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第26回「日本絵本賞」受賞作品決定!

第26回「日本絵本賞」受賞作品が決定

第26回「日本絵本賞」の最終選考会が4月9日に行われ、4点の受賞作品が決定しました。

日本絵本賞とは

公益社団法人全国学校図書館協議会では、絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展に寄与することを目的として、優れた絵本を顕彰する「日本絵本賞」を1995 年より実施しています。これは、1年間に日本で出版された絵本の中から、特に優れた絵本に「日本絵本賞大賞」、優れた絵本に「日本絵本賞」、翻訳絵本の優れ た絵本に「日本絵本賞翻訳絵本賞」を授与するものです。

選考は、全国学校図書館協議会の絵本委員会(常設)において、全国学校図書館協議会図書選定で合格した新刊絵本の検討・評価を重ね、「日本絵本賞最終候補絵本」を選びます。次に、作家、画家、絵本研究者、美 術評論家など、主催者が委嘱した最終選考委員により、最終選考会を行い、授賞を決定します。

今回は2020年1月から12月までに刊行された絵本の中から、全国SLA選定委員会で選定された絵本994点(うち翻訳絵本 316 点)のうち、絵本委員会によって選ばれた「第26回日本絵本賞最終候補絵本」30点(うち翻訳絵本14点)が対象となりました。

受賞した作家、画家には賞状、盾および賞金を、出版社には賞状および盾が贈呈されます。

賞名

第26回日本絵本賞 主催:公益社団法人全国学校図書館協議会

協賛:一般社団法人松岡マジック・ブック・ヘリテージ(申請中)

第26回日本絵本賞  3作品

『こどもたちは まっている』 荒井良二/著 亜紀書房

こどもたちは まっている

今日も水平線から日が昇る。いつもの風景、季節の移ろい、突然の雨、特別な夜。

繰り返す日々のなかで、みんな、いつもなにかを待っている。
船が通るのを、貨物列車を、雨上がりを、夜明けを……。


◆国内外で活躍する荒井良二の新しい代表作が誕生!


 ぼくが大学生の時に、長新太「ちへいせんのみえるところ」を
 手に取ることがなかったら、絵本を作っていなかったと思う。

 今だにぼくは、この地平線の見える風景の中にいて、
 優しさや不安や笑いや寂しさや怖さや希望の風に吹かれている。

 そう、まるでこどもの時のぼくがそうして立っているように。

 ぼくが絵本を作る時は、必ず頭の中で一本の線を引き、
 そこからぼくの絵本の旅を始める。

 やがて、その線は見えなくなってしまうが、
 時おり顔を出してはこどもの時のぼくが「ちへいせん」を眺めて立っている。

 いつか、ぼくの「ちへいせんのみえるところ」を描いてみたいと思っていたが、
 もしかしたら、この「こどもたちはまっている」が、そうなのかもしれない。


 そして、この本を長さんに捧げたいと思う。

 荒井 良二

(亜紀書房HPより)

『このかみなあに? :トイレットペーパーのはなし』 谷内つねお/さく 福音館書店

このかみなあに? トイレットペーパーのはなし

毎日お世話になっているのに、あまりにみぢかすぎて注目されない紙、トイレットペーパー。でも、子どもたちはちがいます。廊下で転がしてみたり、体に巻いてみたりと……つい遊んで叱られたりしてしまいます。いろいろな特徴があるので、好奇心をくすぐられるのでしょう。ロール状に巻いてあって、薄くて長くて柔らかい、などなど……トイレットペーパーは普通の紙にはない特徴をもっています。人間の叡智が詰まっているのです。

『ぼくがふえをふいたら』 阿部海太/作 岩波書店

ぼくがふえをふいたら

フルーーフルーー……笛の音は風にのり、彼方にこだまして、眠るだれかをよびおこす。タタ、タタ、カチャ、ケチャ、ビーン、ビーン……!重なり広がり響きあい、音は喜びに満ちていく。圧倒的な画力とみずみずしい感性で絵本の新境地に挑む画家・阿部海太が描く、音楽のうまれる神秘的な瞬間。心地よい余韻がのこる絵本。

第26回日本絵本賞翻訳絵本賞  1作品

『虫ガール:ほんとうにあったおはなし』 ソフィア・スペンサー/文、マーガレット・マクナマラ/文 ケラスコエット/絵、福本友美子/訳 岩崎書店

虫ガール ほんとうにあったおはなし

ちいさな頃から虫が大好きなソフィア。
幼稚園の間は人気者でしたが、小学校に入ると、
虫が好きなことが原因でいじめにあうように…。

すっかり落ち込んでしまい、「虫をお休みする」と
言うソフィアを見かねたお母さんが、ソフィアをはげまそうと
昆虫学者のグループに1通のメールを出しました。

すると、世界中の昆虫学者から、ソフィアにぞくぞくとメッセージが!
虫が好きな人が世界にたくさんいること、
さらに女性の研究者もたくさんいることに勇気づけられたソフィア。

「虫を好きだっていいんだ!」
多くの人の励ましで、自信を取り戻したソフィアの実話。

巻末には、ソフィア自身による「虫の本」も収録されています。

「第26回日本絵本賞大賞」は該当なし

最終選考委員 (敬称略・順不同)

▽松本猛(委員長・絵本・美術評論家、ちひろ美術館常任顧問)▽伊藤たかみ(作家)▽福田美蘭(画 家)▽小塚昌弘((公社)読書推進運動協議会事務局長)▽小林功((公社)全国学校図書館協議会絵本 委員会委員長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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