2歳の子と読みたい絵本ベストセレクションよりこの3冊をご紹介(3)
夢中になれる経験を
お話が少し長くても、夢中になれればあっという間に本の世界に入り込めてしまいます。
等身大の主人公が登場するお話は特に共感できるはず。シリーズになっている作品もおすすめです。
「14ひきのあさごはん」
一日の始まりは、生活の中でとても大切なもの。当たり前のことを当たり前に行う14匹の生活ぶりは、何気ない日々の営みの尊さを再度思い起こさせてくれます。
早起きをして全員で朝ごはんの準備をする14匹の姿には、活力がいっぱい。朝の清々しい森の描写と合わせ、元気を分けてもらえそうです。湯気の立つきのこスープ、焼きたてのどんぐりパン、摘みたての野いちごを並べ、みんなで「いただきます」――。一人一人の表情には充実感が満ちあふれ、いつの間にか読み手も温かな気持ちになっています。
注目はくんちゃん、とっくん。小さな存在の彼らもしっかりお手伝いをして、朝の準備に加わっていますね。
「おやおや、おやさい」
リズムカルな言葉遊びをユーモアたっぷりな絵の世界で表現し、人気となった前作『くだもの だもの』。その名コンビ石津ちひろさん&山村浩二さんの新作が『おやおや、おやさい』です。
今度の主役はフレッシュな野菜たち。これがツヤツヤ、ゴツゴツしていていかにも美味しそう。そしてモリモリ元気。なんてったって「マラソン大会」を繰り広げるくらいですから。にんにくの筋肉がむきむきしていたり、ラディッシュのダッシュが素晴らしかったり、かぼちゃの体はやっぱり重そうだったり・・・それぞれのキャラクターが野菜の雰囲気とぴったり合っている所が何だか笑ってしまいます。さて、一等賞になったのは誰だったのかな?
声に出して楽しい、石津さんの野菜にまつわる言葉の数々。駄洒落や回文になっている訳でもないけれど、何だかそれぞれのキャラクターが浮かびあがってくるような軽やかで楽しい文章。一体どんな風に思いつかれるのでしょうね。それから、最初は順番もばらばらだった一つ一つの文章を、見事に絵本の世界に仕上げてしまう山村さんの絵の世界。こちらも、どうしてこんな楽しいストーリー展開になってしまうのか、読めば読むほど不思議になるのです。お二人の才能の絶妙な組み合わせ、これこそがこのシリーズの最大の魅力なのかもしれませんね。
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