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3月21日は世界ダウン症の日。『マルコとパパ』~ダウン症のむすことぼくのスケッチブック~から学ぶこと

2012年から国連が国際デーの1つとして3月21日を「世界ダウン症の日」に制定しました!

今日は何の日?

3月21日は春分の日です。日本の国民の祝日ですよね!

でも、2012年からもう1つ大切な「国際デー」が制定されているのをみなさんご存知でしたか。ほとんどのダウン症がある人たちには、「21」番目の染色体が、「3」本あることから、今日「3月21日」が「世界ダウン症の日」として定められています。毎年、この日に向けてたくさんのイベントも開催されています。

 

身近にダウン症のお友だちがいない子どもたちや大人たちにとっては、実はわからないことだらけのような気がします。そんな時にであった1冊の本に衝撃を受けました。

「いいんだ!この子はこのままで!」人気イラストレーターのパパが息子への「ほんものの愛」にいたるまで

本といっても、物語でも絵本でもなく、ひたすら記録された日常のスケッチブック。そこには偽りのない、苦悩している正直なパパの姿とあどけない可愛いダウン症のぼく。そして100ページ以上にわたる愛情の記録でした。

 

言葉で伝えるよりもこんなにも力強いメッセージがあるということ。そしてたくさんの人がこの本の存在を知ることができたらいいなと思います。

 

パパが本の中で書き記したメッセージが、乾いた心に響きます。

 

「これでいいんだと。

 それだけじゃない。このほうがよかった、

 いや、これがいちばんだ、と、わかったんだ!」

まるで会ったことのないマルコくんが知っている友だちのように思えてきます。
写真よりなによりも。パパのスケッチのほうがどれだけ息子の生きてる瞬間を逃すまいと心の眼でつかまえているのが伝わります。
マルコとパパ

ダウン症のある息子マルコとの関係を、ラテンアメリカ出身のイラストレーター・グスティが、父親の視点から、かざらない言葉と、ユーモアあふれるイラストで誠実に描きだした作品。

最初は受け入れられず、困惑するだけだった自分のこと、家族や周りの人たちの言葉、ありのままのマルコを愛するようになったこと、マルコのお気に入りの遊びやさりげない日常の一コマ、そしてマルコをはじめ障害のある子ども・人々と共に生きることの意味が、シンプルな言葉と、見るものの心をつかむイラストレーションで綴られる。

本書は世界的に高い評価を得ており、2016年にボローニャ・ラガッツィ賞障害の本部門最優秀賞受賞するほか、ミュンヘン国際児童図書館推薦図書ホワイト・レイブンや、IBBY障害児図書資料センター推薦図書などに選ばれている。

気になる方は是非、手に取ってみてください。

我が子が愛しくてたまらなくなる、誰かに感謝して無性に愛を伝えたくなるそんな本です。

富田直美(絵本ナビ編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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