこの しごとは、こぶしの 木のこえだを たばねることです。
あるあさ、ねこが しごとを しようとすると、
まどに ことりが とまりました。
「……おねがいがあります。
そこにある こえだを、すこし わけて もらえないでしょうか?」
いまにも なきだしそうな ことりをみて、ねこは
いちにち いっほんずつ、こえだを あげることにして……。
特別な枝を求めて、猫のもとへやってきた小鳥。
異なる環境のなかで、密接に交わり合うふたり――
互いに歩み寄る思い、幸せの価値を描いた珠玉のファンタジー。
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絵本ナビサイトスペシャルコンテンツ
賞名: 第28回日本絵本賞
主催:公益社団法人全国学校図書館協議会、協賛:一般社団法人松岡マジック・ブック・ヘリテージ、特別協力:読売新聞社、中央公論新社
最終選考委員:(敬称略・順不同) ▽松本猛(委員長・絵本・美術評論家、ちひろ美術館常任顧問)▽伊藤たかみ(作家)▽福田美蘭(画 家) ▽佐々木泰((公社)読書推進運動協議会事務局長)▽小林功((公社)全国学校図書館協議会研究 部長、絵本委員会委員長)
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