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“「カルピス」絵本の家プロジェクト” 読み聞かせイベントレポート

全国で860人が参加!
“「カルピス」絵本の家プロジェクト” 読み聞かせイベントレポート

「カルピス」100周年の新しい挑戦

アサヒ飲料さんが、ひなまつりの時期に白酒と同じ白色の「カルピス」を全国の幼稚園・保育園へ贈り、子どもたちの成長をお祝いする取り組みを、1963年から50年以上にわたり続けているのを知っていますか? また、1982年からは読み聞かせに適した絵本を「カルピス絵本」として刊行し、そのダイジェスト版をミニ絵本として、同じく全国の幼稚園・保育園にプレゼントしているんです。

2019年の「ミニ絵本」(左)と「カルピス絵本」パッケージボトル(右) (C)まえはらあきこ

 

「カルピス」は2019年7月7日に、誕生100周年を迎えます。

 

 

大正、昭和、平成と、世代を越えて愛されてきた「カルピス」のように、「カルピス絵本」を通して、世代を越えてたくさんの人々の想いをつなぐ活動を行いたい―。

 

そんな願いから、アニバーサリーイヤーの2019年、アサヒ飲料さんは“「カルピス」絵本の家プロジェクト”を立ち上げ、従来の幼稚園・保育園の枠にとらわれず、地域全体でひなまつりをお祝いできる“場”づくりに挑戦しました。

 

このプロジェクトでは、絵本や読み聞かせに造詣の深い著名人からなる「サポーター」の方たちと、日本の各地域で絵本の読み聞かせを実施しているアクティブシニアを含むボランティア10団体(通称:「応援隊」)の協力を得て、親子で楽しめる「カルピス絵本」の読み聞かせと、子どもから大人まで、三世代揃っての「カルピス」の乾杯を体験できる“応援隊イベント”を、応援隊それぞれが普段活動している地域の施設を会場に、2019年1月20日から3月3日にかけて、全国10か所で実施しました。

「カルピス」絵本の家プロジェクト 全国10か所の応援隊イベント

世代を越えて、地域全体でのひなまつりをお祝いをめざした“「カルピス」絵本の家プロジェクト”。この応援隊イベントの盛り上がりの様子をレポートいたします。

豪華ゲストがかけつけた100周年イベント

全国10か所の応援隊イベントの会場の中でも、特に規模が大きかったものが2月2日に東京都文京区「文化シヤッターBXホール」で開催された、「声と未来&りぷりんとフレンズ・文京」による応援隊イベントでした。

 

“「カルピス」100周年、おめでとうございまーす!”

 

この日、アサヒ飲料さんの紹介で舞台に登場したのは、NPO法人「声と未来」の声優陣、愛河里花子さん、坂本千夏さん、かかずゆみさんと、NPO法人「りぷりんとフレンズ・文京」の飯田末子さん、水谷のぞみさんの5人です。この日イベントの司会を務めた愛河さんは、“「カルピス」絵本の家プロジェクト”の「サポーター」でもあります。

左から「声と未来」の愛河さん、坂本さん、かかずさん

「声と未来」は読み聞かせや劇など、声をキーワードにした活動を繰り広げるプロの声優さんの団体です。理事長でもある愛河さんはアニメ「ポケットモンスター」シリーズのゼニガメ役などで活躍中。坂本さんは「となりのトトロ」のメイ役、かかずさんは「ドラえもん」のしずかちゃん役と、3人ともだれもが知る声の持ち主です。

左から「りぷりんとフレンズ・文京」の飯田さん、水谷さん

一方、「りぷりんとフレンズ・文京」は地元・文京区を中心に活動するシニア中心の読み聞かせボランティア団体です。この日はこの5名により「カルピス絵本」の読み聞かせが行われました。“「カルピス」絵本の家プロジェクト”の応援隊イベントでは、全国10か所の会場それぞれで、「カルピス絵本」の読み聞かせが行われました。

全国10か所の応援隊イベントで読まれた「カルピス絵本」

 

『ちょっとだけ ちょっとだけ』2019年刊行

 作: きむらゆういち 絵: まえはらあきこ 発行:絵本ナビ 出版社: えほんの杜

『ドーナツやさんのおてつだい』2018年刊行

 作: もとしたいづみ 絵: ヨシエ 発行:  絵本ナビ 出版社: 泰文堂

『ゆうくんの くまパジャマ』2017年刊行

 作: カザ敬子 作: 中谷靖彦 出版社: 講談社

『ひなまつりの ちらしずし』2016年刊行

 作: 宮野聡子 出版社: 講談社

『ももんが もんじろう』2015年刊行

 作: 村上康成   出版社: 講談社

『イカになあれ』2014年刊行

 作: 真珠まりこ 出版社: 講談社

『アントンせんせい』2013年刊行

 作: 西村敏雄 出版社: 講談社

『ありんこのアリー』2011年刊行

 作・絵: みやにしたつや 出版社: 金の星社

『キツネのおとうさんがニッコリわらっていいました』2008年刊行

 作・絵: みやにしたつや 出版社: 金の星社

『にゃんきちいっかのだいぼうけん』2006年刊行

 作: 岡本一郎 絵: 中沢正人 出版社: 金の星社

 

※会場や公演によって読まれた作品は異なります。サポーターが演者として参加したイベントでは、応援隊の読み手に加え、サポーターによる読み聞かせも行われました

「カルピス絵本」の読み聞かせで、会場が一つに

「声と未来」のかかずさんが開いた一冊は、『ひなまつりの ちらしずし』。主人公の女の子・きみちゃんとお母さんがちらしずしを作る、この時期ならではのお話です。「カルピス絵本」のなかでも本作は女の子の気持ちに寄りそい、時代を越えて愛読者の多い絵本です。

かわって坂本さんの読み聞かせは、お腹からの太い声が迫力満点。『にゃんきちいっかのだいぼうけん』(作:岡本一郎 絵:中沢正人 出版社:金の星社)。こちらも「カルピス絵本」で人気の高い作品です。猫のにゃんきち一家が宝島探検へ出かけるこのお話。坂本さんは「さてさて、どんなお話かな〜」と会場に声をかけてから、ほのぼのとした一家の様子を語り始めました。

「りぷりんとフレンズ・文京」の飯田さんと水谷さんは、2人1組で『ドーナツやさんのおてつだい』を読んでくれました。一緒に料理する場面が楽しい一冊です。うきうきするドーナツ作りの場面から、ドキドキの一幕まで、2人の厚みのあるやさしい声に、小さな子どもたちまでじっと聞き入っていました。

新作の「カルピス絵本」はうさぎの親子の物語

さて、最後はいよいよ2019年刊行の新作「カルピス絵本」の登場です。『ちょっとだけ ちょっとだけ』は、うさぎのきょうだいがシチューを「ちょっとだけ」、次々につまみぐいしてしまうお話で、全国10か所の応援隊イベントのすべてで読み聞かせが行われました。

愛河さんの「スースーがふたをあけると おいしそうなシチューのにおいが はなをくすぐります」という声に、どこからか本当にシチューの香りが漂ってきそう。シチューのこぼれる音を「ポタポタポタ」と読むと、客席のあちこちで子どもたちが「ポタポタポタ」と小さく真似する声も聞こえました。

 

お話が終わって絵本を閉じた時、愛河さんは裏表紙のお鍋の絵を指さしました。「あら、お鍋からっぽになっちゃったー!」と彼女がいうと、うさぎの家族の満足感がとたんに会場に広がって、一段となごやかな雰囲気に。絵本の読み聞かせを通じて参加者と演者が一つになり、今回のイベントを象徴するような瞬間となりました。

他の会場の読み聞かせも大盛況

全国10か所の応援隊イベントの会場それぞれで、参加者と演者で一体感のある読み聞かせが行われました。小さい子連れの親子はもちろん、おじいちゃんやおばあちゃんなど、幅広い世代の方が会場に足を運ばれているのが印象的でした。

1月20日開催「ハッピーマーチ♪」神奈川県(アピタテラス横浜綱島 コミュニティパーク)
2月9日開催「図書館ボランティア そよかぜ」秋田県(仙北ふれあい 文化センター)
2月10日開催「絵本ごっこ」京都府(こどもみらい館)
2月16日開催「えほんのじかん~PEACEFUL」東京都(すみだ リバーサイドホール ミニシアター)
2月17日開催「景山聖子さん&Fun and Smile Factory」東京都(StudyHacker ENGLISH COMPANY四谷スタジオ)
2月24日開催「ファザーリング・ジャパン東海(出演:甲斐性ナッシャーズ)&特定非営利活動法人 名古屋おやこセンター」愛知県(とだがわこどもランド)
2月28日開催「おはなしこっとん」青森県(平川市立大坊小学校)
3月2日開催「えほん♪ランド」東京都(毎日メディアカフェ)
3月3日開催「Happy Bear Book」熊本県(ゆめタウンはません 紀伊國屋書店)

「カルピス」で乾杯! ひなまつりパーティー

文化シヤッターBXホールでの130名を超える「カルピス」乾杯

応援隊イベントの会場の多くで、参加者全員による「カルピス」乾杯が行われ、幅広い世代の方たちが一つになり楽しいひとときを過ごしました。大型会場の「文化シヤッターBXホール」では2回公演が行われましたが、いずれも130名を超える参加者が一斉に乾杯し、なかなか体験できない思い出づくりの一コマとなりました。

乾杯の場面以外にも、多くの会場で「カルピス」を堪能できる場が用意されていました。自分の好きな濃さで作って飲める「カルピス」づくりコーナーは、子どもにも大人にも大人気! 「カルピス」づくりが初めての小さなお子さんも嬉しそうに作っていましたよ。自分の好きな濃さで作るのが「カルピス」の楽しみ方のひとつですが、「カルピス」のおすすめ黄金比は、原液と水を1:4で割ることなんですって。

幅広い世代の想いをつなぐつるしびな

「カルピス」絵本の家プロジェクト つるしびな

全国10か所の応援隊イベントのすべての会場で、だれでも自由に書きこめる「つるしびなボード」が設置されていました。これは幅広い世代の想いをつなぐ、ちょっとしたモニュメントになっています。子どもなら「未来へのゆめ」を、大人なら「成長をお祝いするメッセージ」を専用シールに書き、ボードに飾りつけます。つるしびなにはもともと、世の中のみんなで子どもの成長をお祝いする意味合いがあります。

しっかりとした字で「アナウンサーになりたいです」と書く小学2年生の女の子がいれば、覚えたてのひらがなで「まま」と大きく書く3歳の男の子も。一生懸命に作って貼る子どもたちの姿を、たくさんの大人がどの会場でもにこやかに見守っていました。

「カルピス」の新しい100年に向けて

全国10か所の応援隊イベントの会場は、すべて場所も参加者も異なりますが、共通していたのは子どもから大人まで、幅広い世代が笑顔でイベントを楽しんでいたということです。世代を越えて親しまれてきた「カルピス」と、世代を越えて読まれてきた「カルピス絵本」。この2つだからこそ、実現できた今回のイベントと感じました。

 

共働き世代の増加による親子コミュニケーション時間の減少や、地域間、世代間の交流の希薄化などを背景に、未来を担う子どもたちを社会全体で育てていくことが重視されています。そんな中、地域全体でひなまつりをお祝いできる“場”づくりに挑戦した、“「カルピス」絵本の家プロジェクト”。今回のアサヒ飲料さんの取り組みをきっかけに、「カルピス」と「カルピス絵本」の笑顔の輪が、ひなまつりの楽しい思い出とともに、次の新しい100年にも広がっていきますように。

 

 

「カルピス」絵本の家プロジェクトのさらに詳しい情報は下記のページでもご紹介中です。ぜひご覧ください!

 

※「カルピス」はアサヒ飲料株式会社の登録商標です

※「ハッピーマーチ♪」「絵本ごっこ」「えほんのじかん~PEACEFUL」「Fun and Smile Factory」「えほん♪ランド」「Happy Bear Book」は(社)JAPAN絵本よみきかせ協会の推薦団体です

アサヒ飲料は、お客様に信頼される「安全、安心でおいしいモノづくり」を通じて「元気」「楽しさ」「健康」をお届けし、お客様の豊かな生活シーンづくりに貢献する企業をめざしています。また、未来を担う子どもたちの育成支援活動にも継続的に取り組んでいます。

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