みんな大好き!どんぐりの絵本

子ども達はどんぐりが大好き。夢中になって拾い集めている姿を見ていると、いったいこの小さな木の実にどんな魅力がつまっているんだろう…と思ってしまいます。でも、よく見るとどんぐりにも色々な形や種類があるんです。まるっこかったり、細長かったり、色が濃かったり。どんぐりの事がよくわかるお話から、可愛いお話まで。おすすめのどんぐり絵本をご紹介します。
小さな男の子とどんぐりの心の交流を、いきいきと描きます
ぼくはどんぐり。コウくんのどんぐりです。ぼくのおしりには「ケーキ」とかいてあります。コウくんがつけてくれたぼくのなまえです。
コウくんはだいすきなどんぐりのぼくといっしょに「よーい、どん」とかけっこをしたり、あめのひもげんきにさんぽをしたり、いっしょに泳いだり。でも秋のある日、「ケーキ」はまいごになってしまいます。次の日もその次の日もコウくんは探しにきます。枯れ葉をはらいのけ、おしりをうえにしてがんばってコウくんに見つけてもらおうとしても、見つけてもらうことができません。やがて「ケーキ」のうえには、白いふわふわがまいおり、ぬくぬくの落ち葉のふとんのなかで眠りこんでしまい・・・。
太陽のひかりがまぶしくて目をさました「ケーキ」が見たものはなんだったでしょう。季節がうつり、時がうつり、風景が変わるなかで立ち続ける木。木の子ども、どんぐりとコウくんの絆(きずな)。そこには子どもの頃かわした約束を一生覚えているように、心のどこかをつかんではなさない感触があります。胸にせまる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)

自信をなくしたどんぐりの木でしたが、優しいリスと出会い…
どんぐりの木は、どんぐりを食べたリスに「まずい」と言われ自信をなくしてしまいます。ところが、家を探しにきたリスと出会い……。
今年はじめて実をつけたどんぐりの木は、自慢のどんぐりを食べてもらうことを楽しみにしていました。ところが、どんぐりはまだ青かったため、一口食べたリスに「まずい」と言われてしまいます。そうとは知らず、どんぐりの木は自信をなくし、やがてどんぐりをつけなくなってしまったのです。
数年がすぎたころ、1匹のリスがどんぐりの木に家を作ろうとやってきました。すると、どんぐりの木は「リスなんて嫌いだ」と、リスを穴から追い出してしまいます。それでも、このどんぐりの木を気に入っていたリスは、掃除をして、ペンキをぬって……せっせと素敵な家を完成させました。
そんなある日、お客のリスたちが「この木はどんぐりをつけないし、つけてもまずいらしい」と言います。それを聞いたリスとどんぐりの木は……。
長所も短所も、ありのままの姿を受け入れてくれるリスと出会い、どんぐりの木の心が変化していく様子を描いた心温まる絵本。
どんぐりのぽー、ちい、くりんは、どんぐり村の帽子やさん
「なかやみわ×どんぐり」・・・聞いただけでもワクワクする組み合わせ!
期待通り、まるごと一冊どんぐりの魅力にあふれた絵本が出来上がりました。
(どんぐり新聞などの付録もついて、隅から隅まで楽しませてくれます。)
画面狭しと動き回るどんぐり達は大きさも形も様々。特に帽子のデザインの豊富さに、どんぐりってこんなにも種類があるのかと驚かされます。よく見るとキャラクターもそれぞれの雰囲気にぴったり、かなり個性的です。今後の展開に向けて勝手に想像をふくらませてしまいます。
そして、この新シリーズの大きなテーマが「仕事」。子どもと仕事と言うと結びつきにくい気もしますが、「しごとってなあに?」「どうしてしごとをするの?」こういう事を理解するのは、案外ずっと感覚的な部分なのかもしれません。
物語は、どんぐり村の帽子屋ぽー、ちい、くりんが、なかなか売れない帽子を持って町へ出掛ける所から始まります。そこで出合った出来事とは? 楽しい結末に向かうきっかけとなる場面。実際に仕事を経験している大人でさえもはっとしてしまうような成功への秘密がかくされていたりして・・・!?
「楽しいこと」と「大切なこと」、常に両方に真面目に向き合い続けているなかやさん。だからこそ親子に愛され続ける作品が生まれてくるのでしょうね。じっくり楽しんでください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
その他にも個性的などんぐり絵本がたくさん!
どんぐりころころ どんぶりこ~
おいけにはまって さあたいへん♪
だれが読んでも、すぐにメロディーまで思い出すのではないでしょうか。
もちろん、これは童謡『どんぐりころころ』です。
この歌には2番まであります。覚えていますでしょうか。
そう、最後はどんぐりが「お山が恋しい」と泣いてどじょうが困って終わっているんですよね。
「その後、どんぐりはどうなったんだろう・・・。」
歌い終わるといつもどんぐりの行く末が気になっていたというのが、絵本作家のスギヤマカナヨさん。
最近になって思い出し、それなら私が作っちゃえ、と誕生したのがこの絵本なのだそうです。なんて面白い発想!!同じ気持ちだったという子がいたら、こんなにすっきりすることはないですよね。
さて、絵本の方はどんぐりとどじょうがお池の中で出会うところから始まります。
その後、やっぱりお山に帰りたいと泣くどんぐりを見て、たくさんのお池の仲間がやってきます。どうしたらお山に帰れるのでしょうか。そこで、みんなでかついで泳ぐとどんぐりは無事に池のふちまでやってきます。すると今度は、かえるがどんぐりをおんぶをしてお山を探しに出かけます。そこで見つけた小さなお山。でもちょっと小さいような・・・?
この後も、さらにさらにどんぐりの冒険は続きます。出会う動物も移動距離もどんどんダイナミックになりながら展開していきます。そして、気になる最後の最後は?
あらためて読むと、どんぐりの運命ってすごい。自然界のたくさんの生き物たちを、その身をもってどんどんつないでいきます。そんなお話が全部、みんなの知っている『どんぐりころころ』のメロディーにのって進んでいくんです。要するに、ぜーんぶまるごと歌えちゃう絵本なのです。
さあ、さっそく深呼吸して、みんなで最初からうたってみませんか!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ある土曜日の夕方、一郎の元に届いたおかしな葉書。果たして一番偉いどんぐりは誰なのか?山猫裁判長に頼まれて一郎が思いついた判決とは?ユーモアに包まれた、メッセージの深さに思わずしんとする・・・。宮沢賢治の生前にただ一冊出版された童話集「注文の多い料理店」の冒頭を飾った傑作を、「小学館絵画賞」をはじめとする数々の賞を受賞している田島征三が、自然界ののどかな雰囲気をダイナミックに描いています。お子さんが成長しても記憶に残る傑作です。
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