絵本の中でも桜満開!お花見気分になれる絵本
入園・入学など、新生活が始まるこの季節を彩ってくれるのは、やっぱり満開に咲きほこる桜の木。
一年の内のほんのひと時、華やかに咲き乱れ、あっという間に散っていきます。
日本の風景や風流にも良く馴染み、象徴的な存在でもありますよね。
絵本の中でも、桜満開の美しい風景を舞台にさまざまな物語が展開されています。
花びらに乗せたそれぞれのストーリーを味わいながら、お花見気分を味わってくださいね。
春が近づくと、誰もが待ち遠しくなる“桜”
まるごと一冊どこを切っても春らしく、ふんわりあたたか桜色の絵本が届きました。
「ほわほわ ふわん」「ほろ ほろ ほろ ほろ ほろり」
空いっぱいに咲いている桜の木から、花びらが舞い落ちてきます。手のひらにいたかと思うと、風に吹かれてまた飛んでいき・・・。様々な視点から自由に描き出された満開の桜はとても美しく、その風景に囲まれた子どもの嬉しさが画面から直接伝わってくる様です。そして、その中を自由に漂っているのが、東直子さんの紡ぎ出す言葉。声に出して読むと更に軽やかで、まるで花びらそのものみたいですね。
桜が咲いているほんのわずかな期間の幸福感を、ぎゅっと凝縮してくれたようなこの絵本。それぞれの記憶の中の桜とあいまって、本を開けばいつでもその気持ちが蘇ってきてくれます。親子で一緒に味わってくださいね。
4月のおはなしの主人公は、ひろちゃん家のお庭の桜の花びら“さくらちゃん”
4月のおはなしの主人公は、ひろちゃん家のお庭の桜の花びら“さくらちゃん”。
ぴっかぴかのランドセルをしょったかっこいいひろちゃんを見て、
「・・・は~ん、にゅうがくしきかぁ。」
さくらちゃんはひらひらと舞い降りて、ひろちゃんの頭にちょこん。一緒に小学校に向かいます。
さくらちゃんと一緒に風景を見ていると、町にはあっちにもこっちにも可愛いく着飾った新一年生がたくさん。それを見守る大人達の様子も細かく描かれていて、読んでいるこちらまでなんだかソワソワしてきたりして。教室に入れば初めてのクラス分け、新しいおともだち、担任の先生、子ども達の緊張感でいっぱい。何しろさくらちゃんはひろちゃんの頭の上にいるわけですから、そのドキドキの音まで聞こえてくるようで・・・。
4月は「初めて」がたくさんの月。不安もあるけれど、こんな風にあたたかく丁寧に描かれた絵本を読めば頑張れる気がしてきます。そして、桜はこんな子ども達を応援してくれている存在なのかもしれませんね。
春、らんまん。 そんな言葉がぴったりの、春らしい絵本
くまの子が外であそんでいると、はなびらがとんできました。
青空に、ピンクのはなびらが、ひらり、ひらり。
満開の桜の枝からふわふわと、はなれてただよってきたピンクのはなびら。
こねこは、ちょうちょだと思ってとびつきます。
パンダはゆきだと思って、はなびらのうえででんぐりがえし。
ぞうは思わず大きなくしゃみをして……。
ふわり、ふわり。
さらさら、さらさら。
はらり、はらり。
はなびらが舞い、地面におりてきます。
からだにくっついて、もようになって。
あたりいちめんしきつめ、じゅうたんのようになって。
動物の子どもたちは笑顔で両腕をひろげ、からだいっぱいに、桜のはなびらを感じます。
春、らんまん。
そんな言葉がぴったりの、春らしい絵本です。
大きなサクラの木がある公園の春は、お花見でにぎやか
「サクラこうえん」の真ん中にある立派なサクラの木。満開になり、その美しい姿を見ようと週末土曜日にはたくさんの人々が集まります。
ござを敷いて、みんなでおしゃべりして、美味しいものを食べて。「お花見」はとっても楽しいものですよね。
日曜日の朝、公園に遊びに来たハルトが最初に見たのは、ゴミを片付けているミキとおばあちゃん。
「ミキちゃん、なにやってるの?」「みてのとおり、おそうじよ」
そう、お花見でにぎわった次の日の公園は、あちらこちらにゴミがいっぱいなのです。
ミキの強引な誘いもあって一緒に手伝うことになったハルトですが、人が食べ残したり飲み残したゴミをどうして自分が片付けなきゃいけないのか、不思議でしかありません。きたないのに!
そこでおばあちゃんが言います。
「サクラの花が咲くとみんながお花見をするように、サクラの花も私たちのことをちゃんと見ていると思うの」
サクラのお花だってきれいな公園を見たいに違いない、そう言われると何だか急に景色が変わって見えてきます。夏にはひまわりが、秋にはコスモスが、自分たちを見ている。だったら、やっぱりきれいな景色を毎年見せてあげたい。ハルトは思います。明日も来年もずっとおそうじを続けたい。
「じゃあ、約束しよう!」
サクラとおそうじと二人の素敵な約束。この3つを結びつけてくれたのは、おばあちゃん。
その豊かな感性はこうして子どもたちに、そしてまたその子どもたちにずっと受け継がれていくのでしょうか。すっかりきれいになったサクラの下に座ったハルトとミキとおばあちゃんの表情の清々しいこと!
大きくて優しい眼差しにつつまれた、可愛らしく気持ちのいい絵本です。
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