子供たちと野菜の架け橋に!杉山実さんの新作絵本『かんしょくさせてよ やさいっちょ』が発売
子供たちと野菜の架け橋に!『かんしょくさせてよ やさいっちょ』発売
NHK・Eテレ『おかあさんといっしょ』で「いえ イェイ!!」「おすしのピクニック」のアニメーション制作やマンガ家として活躍する杉山実さんが手掛けた新作絵本『かんしょくさせてよ やさいっちょ』とテーマソングCDが5月19日にポニーキャニオンより発売されました。
絵本に登場する野菜を使って、親子でつくれるレシピ付き!
おうち時間を楽しく過ごすにもおススメな1冊です。
きみがやさいをきらいでも、やさいはきみがだいすきさ!
やさいぎらいなこどもたちに、みをけずってやさいのすばらしさをおしえるやさいたち。
そのなは やさいっちょ!
作者の杉山さん自身も野菜が苦手だった!『やさいっちょ』を通して伝えたいメッセージとは?
——まずは、『やさいっちょ』を描き始めた経緯というのは?
杉山さん 僕、子供の頃から野菜が苦手でして(笑)。さらに、僕の3人の子供も野菜が苦手なんです。長女と次男はまだいいんですけど、長男がひどくて。それで、野菜好きにさせるにはキャラクターにしたら愛着が持てるかなと思ったのがきっかけです。
——『やさいっちょ』のテーマというのは?
杉山さん 野菜って、味や食感の好き嫌いはあるものの、見た目や色彩は豊かなものが多いので、そこにクローズアップしたらどうかと思って。僕も苦手だからダイレクトに食べてくれとも言えないし、世のお子さんたちに見た目からでも野菜に興味を持ってもらえたら。
——杉山先生はどのくらい野菜が苦手なんですか?
杉山さん 小さい頃から野菜の食感が苦手で。親に無理やり食べさせられるから余計に嫌いになって、大げんかもしました。けど、ある日無理をして食べなくてもいいよと言ってもらえたんです。そうしたら不思議と、煮込んだり、何かに混ぜたら食べられるようになって。今では、にんじんもクタクタに煮れば白菜だって食べられますよ(笑)。ただ、外食で生野菜が出てきたら、奥さんに「野菜好きだよね」とあげています。
——作品は、ストーリーとキャラクターどちらが先行だったんですか?
杉山さん 農林水産省では、メロンやいちご、スイカは果実的野菜として区分されているという話を聞いて、“なんだ、野菜を食べているじゃん”というところから子供たちを励ませるメッセージを届けたいという部分ですね。
——野菜たちのデザインはどのように手掛けていったんですか?
杉山さん 大根なんかはかわいすぎず、ダサい感じにしたいなと思いました。逆にフルーツ系の野菜はかわいらしくしましたね。子供たちの味方だぜ!みたいな。あと、色味のバランスはカラフルがいいかなと思って、種類をチョイスしました。
——絵本として、こだわった部分は?
杉山さん 当初はふきだしがあったり、マンガの体裁だったんです。そういうのをやめて、文字を全部ひらがなにしたり、料理のレシピもあるので絵や文字の配置を小さい子が読みやすい構成にしていこうと制作サイドと相談しながら進めました。
家族からの反応はいかに!?絵本のために普段料理をしない杉山先生がレシピ作りに挑戦!
——絵本に出てくる料理レシピは、杉山先生が作ったそうですね。
杉山さん 料理自体は一般的な料理なのですが、普段料理をしない僕が、味を濃いめにしたらどうかとか、もっと煮たほうが食べやすいかな?なんて試行錯誤しながら作ってみました。自分でもちゃんと食べましたよ(笑)。
——ご家族にも食べさせたんですか?
杉山さん 食べてもらったら、子供たちが「おいしい」って言ってくれたし、まさかの奥さんが一番絶賛してくれて。「毎日料理を作ってよ」って言われないかビクビクしました。
——そうなると、毎日野菜料理を食べないとですよね。
杉山さん 仕事だから頑張れたんです(笑)。やはり、両親が作るなり、一緒に作ったほうが子供も興味や愛着が湧きますよね。
——では、楽曲「かんしょくさせてよ やさいっちょ」についてですが、こちらはどなたのご提案で?
杉山さん これは、制作サイドから、絵本を出すなら楽曲も出したらYouTubeなどで盛り上がるのでは?と提案があって。最初は作曲も振られたけど、さすがにそれは出来ないと断りました(笑)。初の作詞だったんですけど、曲を聴いていたらサラッと書けて、“あれ?作詞の才能あるのかな?”と思っていたら、結構ダメ出しをされて。書き直していたら途中でゴールを見失ったり(笑)。
——歌詞に込めたメッセージというと?
杉山さん <それでもダメなら やさいジュースー><のこしていいよー がんばったね>というフレーズのように、絵本と同じく逃げ道を作ったところですね。どうしても食べられない子もいますから、食べられる野菜だけ楽しく食べて。今は、僕の時代にはなかったような、栄養を補えるものもありますし。
——では、サウンド的なところでお気に入りのところは?
杉山さん 子供たちが聴いて踊り出しそうなところと、<ちょ ちょ ちょ・ちょ ちょ ちょ>の口ずさみたくなるループの部分が良いですね。
——アニメーション制作も先生が手掛けているとのことで、そこでのこだわりとは?個人的には、野菜たちのクネクネした動きがツボだったのですが。
杉山さん ありがとうございます!調理シーンで野菜たちが身を削るところはコマ数を多めに描いて、動きを細かく表現しました。でも、実際一番コマ数が多かったのは、トマトがケチャップを持って奥から走ってくるシーンでした(笑)。
——今後の構想はもうイメージされているのですか?
杉山さん 以前、展示会で壁一面を野菜たちで埋めないといけなかったので、ブロッコリーやアスパラガスなどをざっくり描いたことがあります。絵本に出ている野菜の種類はほんの一部ですから、まだまだ広げられますね。
野菜と同じくバランスが大事!?3人の子を持つ杉山先生に子育てアドバイスを直撃!
——ちなみに、ご両親がお子さんにこの本を読んであげる際に、どこをポイントにしたらよいでしょうか?
杉山さん 料理シーンでの野菜たちの語尾をこだわったんです、ニンジンだったら「せんぎりニン!」みたいな。これを恥ずかしがらずにキャラを演じて読んでください。料理シーンって見ていておもしろいと思うので、実際に「料理を作って!」みたいになったら嬉しいです。
——先生が子育てをしてきて、大切にしていることはなんですか?
杉山さん 子育てって想像どおりにならないですよね。想像以上にめちゃくちゃで(笑)。今は大きくなってきたのでまだいいですけど。あまり先入観を持ったり、こうしようと押し付けるようなことはしないほうが良いと思います。なかなかそうならないですから。ウチは、奥さんがいろいろ言ってくれるので、僕はその場の状況に対応するようにしています。ただこれを奥さんに知られると「あなたももっと言ってよ!」とツッコまれてしまうので秘密にしてください(笑)。
——なるほど、ふたりでうまく飴と鞭の役割をしながらってことですかね。
杉山さん 僕は飴にも鞭にもなってないかな、奥さんが両方上手なので(笑)。ただ、僕の場合は家で作業をすることが多いので、子供たちと接する機会は多いほうだと思います。両親がどちらも厳しかったり、放任主義なのは良くないのでバランスが大事、野菜と一緒です(笑)。歌詞にもある<ビタミンバランス>ですね。
——上手くまとめてきましたね。では、最後に『やさいっちょ』の今後の夢はありますか?
杉山さん 日本全国の子供たちに『やさいっちょ』の歌を口ずさんでほしいですね。野菜売り場でも流れて、楽しそうに野菜を手に取ってくれたら嬉しい。僕自身もスーパーで一番見ていて楽しいのは、野菜売り場なんです。カラフルで心休まりますから。『やさいっちょ』をきっかけに、みんなが野菜を食べてくれたらいいですね。
書籍紹介
絵本『かんしょくさせてよ やさいっちょ』
発売日:2021年5月19日(水)
価格:¥1,430(税込)
サイズ:A4横 全44ページ
商品紹介
CD「かんしょくさせてよ やさいっちょ」
発売日:2021年5月19日(水)
価格:¥831(税込)
収録内容:
1.「かんしょくさせてよ やさいっちょ」
2.「かんしょくさせてよ やさいっちょ」(カラオケ)
配信:各配信サイトにて同時配信開始
「かんしょくさせてよ やさいっちょ」MUSIC VIDEO
公式サイト:https://yasai-cho.ponycanyon.co.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/yasai_cyo
公式Instagram:https://www.instagram.com/yasai_cyo/?hl=ja
著者プロフィール
作者:杉山実
1973年東京生まれ。多摩美術大学在学中から版画、マンガ、アニメーション等で活動。 NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』内での歌「いえ イェイ!!」や「おすしのピクニック」のアニメーションを制作。主な著書にマンガ『マザー・コスモス』『ガール・デバイス』(ともに青林工藝舎)、絵本『うんこめいろ』シリーズ(あかね書房)、絵を担当した児童書『「山田県立山田小学校」シリーズ(あかね書房)がある。
杉山実 公式サイト:https://www.minoruland.com
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